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陸斗

そんな怖い顔しないでよ

場を和ませるようにそう言った

そうしないと、もうすぐ 鬼になってしまいそうなほど

彼女の顔は 暗く怖い顔だったのだ

七海

だって、貴方がこんなところに連れてくるなんて

七海

滅多にないじゃない

陸斗

んー…そうかなぁ?

また、和ませるように笑った

そうしないと 僕が壊れてしまいそうだった

七海

ねぇ、何かあるなら話して?

七海

なんでも聞くから。

僕に必死にせがむ彼女は

幼子のように弱々しくて

何よりも必死に見えた

全く…勘づくのが 早すぎるんだよ

君って人は笑

陸斗

陸斗

別れてほしいんだ

陸斗

もう、僕と関わらないでほしい

率直に放った言葉は 彼女の胸を刺したようで

絶句して声一つ出さなかった

陸斗

ただ、それだけ。

陸斗

さよなら、七海さん

ここぞと言わんばかりに 別れの言葉を畳み掛けて

止められない間に店を出る

泣きかけの彼女は 見ないふりをして

空はどんより曇り空

明日は雨が降るらしく 湿気と寒さが身を包んだ

きっと、昨日ならば

彼女は隣で 手を繋いでくれただろう

昨日なら…きっと。

陸斗

知らなかったんだよ

陸斗

ごめん、ごめん…七海

知らなかったんだ 借金抱え込んでる親父なんて

知らなかったんだ 七海の父から金借りてたなんて

陸斗

夜逃げなんて

陸斗

したくなかったよ……

明日の朝にはもうこの街に居ない

君と会うことも すれ違う事さえできないんだよ

周りを見れば 宝石のようなイルミネーション

サンタの格好をした店員に トナカイの角を生やしたカップル

世間はもうクリスマスか…

七海と迎えたかったな

今更叶わぬ願いが脳裏に浮かぶ

その切なさに視界が滲んだ

何処からか流れる クリスマスソングに耳を傾けて

少し早いサンタを連想した

 

あのね、あのね!

何処からかやってきた小さな子供

5歳くらいだろうか

 

あたしね、サンタさんにね

 

おにんぎょうさんを、おねがいするの!

陸斗

そっかぁ…

陸斗

楽しみだねぇ

適当に返すと その子の親がやってきて

謝りながら去っていった

陸斗

サンタさん、ね…

彼女のクリスマスは どう終わるのだろうか

僕よりも大切な誰かと 笑っているだろうか

どうせなら 幸せであってほしいなぁ

なんて、クリスマスには まだ早いけれど

あわてんぼうな サンタクロースよ

陸斗

彼女を幸せにしてやってください。

元カレとして彼女の幸せを 願うのは当たり前ですか

もし、そうだったら嬉しいなぁ

見せかけでは 彼女の幸せを願うものの

心の中では泣いていた

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1,022

コメント

110

ユーザー

切ないなぁ、、 一緒にいたいけど居れない、、 あわてんぼうのサンタさん!ふたりを幸せにしてあげてください!

ユーザー

切ないすぎるー!(日本語おかしい気が…‪w

ユーザー

切ない.... リア充はイラつくけど... どうせなら幸せになって欲しい……

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