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アーゼル

よし……。

アーゼル

それじゃあ、先に土産屋にでも行こうか。

レジア・フローズ

わ〜い!

レジア・フローズ

何があるかな〜♪

エシェ・エリック

はしゃぎすぎだろ……。

エシェ・エリック

(これでも本当に問題が発生してるのか?)

エシェ・エリック

(一見するとごく普通だな……。)

人間

な、なぁ、あれ……。

人間

まさか大罪の悪魔達か……!?

人間

ひっ……殺される……殺されるぅ……。

人間

まぁ俺達既に死んでるけどな。

ひそひそと小声で囁きあっている人間達を見て、 エシェはアーゼルを呼んだ。

エシェ・エリック

……おい

アーゼル

ん? どうかしたかな?

エシェ・エリック

どうしたもこうしたもないだろ。

エシェ・エリック

ここで大罪の悪魔はなんて教えられてるんだ?

アーゼル

あぁ、そのことかい?

アーゼル

えっと……

アーゼル

“世界一恐ろしく、世界一高貴な、地獄に蔓延っていた悪者を成敗し新たな地獄を創った元人間達”……かな。

璃小狐 泣

まぁまぁ誇張されてるような気がする……。

アーゼル

全て事実だから仕方ない。

アーゼル

少し大袈裟に話さないと、地獄の人間達は君達に畏怖しないかもしれないからね。

エシェ・エリック

馬鹿にしているようにも聞こえるな。

アーゼル

そんなことないよ。

アーゼル

ただ、彼らが愚かなだけだよ。

そう言いながら、アーゼルは人間達を見る。 その顔は複雑な表情をしていた。

ロザーリヤ・ブトーリナ

……ね、アーゼルくん。

ロザーリヤ・ブトーリナ

早くしないと、レジアちゃんがその辺の物口に入れちゃいそう。

アーゼル

……え?

ローザからそう告げられてレジアを見ると、 レジアはうつ伏せになって倒れていた。

時折、あぁ、やうぅ、といった呻き声を発している。

レジア・フローズ

おなか……すいた……

アーゼル

あはは、ごめんごめん。

アーゼル

それじゃあ、何か食べ物を買いに行こうか。

レジア・フローズ

……!

レジア・フローズ

やったー!!!

レジア・フローズ

やっとだぁ!!

カランカラン……

「土産屋 Aranea」というプレートがかかっていた扉を開けると、店内は地獄という場所には似つかわしくない、とても穏やかな空間だった。

売り出されているもの達は全て整頓され、綺麗に陳列棚に並んでいる。

4人が珍しいものを見るかのように店内を見ていると── レジカウンターの後ろにある店奥の扉から、1人の女性が姿を現した。

エルサレム

……あ

エシェ・エリック

ん?

璃小狐 泣

エ、エルサレムちゃん?

璃小狐 泣

どうして土産屋に……

エルサレム

おーい! お前らぁぁぁぁぁ!!

エルサレム

アーゼル達が来たぞ!!

……。

エルサレム

おいさっさと出てこい!

アーゼル

……えっと

アーゼル

ここは僕の知り合いが経営してる店のはずなんだけど……

アーゼル

どうして君達がここに?

アーゼルが、何故か土産屋で店番をしていた3人の悪魔達に向かってそう言う。

彼らは、顔を見合わせると口々にこう言った。

グラスラーバ・レジェン

……いつの間にかこうなってた。

如月 幸斗

待ってたら声かけられたんだよ。

エルサレム

ちゃんと働いてたら給料発生するから……
って言われて幸斗が反応してたな。

如月 幸斗

手伝わされるんだから、せめてそれ相応の報酬は貰わないとな。

エシェ・エリック

……。

アーゼル

まぁ、探す手間が省けたってことでいいんじゃないかな。

アーゼル

……でも、店主はどこに行ったのかな?

