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LINE1166

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LINE1166

1 - あ

♥

45

2023年09月24日

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マミ

お母さんごめん。お小遣いを上げてほしいんだけど

マミ

高校生の小遣いが月500円じゃ少なすぎるよ

マミ

うちの学校バイト禁止してるし、新しいスパイクだって欲しいのに

ハルカ

贅沢言うな!

ハルカ

あんたに食べさせてやって、その上小遣いやってるだけでも、有難いと思いな

マミ

だって、アミなんて小遣い1万円だよ!

マミ

20倍も違うんだよ!こんなの不公平だよ!

ハルカ

アミとあんたを一緒にしないでくれる?

ハルカ

アミは成績の悪いあんたと違って優秀なの

ハルカ

小遣いが多いのはそのご褒美。優秀なアミに投資した方が将来の為、世の中の為なのよ

ハルカ

何も頑張ってないあんたが、アミと同じ待遇を求めないで!

マミ

私だって頑張ってるよ!

ハルカ

結果が出なければ頑張ってないのと同じよ

マミ

確かに私はアミみたいに勉強はできないけど、

マミ

その代わり陸上競技では結果を出して来たよね?

マミ

全国大会で準優勝したりさ。それは見てくれないんだ

ハルカ

そんなものができたからなんだっていうの?

ハルカ

アミが勉強頑張ってる間、気軽にバカみたいに走り回ってるだけじゃないw

マミ

酷い、そんな風に言わないでよ!

ハルカ

だって事実じゃないのw

ハルカ

大体ねぇ、スパイクが欲しい?私はあんたが部活に入るのは反対だったのよ

ハルカ

成績の悪いあんたが部活なんてしたら益々勉強時間が無くなるし、

ハルカ

ハッキリ言って無駄じゃない

ハルカ

部活なんか入らずに、学校が終わったらまっすぐ帰って家事をしてほしかったわ

ハルカ

あんたが家事も勉強も頑張るからって言い張るし、アミもお父さんも味方に付いたから、

ハルカ

特別に許してやったけど

ハルカ

それが何?結局家事もおろそかになるし成績も伸びないし、

ハルカ

その上小遣いを上げてほしい?ふざけないでよ!

マミ

家事も勉強も頑張ってるよ

マミ

それでも、時間は有限だし限界があるの

ハルカ

言い訳するな!部活やめさせてやってもいいんだからね!

マミ

それだけはやめて!

マミ

アミは吹奏楽部で好きなだけ時間もお金も使えるし、家事もやらなくていいのに!

ハルカ

だから、お前ごときがアミと同じ待遇を求めるな!

マミ

いつもいつも、お母さんはアミばかり贔屓するよね

マミ

ご馳走を食べに連れて行くのも、プレゼントを渡すのもアミばかり

マミ

同じ双子なのに、私のことはどうでもいいんだ…

ハルカ

当たり前よ。能力に差があるんだから、それに見合った待遇を与えてるだけw

ハルカ

ハッキリ言ってね、あんた達同じ双子とは思えないわよ

ハルカ

あんたのそのアミと違って知性のない顔w

ハルカ

一卵性双生児だってのに、違いがすぐに分かるわw

マミ

酷いよ、お母さん…

ハルカ

うるさい。いつまでもグチグチ言ってると、

ハルカ

部活やめさせて月500円の小遣いも取り上げるよ!

ハルカ

本来ならあんたに使ってるお金全部、アミに使ってやりたいんだから!

ハルカ

それを養ってやってるんだから感謝しろ!

~数日後~

ハルカ

あっははははww

ハルカ

ざまぁみなさいwバットでちょっと殴ったら面白い位に階段から転げ落ちちゃってw

ハルカ

これでもーっと頭悪くなったかしらww

ハルカ

でも、あんたが悪いんだからね!

ハルカ

小遣いが足りないからって、アミの部屋からアミの財布盗んでいくような泥棒なんだから!

マミ

お母さん…なんてことするの!

マミ

今緊急搬送されたんだよ!命に係わる大怪我なんだよ!

ハルカ

あら、緊急搬送されたってわりには元気じゃない

ハルカ

命に係わるなんて大袈裟ねぇwwそうやって同情引こうったって無駄なんだからw

マミ

緊急搬送されたのは、アミの方だよ

ハルカ

へ?

