涼太なの？涼ちゃんなの？

1-1話　side 🖤

2年前、高校3年生の時に、思い切って「好きだ」と伝え、

迷うとかなく、「無理だ」と 言われてしまった。

俺が小学1年生の頃、父親の再婚でできた母親とお兄ちゃんという存在。

兄になった涼太は2つ上で近くも遠く遠い存在で、俺にはものすごく輝いて見えた。

好きだって、自分で認識したのは 中学2年の頃だった。

「兄ちゃん」って呼べば俺の好きな笑顔で「んー？」と耳を傾けてくれる。

そんな涼太を好きになった。 全部何もかも好きになった

高校の受験になり、涼太と同じ高校に行きたくて、勉強だって頑張れた。 ギリギリだったけど、

渡辺翔太。涼太の幼馴染

「じゃーな」と言って帰って行った

どれだけの間涼太を すきだと思ってんだ

舐めんな。バカにすんな。

涼太は卒業して大学生になった。

卒業してすぐ、翔太くんとは 別れたそうだ

翔太くんが 歌手になるためだったらしい

別れても、ずっと涼太は翔太くんが好きなんだとすぐにわかった

ぼーっとすることも増え、 泣くことも多かった。

翔太くんが番組に「若手人気歌手」と取り上げられているのを見て、 チャンネルを変えて、泣いていたこともあった

俺が忘れさせてあげたら、

と、何度も何度も思った

そして、高3の時に耐えきれずに思い切って、告白をしてしまった。

分かっていたのに、分かってたくせに改めて言われると傷ついた

俺が告白してからだろう、 涼太は家に帰ってくることが 遅くなった。

素っ気なくなった気がする