テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

音無

こんにちは、音無です

音無

今回は、幼馴染カップル第二弾!

音無

もふどぬカップルの過去編です!

どぬく

テンション高ぁ…

もふ

なんか、もふどぬ推しらしい…

音無

もふ…黙って?

どぬく

そうなんだ…

音無

どぬっ!その目をやめて〜!

音無

と、とりあえず、始めます!

どぬく

あ、

もふ

逃げた

音無

スタァァート!!!

それは、ただ蒸し暑い八月中旬

おぎゃあ!おぎゃあ!

れな(どぬくの母)

生ま、れた…

れな(どぬくの母)

生まれて、しまった…

この神社の一人の巫女である、れなという19歳の女性がある少年を産んだ

その事自体に問題はなかった ただ一つ、問題があるとすれば

どぬく(赤ん坊)

おぎゃあ!おぎゃあ!

れな(どぬくの母)

あぁっ…!

れな(どぬくの母)

これは…

この神社で祀っている… 白狐様の耳…

その子供が、神と人間の間に産まれた 奇跡の子供だということだけだった

パリンッ

れなの父

神との間に子を成すとは…どういうつもりだ!れな!

れな(どぬくの母)

わ、私も良くわからないのです!

れなの父

黙れ!

バシンッ

れな(どぬくの母)

いっ…!

れなの母

あなた!やめてください!

れなの父

うるさい!

れなの父

一族が代々御恩を預かってきた神に、なんてことをしたのだ!

れな(どぬくの母)

ご、ごめんなさ…

れなの父

こんな娘など、存在していなかったのだ!

れなの父

今すぐここから去ってしまえ!

れな(どぬくの母)

ま、待ってお父様!

れな(どぬくの母)

お願いです!話を聞いてください!

れな(どぬくの母)

私は…!

神に会ったことなどないはずなのです…!

こうして、私達は実家を追い出された

れな(どぬくの母)

暑い?

どぬく(赤ん坊)

んえっ、ええっ(泣)

れな(どぬくの母)

ごめんね、今日は森の中で休もう?

れな(どぬくの母)

こっそりやらないと、近所の人の迷惑になるから静かに…

れな(どぬくの母)

(本当、無一文じゃないだけマシね)

れな(どぬくの母)

(お母様、ありがとうございます…!)

れな(どぬくの母)

…大丈夫よ

れな(どぬくの母)

あなたは私が守るから

どぬく(赤ん坊)

んっ、あぅ?

れな(どぬくの母)

…どぬく

れな(どぬくの母)

そうね、あなたの名前はどぬくにしましょう!

れな(どぬくの母)

誰とも被らない、貴方だけの名前

どぬく(赤ん坊)

キャッキャッ(笑)

れな(どぬくの母)

ふふ、気に入ったみたいね

れな(どぬくの母)

どぬく〜!お母さんよ

どぬく(赤ん坊)

キャッキャッ!

それから、私達は二人で生活していくことにした

実家から、少し離れた場所で、安くて狭いアパートを借りた

子育ては大変だったけど、どぬくの笑顔がいつも私を助けてくれた

しかし、私達はまた、夜を外で過ごすことになってしまう

それは、どぬくが3歳の年の 10月の始まり頃

れな(どぬくの母)

まさか…家が火事になっちゃうなんて…

れな(どぬくの母)

買い物をしている間に、放火魔なんて…

れな(どぬくの母)

(それに、どぬくを預けられる場所とかないから、これから先、仕事にもいけないし…)

どぬく(幼少期)

(深くフードを被り、耳を隠している)

どぬく(幼少期)

おかーさん?

れな(どぬくの母)

れな(どぬくの母)

どうしたの?どぬく

どぬく(幼少期)

んーん、寒くない?

れな(どぬくの母)

え?大丈夫だけど…どうしたの?

どぬく(幼少期)

おかーさん、お顔真っ白

れな(どぬくの母)

…うそ、どうしよう

れな(どぬくの母)

(…焦っちゃいけない!ずっと決めてたことじゃないの!)