ハルカ

ちょっと何言ってるのよw脅かさないでよぉ私が殴ったのはあんたなんだからww

マミ

お母さん、本当に区別つかなかったんだね…

マミ

私のこと『知性のない顔wアミとの違いがすぐ分かるわ』

マミ

とか言ってたくせに、笑わせるよ

マミ

今、お父さんもアミの病室に駆け付けたから

ハルカ

え、ちょっと冗談よね…?私が殴ったのはアミの方、なの?

マミ

そう。アミが階段から転げ落ちてきたから、びっくりしたよ

マミ

頭からも血を流しててさ…

ハルカ

そんなはずないわ!

ハルカ

だって、マミの服着てたじゃない!見間違えるはずないわよ!

マミ

私達、服を交換してたんだよ

マミ

服を交換して二人で遊びに行こうとした時、お母さんがアミをバットで殴ったの

ハルカ

そんな…

マミ

今、アミは意識不明で、かなりヤバい状態だよ

マミ

もしかしたら、死んじゃうかもしれないんだって

マミ

死ななくても、後遺症が残るかもしれないの

ハルカ

いやぁああああああああ!!

ハルカ

そんな、嘘よ!!私の愛するアミが!!あぁそんな、神様!!

マミ

私と間違えて殴った相手がアミだとわかった途端に、随分と取り乱すんだね

マミ

本当に、私と態度が大違い…

ハルカ

当たり前じゃない!

ハルカ

もしこれでアミの頭に後遺症が残ったら、

ハルカ

元の優秀なアミじゃなくなっちゃうかもしれないのよ!そしたらどうすればいいのよ!?

マミ

…は?気にしてるのはそっち?

ハルカ

大事なことじゃない!

マミ

じゃあ聞くけどさ、もしアミの頭に後遺症が残って、優秀なアミじゃなくなったら、

マミ

お母さんはアミを愛さなくなるの?

ハルカ

当たり前よ!優秀じゃない子供は要らないもの!!

マミ

お母さんが後遺症を負わせたのに?

マミ

つくづく、お母さんって母親としてクズだね…

ハルカ

な、何よ何よ!!親に向かってクズとは!!

ハルカ

元はと言えばあんたが悪いのよ!

ハルカ

あんたがいい成績を取らない上に、生意気に反抗してばかりだから!

ハルカ

そうでなきゃバットで殴ろうとまでは思わなかったのよ!!

マミ

はぁ…人のせいにしないでくれる?

マミ

お父さんも、お母さんにはカンカンだからね。『娘をこんな目に遭わせて、許さない』って

ハルカ

ひっ!?

ハルカ

違うの!これは違うの!!

ハルカ

殴ろうとしたのはマミであって、アミじゃないのよ!

ハルカ

間違えちゃっただけで、わざとじゃないのよ!!

マミ

いや、お父さんに言いなって。私に言ってどうすんの

マミ

っていうか、その言い訳が通用すると思ってることが、もう致命的だね

マミ

お母さんと違ってお父さんは、私達を平等に愛してるのに

ハルカ

あぁぁぁ…わたしはどうしたらいいの…

ハルカ

優秀なアミがいなくなったら、私はもう、生きる希望がないわ…

ハルカ

どうして間違えちゃったんだろう

ハルカ

どうして緊急搬送されたのが、何のとりえもないマミの方じゃなかったんだろう…

マミ

こんな時ですら、私を貶すのを忘れないんだね…

ハルカ

うるさい!アミはね、羅院大学A判定が出ていたのよ!

ハルカ

あんただと到底手の届かないような大学よ!

マミ

私も羅院大学受けようと思ってるよ

ハルカ

冗談言わないでよ!あんたが受かるわけないでしょ!

マミ

先生にね、スポーツ推薦を勧められてるのよ

マミ

私なら、受かること間違いなしだって。嘘だと思うならお父さんに聞いてみて

ハルカ

えっ!スポーツ推薦で羅院大学に…!?

ハルカ

凄い!!それって普通に受かるよりよっぽど自慢できるじゃない!

ハルカ

これで優秀なアミがいなくなっても安心ね!

マミ

呆れた…本当に。アミが死にそうだってのに、何が安心できるのよ…

ハルカ

そんなこと言わないでよ。これからは、もっとあなたのこと大事にしてあげるわ!

ハルカ

ご馳走も沢山食べさせてあげるし、お小遣いだって沢山あげる!

