一覧ページ

VAL組の日常

第6話 - VAL組と鍛錬

2025年11月10日

#第5人格

#第五人格

#連載

かしえら

ー食堂ー

ルカ

ねぇ、二人に聞きたい事があるんだが…。

ルカ

私って少し、体を鍛えた方が良いと思うかい？(真剣な顔で)

アンドルー

何だ藪から棒に…。(昼食を食べており)

ビクター

ん……？
「ルカさん、運動でも始めるんですか…？」
(アンドルーの隣で昼食を食べており)

ルカ

いや…最近思ったのだよ。

ルカ

ほら、私って暗号機の解読が得意だろう？

ルカ

そのお陰でハンターにまぁ標的にされるのだよ。

ルカ

そして、チェイスに関しては全く得意ではない。

ルカ

だからすぐ吊られてしまうのだよ…。

ルカ

と、言う事で。

ルカ

二人とも一緒に体を鍛えようじゃないか。(微笑み)

アンドルー

…ルカが体を鍛えたいという事は分かったが、

アンドルー

どうして僕とビクターもなんだ…。

ルカ

冷たいなぁ〜クレス君。

ルカ

私が珍しく体を鍛えるって言っているのに

ルカ

協力してくれないなんて…。

ルカ

悲しくて、夜しか寝られないよ。(落ち込み)

アンドルー

そうか…、健康でいいと思うぞ。

ビクター

ん……！
「僕は大丈夫ですけど、アンドルーさんはどうします？」

アンドルー

うっ……、ビクターは行くのか…。

アンドルー

じゃ、じゃあ僕も行ってやる…。

ルカ

クレス君、無理しなくても大丈夫だよ。

ルカ

無理強いは体に良くないからね！

アンドルー

う、うるさいぞ…！

アンドルー

僕も丁度体を動かしたかっただけだ…。(ちらりとビクターを見て)

ルカ

おっ、それは良かったよ！

ルカ

じゃあ呼んでくるから、

ルカ

少し待っていてくれ。(廊下に飛び出して)

アンドルー

呼んでくる…？

アンドルー

一体誰を連れてくるつもりだ…。

ビクター

ん……。
「うーん、誰でしょうかね…？」

ー数分後ー

ルカ

二人とも待たせたね、

ルカ

今日お世話になる人をお連れしたよ。

戚十一

戚十一と言います、よろしくお願いしますね。

アンドルー

よ、よろしく…、アンドルーだ。

ビクター

ん……！
「僕はビクターです！えっと、今日はよろしくお願いします…！」

ルカ

戚十一さん、今日は私達の為に来てくれてありがとう。

ルカ

悪いね、急きょ人数を増やしてしまって。

戚十一

いえ、大丈夫ですよ。

戚十一

体を鍛えたいと思うのは素晴らしい事ですから。(笑みを作り)

ルカ

流石、試合で大活躍してる人は違うねぇ〜。

アンドルー

あんたの噂は聞いている…。

アンドルー

確か、ハンターをスタンさせる能力があるってな…。

ビクター

ん……！
「僕達サバイバーの中で一二を争うくらいお強い人だと聞いています…！」

ビクター

「この前こっそり耳にしたのですが…、」

ビクター

「戚十一さんの出た試合には絶対に負けないと聞きました…！」

アンドルー

そ、それは凄いな…。

戚十一

そんな事ありませんよ、

戚十一

噂話に尾ひれがついただけです。(苦笑)

アンドルー

……そもそも陣営が違ったりな。

戚十一

アンドルーさん、何か言いましたか？(視線を向けて、にこりと笑い)

アンドルー

い、いや…何でもない…。(一瞬体をぴくりとして)

ルカ

あはは、クレス君、彼女を怒らせたら怖いよ？

戚十一

失礼ですよ、ルカさん。

戚十一

私はそんなに怒りっぽい性格じゃありませんから。

ルカ

ふふ、本当かな〜？

戚十一

…まぁ度が過ぎたら、

戚十一

仕方ないですが。(微笑み)

ルカ

うん、さっきのは冗談だよ、あはは…。(顔を青ざめながら)