れな(どぬくの母)

……どぬく、お母さん、今とっても困ってるんだ

れな(どぬくの母)

だから、しばらく離れるかもしれないけど、どぬくを守るために、保育所に…

どぬく(幼少期)

じー…

れな(どぬくの母)

? どぬく、どこ見てるの?

れな(どぬくの母)

(振り返る)

もふ(幼少期)

じー…

もなみ(紫苑寺家の母)

あの、大丈夫?

れな(どぬくの母)

えっ…あっ、

もなみ(紫苑寺家の母)

二人で、こんな寒い中動かずにいるともっと寒くなるわ

もなみ(紫苑寺家の母)

家まで送りましょうか?

れな(どぬくの母)

…お優しい心、ありがとうございます。ですが、大丈夫です

もなみ(紫苑寺家の母)

本当に?よかったら、話を聞かせてくれない?

もなみ(紫苑寺家の母)

少しでも、あなたを救いたいから

れな(どぬくの母)

(…カッコいい人だな)

れな(どぬくの母)

実は…

もなみ(紫苑寺家の母)

そうだったの、家が放火魔に…

もなみ(紫苑寺家の母)

なら、うちに来る?

れな(どぬくの母)

えっ!?

もなみ(紫苑寺家の母)

あなた、お仕事は?

れな(どぬくの母)

あ…飲食店のパートが…

もなみ(紫苑寺家の母)

その間、お子さんは私達が預かるし、家の部屋はたくさん余っているから使って?

れな(どぬくの母)

で、でも…

どぬく(幼少期)

おかーさん!

れな(どぬくの母)

あ、えっと、どぬく?今、お母さんお話してる…

どぬく(幼少期)

俺、もふくんと仲良くなったー!

れな(どぬくの母)

ちょ…どぬく!?

もふ(幼少期)

はじめまして、もふです!

どぬく(幼少期)

もふくん!もふくん! ニパッ

もふ(幼少期)

ん〜?なぁに? にこっ

れな(どぬくの母)

……あんな笑顔、見たことない

もなみ(紫苑寺家の母)

私もないのだけど…

もふ(幼少期)

お母さん、どぬくくんと仲良くなった!

もなみ(紫苑寺家の母)

…ですってよ、どうする?

れな(どぬくの母)

……じゃあ、一晩だけ

もなみ(紫苑寺家の母)

よかった

もなみ(紫苑寺家の母)

さ、寒かったでしょう?ついてきて?

どぬく(幼少期)

? おかーさん

どぬく(幼少期)

僕達どこ行くの?

れな(どぬくの母)

えっ…と…もふくん?だっけ?

もふ(幼少期)

うん、そうですよ

れな(どぬくの母)

ありがとう。どぬく、今からもふくんのお家行くんだよ

どぬく(幼少期)

もふくんのお家!?

どぬく(幼少期)

やったー!一緒に遊びたい!

もふ(幼少期)

何して遊ぶー?

もなみ(紫苑寺家の母)

…ふふっ

もなみ(紫苑寺家の母)

さぁ、着いたわ

もなみ(紫苑寺家の母)

ここ、オートロックだから、ついてこないと入れないわよ

もなみ(紫苑寺家の母)

…ちょっと、大丈夫?れな

れな(どぬくの母)

ここって…タワーマンションとか言う…?

もなみ(紫苑寺家の母)

ええ、そうだけど…

れな(どぬくの母)

ほ、本当に私達が泊まってもいいの!?

もなみ(紫苑寺家の母)

いいのよ?

もなみ(紫苑寺家の母)

私、ここの管理人を旦那から任されているの

もなみ(紫苑寺家の母)

空き家もあるから、なんならこのまま住む?

れな(どぬくの母)

む、無理無理!お金ないし!

どぬく(幼少期)

もふくんのお家、でっかぁい!

もふ(幼少期)

えへへ、そうかなぁ?

もなみ(紫苑寺家の母)

とりあえず、中に入りましょう?

