竜胆
スゥースピー
蘭
スゥースゥー
……
ここに誰かがいるのはわかってた
蘭
(誰だろ)
蘭
(じいちゃんかな)
ビリッ
竜胆
ゔっ
蘭
っ!?
蘭
(は?)
気付いたら
竜胆がそいつに何かやられてた
蘭
(何今の)
蘭
(今の竜胆の声?)
初めは何が起きたか分からなかった
蘭
(竜胆の声だよな)
蘭
(竜胆苦しそうにしてた)
蘭
(誰かに、)
蘭
(誰かにやられた?)
やっと理解したとき
俺は
そいつをぶん殴りたいと思った
あー?こいつら気絶だけで良かったんだっけ?
でもっ
俺は
竜胆
ゔっ、ぁ、ふっ
こいつちゃんと気絶してんのかぁ?
竜胆が苦しそうなのに
ボカッ
守らなくちゃいけないのに
竜胆
ゔっ、ぃ、
怖くて何も出来なかった
蘭
ハァッハッハァッ
ドクンッ
あ?なんだ?
こいつ起きてんじゃねぇかよ
蘭
ハァッハァッ
ドクンッ
ガキはこの時間には寝るもんだぞぉ?
蘭
ハッハァッハァッ
ドクンッ
おめぇは寝れねぇのかぁ
そっかぁ、
じゃあ
ドクンッ
俺が眠らせてやるよぉっ
ビリリッ
竜胆
らんっ
竜胆
起きてよ
らんっ
蘭
ハッ
竜胆
良かった、起きた
蘭
ここ、は?
竜胆
わかんない
竜胆
起きたらここにいた
蘭
そっ、か
蘭
俺と、竜胆、だけ?
竜胆
いや、他にも、
男子学生①
おい、お前らも連れてこられたのか?
そう、
ここには竜胆と俺だけじゃなかった
男子学生②
おいここから出してくれっ
こうやって叫んでる奴らもいれば
蘭
っ、、!?
竜胆
え、、?
焦点が合ってない
地面に倒れ込んでる奴も沢山いた
竜胆
ら、、ん、?
蘭
……
ギュッ
俺はたまらず竜胆を抱き締めた
抱き締めずにはいられなかった
竜胆の身体も
俺の身体も
酷く震えてたと思う
それでも竜胆は
竜胆
らっ、らん
竜胆
大丈夫、だよ
竜胆
こんな、のすぐっ
竜胆
すぐっ、終わるからっ
竜胆
ねっ、?
竜胆は引きつってる笑顔でそう言った
蘭
そう、
蘭
そ、うだよ、な
蘭
じゃないと、おかし、い
頭の中がぐちゃぐちゃだ
なんで、こんなことっ、
男子学生①
ふたり、とも
男子学生①
はかせが
男子学生①
呼んでる、ぞ
はかせ?
そいつが俺らを呼んでるのか?
竜胆
らん、、、
竜胆
いこ、、?
竜胆
行かなきゃっ、
竜胆
らんもっ、
竜胆
おれ、も
竜胆
グスッ
たぶん竜胆も察しがついてたんだと思う
俺たちにはかせが呼んでると言った奴の様子
ずっとここから逃げようとしている奴
地面に倒れ込んでる人間"だった奴"の身体
こいつらが教えてくれてるように
行ったら酷いことをされることを
でもそれ以上に
行かなきゃ
行かなきゃ
殺されるってことを