戚十一

それより、外に行きませんか？

戚十一

屋内での運動も良いですけど、

戚十一

やはり体を動かすなら外が良いと思いますし…！

ビクター

ん……！
「いいですね！僕も賛成です…！」

アンドルー

外か…、

アンドルー

あんまり出たくないが仕方ない…。

ルカ

それについては私も同意見だねぇ…。

ルカ

何せ、私はインドア派だからね！

戚十一

ルカさん、アンドルーさん？

戚十一

勿論一緒に来てくれますよね？(微笑み)

ルカ

あ、あぁ！女性の頼み事は断れないからね！（動揺しつつ)

ルカ

じゃあ戚十一さん、案内を頼むよ！

アンドルー

そ、即答か…。

戚十一

はい、では皆さん。

戚十一

私についてきて下さいね。(外へ向かい)

ー湖景村ー

ー船ゲート前ー

戚十一

皆さん、到着しましたよ。

アンドルー

……外って…、

アンドルー

まさか試合会場だとは思わなかったな…。

ルカ

ここはいつも湿度が高いからねぇ〜。

ルカ

でも潮風が吹いてて気持ちが良いよ。(海岸を見渡し)

ビクター

ん……。
「確かにそうですね、試合中だと全然気付かなかったです…。」

戚十一

鍛錬の帰りに私もここで潮風を浴びるのですが、

戚十一

本当に気持ちが良いのですよね…。(海を見ては微笑み)

ルカ

ほう、戚十一さんは普段ここで鍛錬してるのかい？

戚十一

えぇ、試合が無い日とかは特にですね。

戚十一

いつ試合に呼ばれてもいいように取り組んでいますよ。

ビクター

ん……！
「す、凄い意気込みですね…。」

ビクター

「何だかかっこいいと思ってしまいます…。」

アンドルー

あぁ…、

アンドルー

そんな奴はこの荘園にはなかなかいないしな…。

ルカ

へぇ、私と違って前向きだねぇ〜。

ルカ

もしかしたら、

ルカ

本当に陣営を間違えたのかもしれないね！

戚十一

ルカさん？少し調子に乗っていませんか？(微笑み)

戚十一

次そう言ったら…、

戚十一

どうなっても知りませんよ？(簫を懐から取り出して)

ルカ

い、いや冗談さ…！

ルカ

そ、そう！場を和ませようとしてね！(冷や汗をかきつつ)

アンドルー

本当にそうだったのやらだな…。(小さく笑い)

ルカ

ク、クレス君！？

ルカ

な、何を言っているのかなぁ〜？

ルカ

グランツ君もほら！

ルカ

何か言ってやってくれ！(ビクターの方へ振り向き)

ビクター

ん……！？
「え、えっと…。」
（戸惑いつつ)

ビクター

！ん……。
「そ、そう言えば戚十一さん。具体的にここで何をするんでしょうか？」

戚十一

はい、鍛錬の初歩的な事をしようと思いまして。

戚十一

やはり初めはこれから始めないとですね。

ビクター

ん……。
「えっと、じゃあここは湖景村なので……。」

ビクター

「お、泳ぎの練習とかですかね…？」
(冷や汗をかきつつ)

ルカ

(おぉグランツ君、ナイスな質問だ！)

ルカ

(だが私達みたいにボケなくても良かったのだよ…！？)

ルカ

あはは…、グランツ君も中々面白い事を言うね〜。

ルカ

そ、それは流石にないんじゃないかな〜？(ちらりと戚十一を見て)

戚十一

泳ぐ…、ですか。

戚十一

それは考えた事がありませんでした。

戚十一

ナイチンゲールさんに許可を取れば大丈夫かもしれませんね。

戚十一

鍛錬の方法が増えるのは良い事ですし…！

戚十一

ビクターさん、

戚十一

教えて下さりありがとうございます。(にこりと笑い)

ビクター

ん……！
「い、いえ…、僕は別に…。」

ルカ

あ、あれまさかの許された…？(ぽかーんとして)

アンドルー

ったく、何を言っているんだルカは…。

アンドルー

それで鍛錬って何をするんだ？

戚十一

はい、今日はこのマップを一周してもらおうと思います。

戚十一

順番に、アスレチックから小屋、

戚十一

船下を通って

戚十一

ここ、船ゲートに着いたら終了ですよ。

アンドルー

…な、何かきつそうだな…。

戚十一

大丈夫ですよ、休憩は一人一回出来ますから。（微笑み)