もなみ(紫苑寺家の母)

あ、最上階だから、エレベーターでも少し遠いわよ

もふ(幼少期)

段々、景色が下に行くんだ

もふ(幼少期)

面白いよ!

どぬく(幼少期)

どぬ、それ見たい!

どぬく(幼少期)

タッ!

れな(どぬくの母)

あ、もう!どぬく〜?!

in エレベーター

れな(どぬくの母)

…このタワマンに来るまで、普通の車使ってたし、家も普通だと思って泊まるって言ったのに…

もなみ(紫苑寺家の母)

家がこんな大きいだけで、生活は普通よ?

もなみ(紫苑寺家の母)

そりゃ、執事とかメイドとかはいるけど…

れな(どぬくの母)

十分普通じゃないよ…

どぬく(幼少期)

お外きれー!

もふ(幼少期)

お星さまがね、みんなのところに来てくれてるの

もふ(幼少期)

絵本に書いてあった!

どぬく(幼少期)

そうなの!?

れな(どぬくの母)

もなみ(紫苑寺家の母)

れな?

れな(どぬくの母)

どぬく、あんなに頬を赤く染めて、楽しそうにはしゃいでるの、初めて見た

れな(どぬくの母)

私、どぬくが生まれてから、何もなくて

れな(どぬくの母)

親に捨てられて、どぬく以外、何もないのに…

れな(どぬくの母)

さっきは、唯一の宝物を、自分の手で捨てようと…!

もなみ(紫苑寺家の母)

ぎゅっ

もなみ(紫苑寺家の母)

よしよし、頑張ったのね。れな

もなみ(紫苑寺家の母)

大丈夫よ。私も、みーんな、れなを助けるから

もなみ(紫苑寺家の母)

もう、二人きりじゃないはずよ

れな(どぬくの母)

ぐすっ…うん…!

どぬく(幼少期)

? もふくん、何してるの?

どぬく(幼少期)

なーんにも聞こえないよ?

もふ(幼少期)

聞いて貰いたくないだろうから

どぬく(幼少期)

? もふくん、なんて言ったのー?

もふ(幼少期)

後で教えるよ

どぬく(幼少期)

???(聞こえてない)

もなみ(紫苑寺家の母)

さ、着いたわ

もふ(幼少期)

相変わらず、長いな…

もなみ(紫苑寺家の母)

仕方ないじゃない…管理人は最上階に住むっていう決まりがあるんだって…!

れな(どぬくの母)

…そんな悩みを持つのは、あなた達くらいよ

どぬく(幼少期)

おかーさん!エレベーター、楽しかった!

れな(どぬくの母)

そう?なら、よかった

バタバタ

どぬく(幼少期)

ん?

執事

おかえりなさいませ、奥様、もふ様

メイド

おかえりなさいませ!

もなみ(紫苑寺家の母)

ただいま

もふ(幼少期)

二人共、いつもありがとう

れな(どぬくの母)

本物の執事とメイド…!

どぬく(幼少期)

ひつじ!

れな(どぬくの母)

!!!

れな(どぬくの母)

違うの、どぬく。羊じゃなくて、し・つ・じ、ね?

どぬく(幼少期)

し・つ・じ?

れな(どぬくの母)

そうよ!

執事

奥様、こちらの方々は…

もなみ(紫苑寺家の母)

客人よ、丁重にもてなして

もなみ(紫苑寺家の母)

あと、今日の予定は全部実行するわ

もなみ(紫苑寺家の母)

変更はなしよ

執事

承知いたしました

もなみ(紫苑寺家の母)

あと、結利

メイド

はい、奥様

もなみ(紫苑寺家の母)

客間を整えておいて。この二人は、今日からしばらく、うちに住むから

メイド

承知いたしました

れな(どぬくの母)

え、あ、本当にここに住むの…?

もなみ(紫苑寺家の母)

ええ、でも、やっぱり高度が高すぎる?

