テラーノベル
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…小鳥の囀りでも聞こえてきそうな、 清々しいある日の朝のこと。
とある屋敷のとある部屋には、 先ほどから困り果てたような メイドの声が響いていた。
メイド
メイド
アシュリー
メイド
どうやら、寝ぼけている この令嬢を起こすのに 一苦労しているようだ。
アシュリー
メイド
メイド
メイド
アシュリー
メイド
メイド
アシュリー
とうとう諦めたメイドは、 名残惜しそうにベッドを横目に見ながらも、部屋を後にした。
そして、部屋には令嬢ひとりが残された。
アシュリー
アシュリー
アシュリー
私の名前は新島愛莉。 日本で働く、普通のしがない社会人。
…の、はずだった。
アシュリー
なのに、目覚めたら銀髪青目の 全然知らない少女になっていた。
……いやいや、意味わかんないんですけど!?
……落ち着け、私。焦っちゃだめだ。 こういう時こそ冷静になろう。
状況を整理しなきゃ。 確か、私は昨日______
愛梨
…そうだ。上司に頼まれた残業で遅くなって、
終電を逃したから、珍しくタクシーで帰ろうとして。
愛梨
そのとき、ちょうどよく空車のタクシーを見つけた。
早くしないと乗られちゃう__ そう思った私は、小走りで車へ向かったんだ。
そしたらその途中誰かとぶつかった。
”やっば、早く起きて謝らないと…… …あ、あれ?”
異変に気付いたのはその時。
”なんで…うそ、体が動かない…!?”
”どうし…よ……とにかく、たち………あ…が……”
体からふっと力が抜けた。
…それ以降の記憶は残っていない。
アシュリー
今ならわかる。
私はあの時人じゃなくて、車とぶつかったのだと。
そして助かるはずもなく、たぶんそのまま……死んだ。
アシュリー
ギリギリまで生きて老衰で死ぬ予定だったのに…!
メイド
アシュリー
ちょ、急に帰ってくるのやめてね? びっくりして声裏返っちゃったんだけど??? …てかなんか焦ってる?
メイド
アシュリー
婚約者…って、さっき言ってた…
アシュリー
メイド
メイド
アシュリー
こうして、 私の慌ただしくも なかなかに楽しい第二の人生は、
こんな騒がしい朝から始まったのだった。
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