田舎の古い一軒家で静かに暮らす私は浴槽をタワシで磨いていた
すると窓から声が聞こえた
老人?
顔を上げるとシワだらけで痩せこけた老人が顔を覗かせていた
私は浴槽を磨くのをやめ風呂場をあとにした
しばらくしてから風呂場へ戻ると浴槽はすっかり綺麗になっていた
後日また私が浴槽を磨いていると老人がまた声をかけてきた
老人?
その痩せこけた顔を見て私は訪ねた
私
老人?
そういう老人を家に招き今晩の夕食だった野菜炒めを食べさせた
老人?
老人?
老人はそう喜んでいた
しばらくしてからまた浴槽を磨いてもあの老人が来ることはなかった
だがある日庭で育てていた野菜がなくなっていた
掘り返された形跡があった
またある日は近くで野良猫の死骸をみつけた
食い散らかされたようで骨が見えていた
その後はご近所さんからも食い散らかされた動物の、目撃情報を聞き
私は頭を抱えた
彼が垢しか食べなかったのは
誰も彼に垢以外食べさせなかったのは
そういうことだったのか
コメント
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妖になれすぎているのも、考えものだな