【iris 赤桃】おれの1番の人 微青桃

2023/03/25 17:33:23

注意書き必ず読んでください〜

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……ピロン♪

しんとした部屋にひびく通知音。

……俺の恋人の、まろから。

『ごめん、今日残業で帰れない』

『わかった。仕事頑張ってね』

そう入力して、送信ボタンを押す。

期待してた俺がバカみたい。

…ねぇ、今日は付き合って2周年記念だよ？

1周年のときは真っ先に家に帰ってきて

アホみたいにデカい花束くれたっけ……

今は“あの子”と笑いあってるんだろうな

ずっと俺にだけにくれてた

言葉も優しさも

大好きだった笑顔も

全部他の子に見せてるの…？

俺がまろにとって

もう1番じゃないくらい分かってる

『俺にとって1番のまま＿＿』

『この関係を終わらそう＿』

すぐに既読がつかない。

そりゃ愛してもいない 恋人からのメッセージ。

後回しにされて当然だ。

もう、これでいいんだよ

これが俺なりの答えだった

ガチャ……(ドアを開ける)

突然鳴ったインターホン。 こんな時間に誰だろ…

そこには悲しげに瞳を揺らす

ないくんが立っていた。

忘れるわけないじゃん

『まろと別れた』

頭では分かってるのに

喉の奥でつっかえて言葉が出なくなる。

…前にりうらが俺のこと 好きだったからって

少しは、ひとりでは抱えきれない傷を 癒してくれるんじゃないかって。

りうらが背中をさすってくれる。

その優しさに、罪悪感と嬉しさで また泣きそうになる。

あぁ、やっぱ来なきゃよかった

元々好きだった人に 別れ話を聞かされたら

どんな気持ちになるだろう

……グイッ！(手を引っ張られる)

ギュウ……(バックハグ)

顔が見えなくても声のトーンで分かる。

怒ってる…ように、俺は感じた。

胸に苦いお菓子でも詰まったみたいな 気持ちになって、 謝ることしか出来なかった。

……その優しさに漬け込んで りうらの感情を弄ぶような事して

我ながら、最低だな……

(顎クイ)

りうらの瞳が狙いを定めた獣のように、 俺のことを見つめている

『ないくんの“1番”に なっても良い？』

最後まで見てくださり ありがとうございました＊