アンドルー

そ、それなら何とかなるか…？

ルカ

えっ、私は五回くらい休憩が欲しいんだが。

アンドルー

それは休みすぎだろ…。

戚十一

私が先頭で走りますので、

戚十一

皆さんはその後をついて来て下さいね。

ルカ

ん、泳ぐんじゃなかったのかい？

アンドルー

おい、話し聞いていなかっただろ…。

ビクター

ん……！
「ランニングですか…、皆さん頑張りましょうね！」

戚十一

では始めます。

戚十一

私について来て下さいね。(アスレチックのある方向へ走り)

アンドルー

あっ！お、おい…！(走り去って行く戚十一の背中を見て)

ビクター

ん……！
「ルカさん、アンドルーさん、ついて行きましょう！」
(戚十一の後ろへついて行き)

アンドルー

そうだな、行くしかないか…。(後に続き)

ルカ

あぁ、鍛錬開始だ！(走ってついて行き)

ーアスレチック付近ー

戚十一

皆さん、ついて来てますか？(走りながら)

戚十一

次は小屋方面に向かいますよ！(そう言って、後ろを振り返り)

ビクター

ん……！(走りながら軽く返事をして)

戚十一

いいですよビクターさん、

戚十一

頑張って私について来てますね！

ビクター

ん……！
「あ、ありがとうございます…！」

戚十一

ルカさん、アンドルーさん〜！(その場で止まり)

戚十一

少し遅れていますよ〜！

戚十一

頑張ってついて来て下さい〜！(大声で叫び)

アンドルー

っ……、あの人速過ぎるだろ…。(少し遅れており)

ルカ

はぁ…、はぁ…、

ルカ

皆速いね〜…。(だいぶ遅れており)

アンドルー

おい、速く行かないとおいて行かれるぞ…。(後ろを向いて)

ルカ

あはは…、

ルカ

クレス君が私の心配をしてくれるとはね…。(息を切らして)

ルカ

しかし、グランツ君は速いね。

ルカ

彼だけ戚十一さんの後をついて行っているじゃないか。

アンドルー

流石ビクターだな…、って。

アンドルー

話している暇は無いぞ、

アンドルー

さっさと追いつかないとな…。(走って行き)

ルカ

あっ、

ルカ

ちょっと待ってくれよ〜クレス君！(息を切らしながら走り)

戚十一

……。(二人を遠くから眺め)

戚十一

少し、追いついて来ましたね。

戚十一

では行きましょうか。

ビクター

ん……！？
「あ、あの…もう少し待った方がいいかと…。」

戚十一

大丈夫でしょう、

戚十一

道のりは最初に言いましたから。

戚十一

じゃあビクターさんもついて来て下さいね。(走る準備をして)

ビクター

ん……！？
「あっ…！ま、待って下さい…！」

ビクター

「じゃあ僕だけ待つのは駄目ですか…？」

戚十一

はい、駄目です。(微笑み)

ビクター

ん……！？(驚いており)

戚十一

情けであの二人と合わせて走ると思っているのなら、

戚十一

それだとビクターさんの為にはなりませんよ。

戚十一

あなたは今鍛える為にここにいるんでしょう？

ビクター

ん……。
「は、はい…。すみません…。」

戚十一

…少し休み過ぎました。

戚十一

では行きましょうか！

戚十一

皆さん〜！

戚十一

順番通りに来て下さいね〜！(そう言って、走って行き)

ビクター

ん……。

ビクター

(ルカさん、アンドルーさん…。すみません…！)

ビクター

……。(ちらりと後ろを振り返り、そのまま前へ走って行き)

アンドルー

っ……。

アンドルー

…あと少しで追いつけたと思ったのに。

ルカ

……ふぅ。

ルカ

やれやれ、私達が追いつけたと思ったら

ルカ

戚十一さんは走って行ったね〜。

アンドルー

ビクターも行ってしまったな…。

ルカ

多分待っていてくれたのだろうけど…、

ルカ

戚十一さんに咎められて先に行ったのかもね。

アンドルー

そうか…、僕達も早く向かわないとな…。

アンドルー

とりあえず、姿を見失う前に走るぞ…！(後を追い)

ルカ

そうだね、今からでも頑張ったら遅くないさ！(続けて走り)

