僕が水瀬赤と出会ったのは小学五年生に上がる頃だった
僕の父親は転勤が多かった
1年足らずで住む場所が変わる生活が続き、今いる街は通算7回目の引越しでやってきた
青
この生活…悪くわないかな、
実を言うと僕はその生活が好きだった
何せこの生活は言い訳になるんだ
たとえ、その場に馴染めなくても
青
あ、また余っちゃった…
上手く友達が作れなくてもいい
青
、、また話しかけられなかった
少し待てばリカバリーが利くし、周りも付かず離れずの関係を保っている
だから
おとーさん
今度で引越しは終わりだよ
という発言は僕にとって死刑宣告も同然だ
おとーさん
青にも色々大変な思いをさせたけどな。
おとーさん
もう大丈夫だ、中古だが家も買おうと思う
おとーさん
青にきちんと残せるものを残しておけるように。
おかーさん
これでちゃんとお友達作れるね!
おかーさん
ほら、今度作るお友達とは中学校も一緒に通えるのよ
転勤の終わり
マイホーム
そういったものに両親はこの上なく喜んでいた
これからは明るいことしか待っていないと、言わんばかりの笑顔
青
う、うん。
内心殆どパニックだった
ここで失敗したらどうする?
そんなこと言えるはずがない
僕は、言う
青
よかった、、楽しみだよ
これが両親にする最初の隠し事だった