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紗妃(さき)

ママ…?

間違いない

私とよく似た容姿

穏やかな声

幼い頃買った色違いのぬいぐるみ

その人は紛れもなく

昔、あの父親に追い出された

大好きなママだった。

ママ

紗妃…

紗妃(さき)

ママ、どうして、ここに…?

ママ

貴女をずっと探していたの。

ママ

あの日、追い出されてからずっと…

ママ

さぁ、お母さんと一緒に…

ころん

あの…

ママ

あら、貴方は…?

ころん

保護者のころんです。

ママ

えっ、保護者…?

ママ

えっと、どういうこと…?

ころん

詳しい話は近場のカフェでさせて下さい。

ころん

お時間を頂けますか?

ママ

えぇ、もちろんです。

ママは父と離婚してから

ずっと私を引き取ろうとしていたらしい。

当時、ママは専業主婦で

子供を養う余裕などなく

両親を亡くしたママには

頼るあてすらなかった。

そんな状況で親権が手に入るはずもない。

ママは私を泣く泣く手放すしかなかったそうだ。

それから必死で私のために働いていたらしい。

親権を取り返す為には裁判をもう一度起こすしかない。

ただ問題はその裁判費用だった。

追い出されたママは行く宛の無い中

ようやくの思いで住み込みの職を見つけ

やっと纏った生活費を蓄えられたらしい。

私のことはテレビで見つけたそう。

私の高校にはよくメディアが来ていて

そこに、たまたま映り込んでいたようだ。

そして、私達も事情を話した。

父と母が亡くなったことと

ころちゃんが引き取ってくれたことだ。

ママ

なるほど…

ママ

それは、随分とご迷惑をお掛けしまして…

ころん

謝らないで下さい、僕が引き取ると言ったんです。

ママ

ところで、あの人はいつ亡くなったのですか?

ころん

今から2年以上前ですね。

ママ

まぁ、そうですか…

ころん

ところで、これからどうしますか?

ママ

えっ?

ころん

こればかりは、紗妃の意思もありますが…

ころん

やはり、一緒に暮らしたいでしょう?

ママ

それは…

ママ

紗妃は…?

紗妃(さき)

えっ…

ママ

紗妃は、どうしたい?

紗妃(さき)

……………………。

ママ

…お母さんはね出来たら一緒に暮したいなって

ママ

思ってるんだけど…

紗妃(さき)

…分かった。

ママ

ママ

いいの…?

紗妃(さき)

うん、私もママと会えて嬉しかったし。

ママ

じゃあ、早速家に行こう!

ころん

では、荷物は後日輸送しますね。

ママ

ありがとうございます!

ママ

貴方には、なんとお礼を言ったらいいか…!

ころん

いいえ、良かったです。

紗妃(さき)

私からもありがとう、ころちゃん。

ころん

うん、良かったね。

ママ

じゃあ、行こうか、紗妃。

紗妃(さき)

うん。

ころん

紗妃。

紗妃(さき)

ん?

ころん

バイバイ👋

紗妃(さき)

うん、バイバイ。

ママ

本当、いい人で良かった。

ママ

またお礼をしなくちゃ。

紗妃(さき)

うん。

ママ

お母さんね、再婚とかしてないから

ママ

貴女と二人暮らしになるけど一人暮らししたくなったら

ママ

いつでも言ってね。

ママ

サポートするから。

紗妃(さき)

うん。

ママ

カフェでは言わなかったけど

ママ

覚えてる?このぬいぐるみ。

紗妃(さき)

うん、覚えてるよ。

ママ

貴女が駄々こねて一緒に買ったのよね。

紗妃(さき)

そういえば、そんな記憶ある。

ママ

また一緒に買い物行こうね。

ママ

服とか、本とか、あっ!

ママ

お揃いのバックも良いかもね!

紗妃(さき)

うん。

ママ

…ねぇ、良かったの?

紗妃(さき)

ん?

ママ

好きなんでしょう、ころんさんのこと。

紗妃(さき)

…………………えっ?

ママ

とぼけても無駄よ~

ママ

母親の勘は確かなんだから。

ママ

お母さん、確かに貴女と暮らしたいけど。

ママ

娘にそんな辛い顔はさせられないなぁ。

紗妃(さき)

…ママ?

ママ

お母さんね、お礼しなくちゃって言ったけど

ママ

ころんさんとは、もう会えない気がする。

ママ

二度と。

紗妃(さき)

それも母親の勘?

ママ

ううん、これは女の勘。

紗妃(さき)

…………………。

ママ

いいよ。

紗妃(さき)

えっ?

ママ

行きたいんでしょ。

ママ

いいよ、行っておいで。

紗妃(さき)

…………………。

ママ

(´д`)ハァ…

ママ

あのね、女は度胸よ。

紗妃(さき)

えっ?

ママ

だって、このまま二度と会えないかもしれないんだよ?

ママ

せめて、自分の気持くらい伝えても良いんじゃない?

紗妃(さき)

………うん、行ってくる。

ママ

傘、持っていく?

紗妃(さき)

いや、荷物になるし、いらない。

ママ

そう、行ってらっしゃい。

ママ

気を付けてね。

紗妃(さき)

うん、ありがとう、行ってきます。

紗妃(さき)

お母さん。

紗妃(さき)

はぁ…はぁ…

紗妃(さき)

(ころちゃん、どこ…?)

紗妃(さき)

(よく分かんない所に来ちゃった…)

紗妃(さき)

(しかも、夜になっちゃったし…)

同級生

あれ?柳じゃんw

紗妃(さき)

知らない人1

誰?

同級生

同級生の女子、今日卒業したばっかw

知らない人2

いや、同級ならお前もだろw

知らない人1

てか、可愛くね?

知らない人2

だよなー

知らない人1

なぁ、俺等と一緒に遊ぼうよ〜

知らない人2

そうそう、一緒に楽しい所、行こっか?

紗妃(さき)

…して。

同級生

は?

紗妃(さき)

離して!

同級生

ビクッ

紗妃(さき)

私、今忙しいの!

紗妃(さき)

あんたら暇人に構ってる暇なんて無いから!

知らない人1

なっ!

同級生

ふざけんな!

知らない人2

いいから来いよ!グイッ!

紗妃(さき)

いや!離してよ!

知らない人2

っ!ちょっとは大人しく…ぐぁっ!

知らない人1

同級生

ころん

なんでその汚い手で紗妃に触ってるの?

同級生

誰だてめぇ!?…ゔっ!

ころん

うるさい、耳障りだから喋んないで。

知らない人1

ヒィッ!

ころん

痛い目に遭いたくないならさっさと消えて。

知らない人1

…う、うわぁぁぁぁぁ!

ころん

……………………。

紗妃(さき)

ころちゃん…

人形が拾われて恋をする話

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