ー小屋付近ー

ルカ

はぁ…、はぁ…。

ルカ

やっと小屋に着いたよ…。(小屋に到着して)

アンドルー

そ、そうだな…。と言うか…、

アンドルー

先頭で走っていた二人が見当たらないぞ…。(辺りを見回し)

ルカ

先に走って行ったのかもね……、って。

ルカ

もう海岸付近にいるみたいだ…。(遠目で二人の影を見つけて)

アンドルー

くっ…、流石に追いつけないか…。

ルカ

まぁまぁ、競争じゃないんだからさ。

ルカ

それより、少し休憩しないかい？

ルカ

一人一回までなら大丈夫だし…

ルカ

一緒にどうだい？(小屋の壁を背にして座り)

アンドルー

おい、まだ距離が半分以上もあるんだぞ？

アンドルー

そう簡単に使っていいものじゃない…。

ルカ

そうは言ってもさ、クレス君。

ルカ

顔が真っ青だよ？

アンドルー

それはいつも通りだろ…。

アンドルー

……。

アンドルー

ま、まぁ

アンドルー

ちょっと疲れたし少し休憩するか…。(小屋の壁にもたれかかり)

ルカ

うんうん、それが良いよ。(にこりと笑って)

ルカ

そういや、クレス君って意外にあまり走れないんだねぇ。

ルカ

やっぱり、そのコート脱いだほうが走りやすいんじゃない？

アンドルー

確かに少し走りにくいが、

アンドルー

本番通りにした方が良いかと思ってな…。

ルカ

真面目だね、クレス君。

アンドルー

……そう言えば聞きたかったんだが…、

アンドルー

どうして体を鍛えたいって思ったんだ？

アンドルー

あんた、そんな柄じゃないだろ…？

ルカ

そ、そうだけど…うーん…。

ルカ

今から隠しても遅いし、本当の事を話すよ。

ルカ

一昨日の事だけどね…、

ー回想中ー

ー廊下ー

エミリー

ちょっと、ルカさん？

エミリー

少しいいかしら？(自室に帰ろうとするルカを呼び止め)

ルカ

おや、ダイアー先生じゃないか。(自室の前で止まり)

ルカ

何か私に用事でもあるのかい？

エミリー

えぇ、勿論よ。

エミリー

早めに伝えなくちゃいけない事があるの。

ルカ

えっ、私何かしたかい…？

ルカ

先日のグランツ君から貰った栄養ドリンクはちゃんと飲んだよ？

エミリー

あら、偉いじゃない！

エミリー

お味はどうだったかしら？(くすくすと笑い)

ルカ

そうだね…、クレス君は美味しそうに飲んでいたよ！

エミリー

意外ね、あの味が好きな人がいるなんて…。

エミリー

……って、話しが逸れちゃったわ。

エミリー

本題に戻るけど、

エミリー

あなた最近と言うか…、

エミリー

殆ど部屋にこもりっぱなしじゃない？

エミリー

前の方がまだ部屋の外に出ていた気がするんだけど…。

ルカ

気のせいじゃないかい？

ルカ

私は変わらず部屋でこもりっぱなしだよ。

エミリー

それだと体に悪いわ、少しは外に出て運動をしてはどう？

ルカ

えぇ…、運動は試合でするから十分じゃないかい？

ルカ

ほら、栄養ドリンクも飲んだ事だし！

エミリー

飲むだけじゃなくて、適度に体も動かしなさいと言う事よ。

エミリー

…と言って、

エミリー

あなたを試合で見かける日なんて

エミリー

全然無いと皆から聞いているけど…。

ルカ

うっ…そ、それは間違いだと思うけどねぇ？

ルカ

ほら、

ルカ

私はたまに行くと本気が出るタイプだからね！(自慢げに笑い)

エミリー

自分で白状してるじゃないの…。

ルカ

え？あっ……。(表情を変えずに一時停止して)

エミリー

……まぁ、話しを続けるわ。

エミリー

そこで良い事を思いついたの。

エミリー

不健康なルカさんには明日か明後日、

エミリー

健康の為に体を鍛える運動をしてもらうわ。

エミリー

しかもコーチ付きよ。(微笑み)