もなみ(紫苑寺家の母)

だったら、空いてる別の部屋を貸し出すけど…

れな(どぬくの母)

いやいやいや!

れな(どぬくの母)

そうじゃないのよ!

れな(どぬくの母)

というか!今日会ったばかりの人に、良くそこまでできるわね!

もなみ(紫苑寺家の母)

…こっちも、同じような理由よ ボソッ

れな(どぬくの母)

え?ごめんなさい、聞こえなかった…

もなみ(紫苑寺家の母)

…何でもないわ

もなみ(紫苑寺家の母)

あ、そういえば、言い忘れてたことがあるの

もなみ(紫苑寺家の母)

どぬくくんも聞いてくれる…って!いない!

れな(どぬくの母)

えっ!?どぬく!?

どぬく(幼少期)

はーい! てってってっ

もふ(幼少期)

呼んだ?お母さん

もなみ(紫苑寺家の母)

も〜、どこ行ってたのよ…

どぬく(幼少期)

あのね!大きな窓があってね!そのお外が綺麗でね!緑色の場所があってね!

もなみ(紫苑寺家の母)

緑色の場所…?

れな(どぬくの母)

お庭のことね

れな(どぬくの母)

それで、言い忘れてたことって?

もなみ(紫苑寺家の母)

あぁ、実は今日は

もふの誕生日なのよ

れな(どぬくの母)

えぇ!?

どぬく(幼少期)

もふくん、お誕生日なの?

もふ(幼少期)

うん!

もふ(幼少期)

三歳になるんだ!

れな(どぬくの母)

あら、じゃあどぬくのほうがお兄ちゃんね〜

もふ(幼少期)

えっ!?

れな(どぬくの母)

どぬく、八月が誕生日だから…

もふ(幼少期)

〜〜〜っ!!!///

もふ(幼少期)

(お兄ちゃんがよかった…!)

もなみ(紫苑寺家の母)

ハハッ、まぁ、同い年なんだし?
元気出して?

もなみ(紫苑寺家の母)

将来、身長越せば何とかなるでしょ

もふ(幼少期)

俺を春に産んでくれよ!

???

タッタッタッ!!!

???

ばぁっ!

もふ(幼少期)

うわっ!? ヨロッ

どぬく(幼少期)

もふくん!?

???

えへへ〜

???

びっくりした?

もふ(幼少期)

びっくりしたよ…

どぬく(幼少期)

(あれ?似てる?)

れな(どぬくの母)

…妹ちゃん?

もふ(幼少期)

うん、そう

もふ(幼少期)

妹の…

あやめ(幼少期)

あ、あやめ、れす…///

もふ(幼少期)

何でここで照れる…

どぬく(幼少期)

やっぱり!

どぬく(幼少期)

似てるね〜

もふ(幼少期)

そう?

あやめ(幼少期)

執事

失礼いたします

執事

夕食のご準備が整いました

もなみ(紫苑寺家の母)

あら、そういえば、ずっと玄関にいたわね

もなみ(紫苑寺家の母)

ごめんなさい、上がって?

れな(どぬくの母)

(玄関だけで、私達が前住んでいたマンションよりはるかに広いんですけど…)

リビング

もなみ(紫苑寺家の母)

ほら、普通でしょ?

れな(どぬくの母)

いや、ホームパーティー開けそうなほどの広さのリビング見せられて

れな(どぬくの母)

どこが普通だって言うのよ…

どぬく(幼少期)

ひろーい!

どぬく(幼少期)

タッタッタッ

もふ(幼少期)

危ないよー?

もなみ(紫苑寺家の母)

ほら、もふ、あやめ。ご飯食べるからどぬくくんと手、洗ってきて?

もふ(幼少期)

わかった、どぬちゃんこっちだよ

あやめ(幼少期)

どぬちゃーん!

どぬく(幼少期)

はーい!もふくん!あやちゃん!

どぬく(幼少期)

タッタッタッタッ

れな(どぬくの母)

ど、どぬちゃん?