アーゼル

君達に店番を押し付けてどこかでサボってるとしたら大変だけど……。

グラスラーバ・レジェン

……店主は奥。

グラスラーバ・レジェン

大変な仕事があるらしいけど。

すると、ガチャリとレジ奥の扉が開き、店の店主が出てきた。

シータ

……よし

シータ

お、アーゼルに大罪の悪魔達じゃないか。

シータ

私の店に何か用かな?

エシェ・エリック

よしじゃねぇだろ……。

──シータ。地獄に住まう人物で、地獄の土産屋 『Aranea』(アラネア)の店主でもある。

そんな彼女には、実はもうひとつの役割があるのだが── 今回は伏せておこう。

アーゼル

どうして大罪の悪魔達に仕事を押し付けたのかな?

シータ

人聞き悪いなぁ。

シータ

私はただ、キミのところの堕天使ちゃんにそう薦められただけさ。

シータ

人手が足りないとぼやいてたら、彼らに頼んだらいいんじゃないかと言われてね。

アーゼル

そういうことだったのか……。

ため息をつき、アーゼルは頭を抱える。 もしかすると、彼は日頃から癖のある人々と関わる上で 苦労してきているのかもしれない。

璃小狐 泣

でも僕は結構意外だなぁ〜。

璃小狐 泣

いくら給料が発生するとはいえ、レジェンちゃんが参加するなんて。

璃小狐 泣

こういうの嫌いそうなのに。

グラスラーバ・レジェン

……寝てたけど何か?

グラスラーバ・レジェン

そしてまた寝る。おやすみ。

アーゼル

ちょっと待ってくれないかな?

アーゼル

僕は君達大罪の悪魔を集めていたんだよ。

アーゼル

少しだけでいいから話を聞いていってくれないかな?

グラスラーバ・レジェン

それはさっき他の堕天使から聞いた。

グラスラーバ・レジェン

だから寝る。

エシェ・エリック

(相変わらずだなこいつ……。)

ロザーリヤ・ブトーリナ

ま、そんなに時間かかるわけでもないっしょ。

ロザーリヤ・ブトーリナ

聞いた話を整理するのも兼ねて聞いてみない?

グラスラーバ・レジェン

……はいはい、分かった分かった。

グラスラーバ・レジェン

聞いていけばいいんだろ?

アーゼル

とりあえず、ここで話すのもあれだから場所を変えようか。

アーゼル

の前に……

レジア・フローズ

あ、食べたいの選んでいい!?

アーゼル

どうぞ。お好きなものを選んで。

レジア・フローズ

よぉ〜し、それじゃあこれとこれとこれと──

夢中になって商品を選びはじめるレジア。 その様子を見ていたエシェが呟く。

エシェ・エリック

……多くね?

エルサレム

いくらなんでも買いすぎじゃね?

エルサレム

『ここからここまで全部ください!』とかしそうな勢いだぞ?

如月 幸斗

まぁあいつは遠慮とか知らなそうだしな

レジア・フローズ

聞こえてるよー!?

アーゼル

会計は僕持ちだからね。

璃小狐 泣

お会計、高くなりそうだね〜……。

エシェ・エリック

ま、変に我慢されるよりあっちの方がいいんじゃねぇの?

会計を済ませ、店を出る8人。 一気に静寂が訪れた店内で、シータは扉を見つめていた。

シータ

……まだだ

シータ

──まだ、急がない方がいい。

店を出て、一通りの少ない場所に移動する。 とある建物の前に辿り着くと、先頭を歩いていたアーゼルが振り返った。

アーゼル

……よし、ここでなら誰にも聞かれていないかな。

アーゼル

それじゃあ、君達に話そう。

アーゼル

今、地獄で一体何が起こっているのか。

アーゼル

そして、なぜ君達を呼んだのかについてね。

アーゼル

……実は、最近地獄がおかしくなっていっててね。

アーゼル

簡単に言うと……“異変”や“天変地異”の類なのかな?

エシェ・エリック

異変に天変地異……?

【参加型】七つの罪の花は今

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コメント

4

ユーザー

泣君かわよき…シータさん…??あなた…裏切りますね…??? え、なんか絶対何かあること言ってr…それか天変地異の犯人…??

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