ルカ

な、何だって！？私が筋トレを！？

ルカ

先生…、

ルカ

む、無理に私を構わなくてもいいのだよ…！？

エミリー

無理なんかじゃなくて、医師として見過ごせないだけよ。

エミリー

ルカさんも少しくらいは危機感を感じているでしょう？

ルカ

いや、私は全然そう思わ…

エミリー

ふふ、思うわよね…？(微笑み)

エミリー

それだけ伝えに来ただけだわ。

ルカ

な、何と…これは逃げ道がなくなってしまったよ。

エミリー

あっ、言い忘れたけど…

エミリー

コーチは戚十一さんが見てくれるわよ。

エミリー

彼女にお願いしたら快く受けてくれたわ。

ルカ

おや、てっきり先生かと思ったよ。

ルカ

戚十一さん…、

ルカ

確か最近試合で大活躍してる人だね。

エミリー

あら、試合に全然行っていないのにどうして知っているの？

ルカ

噂くらいはね、私の耳にも聞こえてくるのさ。

エミリー

へぇ～、そうなのね。

エミリー

じゃあ戚十一さんが明日か明後日、予定を確認しに来るから

エミリー

後は頑張ってちょうだいね。(そう言って、廊下の奥へと進み)

ルカ

あぁ、分かったよ…。またね、先生。

ルカ

……。

ルカ

うぅ…、

ルカ

まさか私が筋トレをする事になったとは…。(頭を抱え込み)

ルカ

……よし、

ルカ

クレス君とグランツ君も誘おう！

ーそして現在ー

ルカ

…と、言う事なんだよ。

ルカ

納得してもらえたかな？

アンドルー

……あぁ。

アンドルー

要するに、僕とビクターは巻き添えをくらったという事か…。

ルカ

いやいや、二人とも乗り気だったじゃないか〜。

アンドルー

それはあんたが……って、もういい。

アンドルー

話しを聞いたのが悪かったな…。(諦めており)

ルカ

でも二人とも来てくれて嬉しかったよ。

ルカ

私達は試合がある日が殆ど同じだからね。

ルカ

今日は少しでも体力をつけて、

ルカ

チェイスを伸ばせるように頑張らないと。

ルカ

……まぁ、

ルカ

それは私の努力次第かな〜…。

ルカ

もうすでにバテ気味何だけどね…。(苦笑)

アンドルー

……。

アンドルー

確かに、

アンドルー

試合であんたがすぐハンターに吊られる場面は多い…。

アンドルー

だがルカは、

アンドルー

僕とビクターより解読が早くて暗号機管理が上手いと思う。

アンドルー

解読職にしか出来ない事だからな…。

ルカ

ク、クレス君…？

アンドルー

そんなに考えなくても、

アンドルー

お互いの得意不得意なところを補えばいいだけだろ…。

アンドルー

誰かが吊られたら僕は救助に行く。

アンドルー

それが救助職だからな…。

ルカ

……。

ルカ

……ふふ、

ルカ

クレス君の言う通りだね。

ルカ

私達は仲間なんだから、一人で抱え込まなくて良いんだ。

ルカ

しかし、クレス君が私を励ましてくれるとはねぇ。(微笑み)

アンドルー

……何にやにやしてるんだ…。

アンドルー

もう行くぞ、

アンドルー

休憩が長いと怒られるかもしれない。

ルカ

あぁ、まだ休憩したいけど…

ルカ

もう少し頑張ってみようか！

ー船ゲート前ー

戚十一

さて、到着しましたね。

ビクター

ん……。
「や、やっと着きました……。」
(息を切らしながら)

戚十一

お疲れ様です、ビクターさん。

戚十一

私の後をついてこれるとは、

戚十一

なかなか根気がありますね。

戚十一

もしかして、密かに体を鍛えているのですか？

ビクター

ん……。
「い、いえ…そんな事無いですよ。」

ビクター

「職業柄ですから、ほんの少し体力があるだけです…。」

戚十一

ふふ、そんなに謙遜しなくても大丈夫ですよ。

戚十一

それにしても…。

戚十一

ルカさんとアンドルーさん、

戚十一

ちゃんと来ているでしょうか…。(走って来た道を振り返り)

ビクター

ん……。
「姿はまだ見えないですね…。」

戚十一

もしかしたら、先に戻った可能性もありますね…。(考え込み)

