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じゃぱ
シヴ
俺は幼い頃から
シヴァさんに育てられてきた
本来なら親から教わること
箸や筆の使い方
相手に対しての接し方
村長としての作法…
俺は全部、シヴァさんから教わった
じゃぱ
シヴ
じゃぱ
シヴ
じゃぱ
俺の親は
俺を産んですぐに
ヒグマ族との戦いで死んだ
だから俺は親の顔を知らない
俺にとってのシヴァさんは
父親みたいな存在だった
じゃぱ
シヴ
るな
シヴ
シヴ
るな
シヴ
るな
シヴァさんはるなと話している時
いつも柔らかい顔をしていた
俺に対しても同じだったけど
何処か違う…
ほのかな柔らかさがあった
だから俺は幼い時から感じていた
シヴァさんはるなの事が好きなのだと
じゃぱ
シヴ
じゃぱ
るな
俺はそんな二人が大好きだった…
二人がお互いの顔を見る度に
にこにこと嬉しそうな顔をするのが
どんなことより嬉しかった
それから月日が経ち…
二人の結婚の話が決まった時
俺は今まで生きてきた中で
とてつもない幸福感でいっぱいになった
じゃぱ
シヴ
じゃぱ
じゃぱ
シヴ
じゃぱ
じゃぱ
シヴ
じゃぱ
その時のシヴァさんの顔は
少し頬を赤く染め
はにかむような幸せそうな
なんとも言い難い顔(笑)
じゃぱ
じゃぱ
……凄く不安だった
幼い頃から面倒を見てくれたシヴァさん
父親のような存在のシヴァさん
だからこそ…
俺は不安だった
俺のせいで、シヴァさんの邪魔をしてるんじゃないんだろうか
シヴァさんにはシヴァさんの生き方がある
それを俺が引き止めて
シヴァさんの足枷になっていないだろうか
そんな気持ちでいっぱいだった
でも…るなが居てくれた
るながシヴァさんに寄り添ってくれた
俺の代わりに
だからもう…安心
不安になる事はない
そう…
思っていた…
じゃぱ
シヴ
とある夏の日
そんな報告が俺の耳に飛んできた
シヴ
シヴ
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
シヴ
それから3つの村、俺等の集落全体で
失踪者の捜索に力を入れた
それでも
手がかりはこれっぽっちも無かった
それから数日
梅雨に入った
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
シヴ
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
シヴ
そして俺は
シヴァさんに別の件を受け持たせた
これから起こる
悲劇を知らずに…
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
バン!
じゃぱ
バンバンっ!!
村の者
じゃぱ
村の者
村の者
じゃぱ
身の毛がよだった
俺はいつも
悪いことが起こる前兆に
身体がこわばる
その時も
そうだった
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
連中
ガタッ…ガラララッ
じゃぱ
ダッ!!!
ザッ…ザッ…ザッ…!!!
じゃぱ
空高くまで登る黒煙
一步踏み寄るだけで痛くなる熱さ
鼻に張り付く木の焼けた匂い
全部が
不快だった
村の者
村の者
うり
ヒロ
村の者
じゃぱ
怖い
怖い、怖い
怖い
シヴァさん…!
シヴ
じゃぱ
シヴ
シヴ
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
じゃぱ
村の者
集落全体の協力で
その後、無事火は消された
そこからは、信じられない証拠もあふれ出てきた
なおきりさんの裏切り
そして
るなが亡くなったこと…
村の者
じゃぱ
村の者
じゃぱ
シヴァさんが気になった
声をかけてあげたかった
だから……探した
タッタッタッ…
じゃぱ
じゃぱ
シヴ
じゃぱ
泣いていた
声を押し殺して
何か言いたかった
俺が居ると
安心させたかった
でも…
できなかった
また俺は…
不安が募った
あぁ…俺のせいで…
俺がシヴァの邪魔をしている…
俺が足枷になっている…
俺が…俺が…
じゃぱ
ポタ…タポタ…
俺はその場に座り込んだ
声を押し殺して泣いた
俺は二人の幸せを
奪ってしまった
じゃぱ
焼け焦げた地面に…
たった残った一輪のタンポポを
握りつぶした
続く…
コメント
10件
もうやだ目から水がドバドバ出てくる😭この作品最高すぎます😭
あぁ…悲しいねって思ってたら最後にタンポポを握り潰したってのをみてほぁ?!ってなっちゃったタンポポが…理不尽…って思った