和斗
ジリジリと 照りつける 日差しが疎ましい
和斗
和斗
重たいショベルで 地面の土をザクザクと 掘りながら愚痴を零す
凌
凌
同じく土を掬いながら 凌がこちらに呼び掛ける
和斗
凌
凌
腹を立てたように 捲し立てるが その口調は軽い
和斗
和斗
凌
和斗
凌
凌
和斗
凌
凌
へらへらと笑いながら 空を見上げる凌
凌
凌
和斗
穴が掘り終わってから 近くの自販機で ソーダを買って
夜が来るのを待った
ザッ ザッ
和斗
ただでさえ気温の高い中で
長時間ショベルで 土を耕す俺の周りには 熱気が立ちこめていて
和斗
和斗
和斗
和斗
穴の中で眠る凌は もう土に覆われて 見えなくなっている
和斗
和斗
和斗
和斗
和斗
和斗
和斗
和斗
和斗
和斗
和斗
和斗
目頭に熱が込み上げて
ぼろぼろと 零れ落ちる
ああ
どうしてくれんだよ
暑くて
熱くて
しょうがない
コメント
3件
冒頭の「よりによってなんでこんな日に」は、「なんで今日に限ってこんなに暑いのか」の意味だったんですね…… 相手の希望を最優先にしたからこその結末…… 切ない……