ビクター

ん……！
「そ、それは無いと思います…。」

戚十一

えっと、それはどうしてですか？

ビクター

ん……。
「僕はルカさんとアンドルーさんを信じていますから…、必ず来てくれます…！」

戚十一

……。

戚十一

あなた達は仲が良いんですね。

戚十一

……少しだけ羨ましいです。(小さく微笑み)

ビクター

ん……？
「えっ…？」

戚十一

いえ、何でもありませんよ。

戚十一

じゃあ私はもう一周して来ます。

戚十一

まだ少し走り足りないので行ってきますね。

ビクター

ん……！？
「えっ！？二周目ですか！？」

戚十一

二人の事も捜して来ますので、

戚十一

ビクターさんはここで待っていて下さいね。(そう言って、走り去って行き)

ー船下ー

ルカ

はぁ…、はぁ…。

ルカ

駄目だ、私はもうここが限界みたいだよ…。(走るのを止めて座り込み)

アンドルー

何言っているんだ、ルカ…。

アンドルー

もうゴールは目の前だぞ？(少し遠くにある船ゲートを指さし)

ルカ

そうは言ってもね…クレス君…。

ルカ

もう私の足は木の棒みたいで倒れそうだよ…。(地面を見つめて)

アンドルー

おい、珍しく弱気じゃないか…。

アンドルー

多分先に行った二人はもう着いているだろうし…、

アンドルー

これ以上遅くなったら迷惑かもしれないだろ…。

ルカ

その心配は無用だよ、クレス君…。

ルカ

君は先に行ってくれ、

ルカ

私も後を追うからさ。(弱々しく笑い)

アンドルー

っ……、そんな事を言われてもな…。

ルカ

あはは…、しかし

ルカ

今日みたいにクレス君と二人きりで話すのは

ルカ

なかなか無いから楽しかったな…。(ぼそっと呟き)

アンドルー

……？

アンドルー

すまん、今何か言ったか…？

ルカ

ん、いや別に何でもないよ？

ルカ

って…、

ルカ

小屋の方角から誰か向かって来てないかい？(目を凝らして)

アンドルー

えっ…？

アンドルー

って、あれもしかして…。(姿が徐々に見えてきて)

戚十一

…あっ！

戚十一

ルカさん、アンドルーさん見つけましたよ！(簫を回転式にしながら走って来て)

戚十一

今は休憩中ですか？

戚十一

しても大丈夫ですが…、

戚十一

私に追いつかれたら、もう一周してもらいますよ〜！(遠くから叫び)

ルカ

！？な、何だって！？

ルカ

それは困る！！(急に立ち上がり)

アンドルー

あの人、まさか二周目か…！？

アンドルー

ど、どれだけ体力があるんだ…。（唖然として)

ルカ

何をしているんだい、クレス君！！

ルカ

ゴールはすぐそこだよ！！

ルカ

早く行こう！(すでにその場から距離を離しており)

アンドルー

いや、急に速いな！？

アンドルー

しかし、まだ体力が残っているんじゃないか…。(呆れて)

アンドルー

って、僕も早く向かわないと…！

アンドルー

二周目は流石に走りたくないからな…。(慌ててゴールを目指して走り)

ー船ゲートー

ルカ

……

ルカ

やっ……、

ルカ

やっと、着いた……。(ゴールに滑り込みながら辿り着き)

ルカ

ク、クレス君…、生きてるかい？

アンドルー

……あ、あぁ…。

アンドルー

何とかな…。(とぼとぼと歩いて到着し)

ビクター

ん……！
「ルカさん、アンドルーさんお疲れ様です…！」
(二人の姿が見え、走って向かい)

ビクター

「……って、二人とも大丈夫ですか！？」

アンドルー

ビクターか…、多分、大丈夫だ…。

ルカ

と、とりあえずね…。

ルカ

しかしやっとグランツ君に会えたよ…。(膝についた砂をはたき落として立ち)

ルカ

遅くなって申し訳ないね…。

ビクター

ん……！
「いえ、大丈夫ですよ。僕も今着いたところですから…！」

ルカ

と言うか聞いてくれるかい？

ルカ

さっき急に心音がなったような気がしたのだよ…。

ルカ

お陰で私は、全速力でゴールに滑り込んでしまったよ。(笑いながら)