もなみ(紫苑寺家の母)

…本当、子供って不思議ね

もなみ(紫苑寺家の母)

さっきまで照れて隠れていたと思えば、すぐに愛称で呼び合っているし

もなみ(紫苑寺家の母)

初めて会う相手なのに、まるで運命の相手みたいに見つめ合ったりするし

れな(どぬくの母)

そういえば、そうね

れな(どぬくの母)

(あの時、どうしてどぬくは、もふくんと見つめ合っていたんだろう?)

どぬく(幼少期)

洗ってきたよー!

あやめ(幼少期)

お手々ピカピカ!

もふ(幼少期)

ちゃんと石鹸使ったよー

もなみ(紫苑寺家の母)

うん、三人とも偉い!

メイド

では、お食事をお運びいたします

メイド

まず、前菜から

れな(どぬくの母)

コース料理ですか!?

もなみ(紫苑寺家の母)

ちょっと違うけれど…まぁ、そんな感じ?

れな(どぬくの母)

私とどぬく、マナーとか何も…

もなみ(紫苑寺家の母)

大丈夫、美味しく食べればいいと思うわ。ね?結利

メイド

はい、奥様

メイド

皆様に、「おいしい」と言われるために作っていますので、楽しくお食事をされているのを見るのが、私にとっての幸せです

れな(どぬくの母)

そう、なんですか…?

どぬく(幼少期)

いただきまーす! ぱくっ!

どぬく(幼少期)

んん〜〜〜!!!✨️

どぬく(幼少期)

おかーさん!このカボチャおいしーよ!

もふ(幼少期)

じゃ、じゃあ、もっと食べる?

どぬく(幼少期)

え!いいの!?

もなみ(紫苑寺家の母)

こら

もふ(幼少期)

ビクッ

もなみ(紫苑寺家の母)

も〜ふ?食べたくないからって、どぬくくんにあげないの!

あやめ(幼少期)

もぐもぐ うまうま

もなみ(紫苑寺家の母)

好き嫌いもアレルギーもない、あやめは流石だわ〜

もふ(幼少期)

むぅ〜…

れな(どぬくの母)

あれ、あやめちゃん、ほっぺたに…カボチャかな?オレンジ色がついてるよ

あやめ(幼少期)

ん〜?

れな(どぬくの母)

あっ、えっとね…

もふ(幼少期)

ほら、あやめ。こっち向いて?

もふ(幼少期)

フキフキ

あやめ(幼少期)

んん〜、ぶべべ!(やめて)

どぬく(幼少期)

! バクバク!

れな(どぬくの母)

そ、そんなにかき込むことないよ?どぬく。ほっぺにも、カボチャがついてるよ?

れな(どぬくの母)

ヒョイ パクっ

どぬく(幼少期)

あぁ〜!!!

れな(どぬくの母)

???

もなみ(紫苑寺家の母)

ヤレヤレ…

どぬく(幼少期)

ごちそうさまでした!

もふ(幼少期)

ご馳走様

あやめ(幼少期)

ごちそうさまでした!

メイド

美味しかったですか?

もふ(幼少期)

うん、とってもおいしかった

もふ(幼少期)

いつもありがとう、結利さん

どぬく(幼少期)

とーっても、美味しかったよー!!!

どぬく(幼少期)

おかーさんのハンバーグの次に美味しかった!

あやめ(幼少期)

結利のご飯は、いつも美味しいの!

メイド

…ふふ、ありがとうございます

れな(どぬくの母)

もう…私は死ぬのかもしれない…

もなみ(紫苑寺家の母)

いきなりどうしたの…

れな(どぬくの母)

だって、こんな、美味しいもの食べて

れな(どぬくの母)

どぬくの幸せそうな笑顔を何時間も見れて

れな(どぬくの母)

あぁ…この幸せのまま、永眠したい…

もなみ(紫苑寺家の母)

こらこら、それだと、どぬくくんの笑顔が泣き顔になっちゃうわよ

もなみ(紫苑寺家の母)

結利、私からもお礼を言わせて?

