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僕が水瀬赤と出会ったのは小学五年生に上がる頃だった
僕の父親は転勤が多かった
1年足らずで住む場所が変わる生活が続き、今いる街は通算7回目の引越しでやってきた
青
実を言うと僕はその生活が好きだった
何せこの生活は言い訳になるんだ
たとえ、その場に馴染めなくても
青
上手く友達が作れなくてもいい
青
少し待てばリカバリーが利くし、周りも付かず離れずの関係を保っている
だから
おとーさん
という発言は僕にとって死刑宣告も同然だ
おとーさん
おとーさん
おとーさん
おかーさん
おかーさん
転勤の終わり
マイホーム
そういったものに両親はこの上なく喜んでいた
これからは明るいことしか待っていないと、言わんばかりの笑顔
青
内心殆どパニックだった
ここで失敗したらどうする?
そんなこと言えるはずがない
僕は、言う
青
これが両親にする最初の隠し事だった