ビクター

ん……？
「えっ、心音ですか…？」

ビクター

「僕はしませんでしたよ…？」

アンドルー

僕も一緒に走って来たが、

アンドルー

心音はしなかったぞ…。

ルカ

えっ、そうなのかい？

ルカ

私はしたような気がするのだが…。

アンドルー

…って、おい…。

アンドルー

ル、ルカ…

アンドルー

それ以上言うのはやめておけ…。(急に顔を青ざめて)

ルカ

？

ルカ

どうしたんだい、クレス君。

アンドルー

……。(ルカの後ろを指さし)

ルカ

え、後ろ？……って、あ。(後ろを振り向き)

戚十一

ふぅ、皆さん無事走り終えましたね。

戚十一

本当によく頑張りました！

戚十一

とても素晴らしい事ですよ！

戚十一

…そして、ルカさん？

戚十一

先程心音がなったと聞きましたが…、

戚十一

今は試合中じゃないのでありえませんよ？

戚十一

……もしかして、

戚十一

誰かさんと勘違いをしているのですか？(微笑みながら)

ルカ

い、いや…！？その違うのだよ…！？

ルカ

てっきり、ハンターが来たのかと思ってね…

ルカ

…って！？

ルカ

あ～！？私とした事がついつまらない事を言ってしまったよ…。(冷や汗をかき)

戚十一

……。(無言で微笑み)

ルカ

すみません、私が悪かったです…。(その場で土下座して)

戚十一

ルカさん、私言いましたよね…？

ビクター

ん……！
「え、えっと…！とりあえず皆さん落ち着きませんか…？」
(間に割り込み)

ビクター

「お疲れでしょう？こう言う時は深呼吸して落ち着きましょう…！」
(慌てて手紙を書いて)

戚十一

すぅ……、はぁ……。(深呼吸をして)

戚十一

……確かに

戚十一

潮風と共に気持ちが安らぎますね…。(目を閉じて潮風を感じ)

ビクター

ん……！
「そ、それなら良かったです…。」
(ホッとして)

ルカ

グランツ君、何度も助けて貰って申し訳ないね…。

アンドルー

本当だぞ、少しは危機感くらいを持て…。

ビクター

ん……。
「い、いえ、僕はどちらとも傷付いて欲しくなかっただけなので…。」

ビクター

「つい、割り込んでしまっただけです…。」

戚十一

ビクターさんは優しいのですね…。

戚十一

……ルカさん。

ルカ

え、えっと何だろうか…？

戚十一

今回の虚言は水に流しますが…、

戚十一

ビクターさんを裏切らないで下さいね。

戚十一

もし裏切ったのなら、

戚十一

私が”何か”するかもしれませんから。(微笑みながら簫を持ち)

ルカ

もう簫を隠さなくなったね…。

ルカ

って、私がそんな事する訳ないよ。

ルカ

グランツ君と私はとても仲が良いからね！

ビクター

ん……！
「はい、僕も同じ気持ちですよ…！」
(微笑み)

ルカ

あっ、勿論クレス君もだよ！（にこりと笑い)

アンドルー

なっ…！？

アンドルー

きゅ、急に何言い出すんだよ…！？(少し照れており)

アンドルー

……ま、まぁ、お世辞くらい受け取ってやるか…。

ルカ

いや、本当の事だよ？(真顔で言い)

アンドルー

……っ、そ、そうか…。

アンドルー

それより、もう鍛錬は終わったんだろ？

アンドルー

そろそろ部屋に帰りたいんだが…。

戚十一

はい、今日の鍛錬はこれで終わりです。

戚十一

また次回も頑張りましょうね！

アンドルー

……ん、次回…？

ルカ

ちょ、ちょっと待ってくれるかい？

ルカ

鍛錬は今回だけだと思うのだが…。

戚十一

いえ、最初に言いましたよ？

戚十一

今回は初回で…、

戚十一

次は腹筋100回にしようと思っています。(にこりと笑い)