ハルカ

ね、嬉しいでしょ!

マミ

お母さん…最低だね

ハルカ

な、何よ!せっかく待遇を変えてあげようとしてるのに!!

マミ

どこが最低なのかわからないところがもう、最低だよ

マミ

…あ!アミ!!

ハルカ

え?アミがどうしたの!?

マミ

アミが…目覚めたの!

マミ

意識もはっきりしてて、重篤な後遺症は残ってないみたい

マミ

お父さんも泣いてる。よかったぁ…

ハルカ

そうなの?よかったわぁ~

ハルカ

これで私とお父さんと優秀な娘二人、これからも仲良く暮らせるわね♪

マミ

は?そんなわけないじゃん

ハルカ

え?

マミ

アミ、一歩間違えたら死んでたんだよ

ハルカ

でも、結果的に生きてたんだからいいじゃない!

マミ

そういう問題じゃないから!

マミ

お父さん、もうお母さんとは離婚するってさ

ハルカ

嘘!!

マミ

私もアミも大賛成だよ

ハルカ

待って!あんたはともかく、これまでずーっと可愛がってあげたアミまで賛成してるの!?

マミ

当たり前じゃん。アミ、お母さんに殺されかけたんだよ

ハルカ

だから、それはマミと間違えたからなの!アミを殴る気なんかなかったのよ!

マミ

まだそれが言い訳になると思ってるんだ…

ハルカ

何よ、可愛がってあげたのに、ちょっと殴られたくらいで恩知らず!!

マミ

ちょっと?殺しかけておいてよく言えるよねそんなこと

ハルカ

うるさい!元々バットで殴る気はあっても階段から落とす気はなかったのよ!

マミ

いやいや、バットで殴る時点でアウトだからね?

ハルカ

ねぇ、本気?本気で離婚を勧めるの!?子供には母親が必要でしょ!?

マミ

笑わせるよ。お母さんみたいな母親の存在は、マイナスでしかないから

ハルカ

そんなこと言わないでよ!

ハルカ

せっかく二人とも優秀なことがわかって喜んでたのに!!

ハルカ

私専業主婦なのよ!今更離婚されたら、生きていけないわ!

マミ

あぁそうそう。私達、警察に被害届も出すから

ハルカ

はぁ!?被害届って…

マミ

当然だよね。お母さんのやったことは、立派な傷害罪なんだから

ハルカ

傷害罪なんて大袈裟よ!こんなのちょっとした、家族間のトラブルじゃない!

ハルカ

本気で母親を警察に突き出す気!?

ハルカ

そんな大事にしない方がいいわよ!世間体の為にも!

マミ

世間体の為じゃなくて、お母さんの為だよね?

ハルカ

で、でもほら、殴ったのが私だって証拠はないわよ!

ハルカ

そうよ、私じゃないわ!アミが勝手に階段から落ちただけよ!

マミ

お母さんさぁ…どんだけバカなの?

マミ

これまで自分がバットで殴ったって散々LINEで言っておいて、そりゃないでしょ

マミ

このLINEの会話、証拠として提出するから

マミ

それだけじゃなく、咄嗟に回収したバットもね

マミ

お母さんの指紋がついてることは間違いないから

ハルカ

あぁ…そんな…

マミ

よかったね。離婚されても、刑務所で養ってもらえそうだよ

~後日談~

マミ

その後、母は逃げようとしましたが、結局駆け付けた警官に逮捕されました

マミ

父は母との離婚後、『今までお母さんを止められなくて済まなかった』

マミ

『そのせいでアミにもマミにも辛い思いをさせてしまった』

マミ

と謝ってきました

マミ

私達はすぐに引っ越し、アミは勉強に、私は陸上競技に思う存分力を入れました

マミ

勿論、小遣いも家事の分担も平等になりました

マミ

そして…見事に双子揃って羅院大学に合格しました

マミ

釈放された母は

マミ

『二人が優秀じゃなくてもいい。家族といられることが幸せだとやっと気づいた』

マミ

『これからは仲良く暮らせると思うから、私を元通り家族に加えて』

マミ

などと手紙を送ってきますが、すべて捨てています

マミ

前科持ちの母を雇ってくれる職場は見つからず、

マミ

母は今、安いアパートでパートを掛け持ちしながら必死で働きつつ、

マミ

後悔で涙を流す日々なのだそうです

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