もなみ(紫苑寺家の母)

いつも、美味しくて健康にいい食事をありがとう

メイド

いえ、そのようなことはありません

メイド

私ももっと頑張りますので!

もなみ(紫苑寺家の母)

ふふ、頑張りすぎないようにね?

執事

失礼いたします、浴槽のご準備が整いました

もなみ(紫苑寺家の母)

先に入ってきなさいよ

れな(どぬくの母)

えっ!いいの?

もなみ(紫苑寺家の母)

ええ、構わないわ

もなみ(紫苑寺家の母)

二人もそれでいいでしょう?

もふ(幼少期)

うん

あやめ(幼少期)

私もへーき

もなみ(紫苑寺家の母)

着替えは用意されてると思うから

もなみ(紫苑寺家の母)

気にせず入ってきなさい

れな(どぬくの母)

ありがとう!

れな(どぬくの母)

(本当、至れり尽くせりね)

れな(どぬくの母)

(…ここで働くのも、悪くないんじゃない?)

どぬく(幼少期)

おかーさん?

れな(どぬくの母)

え?

れな(どぬくの母)

あぁ、ごめんね。お風呂行こうか

どぬく(幼少期)

うん!

寝る準備万端

寝室(客間)

れな(どぬくの母)

(ここも豪華だなぁ…まぁ、使わせてもらうけど)

どぬく(幼少期)

おかーさん

れな(どぬくの母)

ん〜?なぁに?

どぬく(幼少期)

僕ね、僕…

れな(どぬくの母)

どうしたの〜?

どぬく(幼少期)

///

どぬく(幼少期)

やっぱり、なんでもないよ!

れな(どぬくの母)

え〜?気になるなぁ?

どぬく(幼少期)

むぅ…もう!

れな(どぬくの母)

ほら、もっとこっちにおいで?

どぬく(幼少期)

よいしょ よいしょ

どぬく(幼少期)

おかーさん、お腹ポンポンして?

ポンポン ポンポン

どぬく(幼少期)

…おかーさん、お話して…?

れな(どぬくの母)

…いいよ

れな(どぬくの母)

『…森の奥深く、小さな洞窟に、二匹の白い狐が住んでいました』

れな(どぬくの母)

『その二匹は親子で、仲良く暮らしていました』

れな(どぬくの母)

『ある日、お母さんが言いました。「人間の化け方を教えてあげましょう」』

れな(どぬくの母)

『子供は答えます。「やっと教えてもらえるの!?」子供の目はキラキラと輝いていました』

れな(どぬくの母)

『それから少しの間、二匹は洞窟の中で、人間に化ける術を練習していました。そして、とうとう子供は、完璧な人間に化けることができるようになりました』

れな(どぬくの母)

『白いふわふわの狐の耳は頭から生えていません。白くてフサフサした尻尾もありません。指もきちんと六本あります』

どぬく(幼少期)

え?六本?

れな(どぬくの母)

あれ?どぬく、どぬくの指は何本?

どぬく(幼少期)

お手々は二個あるよ。指さん達なら五個あるよ

れな(どぬくの母)

じゃあ、指ってさっき言ったから?

どぬく(幼少期)

五個のはずだ!

れな(どぬくの母)

『「コラ坊や、指が六本もあったんじゃ、人間じゃないとバレてしまうよ?」お母さんが優しく教えました』

れな(どぬくの母)

『「わぁ!本当だ!」子供は気付いて、指を五本に化け直しました。』

れな(どぬくの母)

『「これで良し、僕、友達を作りに村へ行ってくるよ!」洞窟を出て、子供は村へ走っていきました。後ろでは、お母さんが、何か叫んでいますが、子供は気付きません』

れな(どぬくの母)

『村の中には、たくさんの人がいて、子供はきょろきょろとあたりを見回していますとどこからか毬をつく音が聞こえます』

れな(どぬくの母)

『そこには、可愛らしい少女が友達と話しながら毬で遊んでいました。そこへ、狐の子供がやってきて、話しかけます。「ねぇ!僕も仲間に入れてよ!」』

れな(どぬくの母)