ルカ

ふ、腹筋…100回だって！？

アンドルー

ハ、ハードル高過ぎだろ…。

ルカ

はっ！

ルカ

でもよく考えたらこれは強制じゃないよ。

ルカ

だって、ダイアー先生から聞いてないからね！

戚十一

あら、聞いていないのですか？

戚十一

私にエミリーさんから要請が来たら

戚十一

行うつもりだったのですが…。

ルカ

そ、そんなの私は聞いていないぞ…！？

戚十一

嘘ではありませんよ、本人から聞きましたから。

アンドルー

もしかしたら、言い忘れた可能性もあるかもな…。

ビクター

ん……。
「そうですね…、エミリーさんは忙しい方ですので…。」

ビクター

「その可能性はありそうです…。」

戚十一

いえ、単にルカさんが覚えていないだけでしょう。

ルカ

戚十一さん私に冷たいね！？

戚十一

ふふ、気のせいじゃないですか？(微笑み)

戚十一

では、そろそろ帰りましょう。

戚十一

この後、私は試合の予定がありますので

戚十一

お先に帰りますね、それではまた。(会釈をして、ゲートへ向かい)

ビクター

ん……！
「はい、今日はありがとうございました…！」

アンドルー

あぁ、気を付けてな…。

ルカ

またね、戚十一さん。(見送りながら)

ルカ

さて、私達も帰ろうか！

ルカ

二人とも、今日は一緒に付き合ってくれてありがとう。

ルカ

私一人じゃ無理だったかもしれないよ…。

ルカ

次も呼ばれたら共に頑張ろうじゃないか！

アンドルー

いや、試合に出たら良いだけな気がするが…。

ルカ

うっ…、いやそれはそうだけどね…。

アンドルー

試合を休み過ぎると、そう遠くないうちにまた呼ばれるぞ？

ビクター

ん……。
「確かにルカさんが試合に行っている姿は最近見ないですね…？」

ルカ

うぐっ、私は研究に集中したいだけなんだけどねぇ…。

ルカ

でも腹筋100回と試合に行くのどちらが良いかと言えば…。

ルカ

断然試合だね…！！

アンドルー

じゃあ丁度明日、ビクターが試合に出る日だから

アンドルー

一緒に行って来たらどうだ？

ルカ

フラグ回収早過ぎだよクレス君！？

ルカ

と言うか、一緒に来ないのかい？

アンドルー

あぁ、行きたいところだが…。

アンドルー

あいにく、明日の試合がもう決まっているんだ。

アンドルー

ビクターの試合は確か…

アンドルー

一人足らなかったみたいだし、丁度良いんじゃないか？

ビクター

ん……！
「ルカさんが来てくれると僕も嬉しいです…！是非一緒に行きませんか？」

ルカ

グランツ君にそう言われると断れないな〜。

ルカ

よし、せっかく誘ってくれたし行こうか！

ルカ

次は何か5台分チェイス出来そうな気がするんだよねぇ〜。

アンドルー

ったく、あまり迷惑掛けるんじゃないぞ…。

ビクター

ん……！
「ありがとうございます…！じゃあ明日試合がある人達に伝えておきますね！」

ビクター

「ではお先に失礼します…！」
(そう告げて、先に館へ帰って行き)

アンドルー

あぁ、またなビクター…。

ルカ

頼んだよ、グランツ君。また明日ね。

アンドルー

…さて、

アンドルー

僕も帰るか、汗もかいたからシャワーを浴びないとな…。

ルカ

えっ、クレス君シャワー浴びるのかい！？

ルカ

……うーん、何かイマイチ想像出来ない。

アンドルー

し、失礼だな…。

アンドルー

僕だって、シャワーを浴びる時は浴びる。

アンドルー

って、これが普通だと思うが…。

ルカ

へ〜、私も今日は早めにシャワーを浴びようかなぁ。

ルカ

久しぶりにいい汗をかいたからね。

ルカ

じゃあ戸締まりよろしくねクレス君〜！(そう言って、ゲートへ走り)

アンドルー

いや、ここって戸締まり必要か…？

アンドルー

まぁ、そう言うのはルカらしくて良いがな…。(呆れながら帰って行き)

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

かしえら

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

VAL組の日常

第6話 - VAL組と鍛錬

作者の他の作品すべて見る

#第5人格の新着小説
一覧

関連するタグ

VAL組の日常

第6話 - VAL組と鍛錬

作者の他の作品すべて見る

#第5人格の新着小説一覧

関連するタグ

#第5人格の新着小説
一覧