『そう話しかけると、毬で遊んでいた子供達は一斉に逃げていきましたが、可愛らしい少女は、立ち去らずに狐の子供に聞きました。「どうして、服を着てないの?」』

れな(どぬくの母)

『狐の子供は、きょとんとして首を傾げました。「どうして、狐が服を着るの?おっかしい!」』

れな(どぬくの母)

『狐の母親は、子供に服を与える前に、子供が洞窟から飛び出してしまっていたのでした』

れな(どぬくの母)

『可愛らしい少女は、「貴方狐なの!?」と驚いた表情で子供の顔を覗いて、ぷっと吹き出しました』

れな(どぬくの母)

『「こんなに完璧に人間に化けているのに、どうして服を着ていないの?」と、声を上げて笑いながら言いました』

れな(どぬくの母)

『狐の子供は、そんな少女を見て、ずっと首を傾げているのでした』

れな(どぬくの母)

おしまい

どぬく(幼少期)

ん…くぅくぅ…

れな(どぬくの母)

おやすみ、どぬく

もなみ(紫苑寺家の母)

全く、あの二人はどこに行ったのかしら…?

れな(どぬくの母)

『子供は答えます。「やっと教えてもらえるの!?」子供の目はキラキラと輝いていました』

もなみ(紫苑寺家の母)

ん?

もなみ(紫苑寺家の母)

これは、れなの声…?

もなみ(紫苑寺家の母)

(そういえば、ここが客間だったわね)

もふ(幼少期)

あっ、しーっ

もなみ(紫苑寺家の母)

あ!見つけた!

もふ(幼少期)

うわっ!

あやめ(幼少期)

見つかっちゃったの…!

もなみ(紫苑寺家の母)

何をしているの?

もふ(幼少期)

…布団の部屋に行こうとしたんだけど、どぬちゃん達に「おやすみ」言おうと思って…

もふ(幼少期)

だけど、どぬちゃんのお母さんが、何かお話してたから、ここで待ってたの

あやめ(幼少期)

こくこく!

もなみ(紫苑寺家の母)

ふーん?それじゃあ、二人の膝にかかっている毛布はどうしたの?

もふ(幼少期)

…お、俺が持ってきたの

もなみ(紫苑寺家の母)

(俺…)

もなみ(紫苑寺家の母)

なんで?

もふ(幼少期)

あやめが、寒そうだったし、廊下にいるのは、流石にまずいかなって…

もなみ(紫苑寺家の母)

…よし、いい子。じゃあ、れなのお話が終わるまで、お母さんと待っていよう?

もふ(幼少期)

うん!

あやめ(幼少期)

うん!

れな(どぬくの母)

おしまい

どぬく(幼少期)

くぅくぅ…

あやめ(幼少期)

くぅくぅ…

もなみ(紫苑寺家の母)

どぬくくんも、あやめも寝ちゃったみたいね

もふ(幼少期)

うん、おやすみ

もなみ(紫苑寺家の母)

よいしょ(あやめをおんぶした)

もなみ(紫苑寺家の母)

どぬくくんにおやすみ言えなかったね?

もふ(幼少期)

いいよ、また明日って事で

もなみ(紫苑寺家の母)

ふふ、なぁに大人ぶってるのよ?

もふ(幼少期)

お、大人ぶってないし!

もなみ(紫苑寺家の母)

ふふっ

もなみ(紫苑寺家の母)

(つい昨日まで、ずっと大人ぶってた人が、何言ってるのかしらね)

もなみ(紫苑寺家の母)

(本当、今日は長い一日だった気がする)

ギィ (扉開)

もなみ(紫苑寺家の母)

チラッ

どぬく(幼少期)

くぅくぅ…

れな(どぬくの母)

すー…すー…

もなみ(紫苑寺家の母)

(…ありがとう、どぬくくん)

もふを、本当のもふに戻してくれて…!

loading

この作品はいかがでしたか?

567

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