記憶のカケラ

誰？

声だけ聞こえる君は誰？

<僕？

<誰だと思います？

それがわからないから聞いてるんだけどなぁ

<僕は＿＿＿＿です

ん？なに？よく聞こえない

<…それより大丈夫ですか？時間

ｼﾞｯﾘﾘﾘ　ｼﾞｯﾘﾘﾘ

見たくはないが恐る恐る時計を見る

登校の時間をとっくにすぎていた

一時間近く鳴ってたんだな目覚まし時計君

財布と新しいスマホをカバンに詰め、朝御飯も食べづに家を出た

るな視点

ガラガラガラ

古文のおっかない先生が授業をしていると勢いよく前の扉が開いた

三時間目の授業だと言うのに駆け込んできた青色の頭を見るとホッとした

よかった～！ なおきりさん学校来ました！

嬉しさのあまり跳び跳ねたいのをグッと我慢する

走ってきたのか肩で息をしている

子供らしく目をキラキラさせながらなおきりさんが言う

敬語で喋っているのが懐かしく感じる

でもその言葉は先生に向けてで、もう私たちに向けて敬語で喋ってくれることはないのだろうか

少し前から変わったことがひとつ

なおきりさんとお弁当を食べることだった

こうやって皆でお弁当を食べているだけでうれしい

ピーンポーン

なおきり視点

スマホかぁ

ようやく来たか

四角いケースに壊れたスマホは入っていた

開いてみるとメモ帳とカメラ、少ししか復元できなかったギャラリーがあった

ギャラリーを開くと赤い花がたくさん目にはいった

俺は花が好きだったのか？

その他には何故かトトロの写真や手だけが写った写真

スクロールすると一枚だけ、一枚だけ

人の写っている写真があった

そこには俺と…ヒロくん、もふくん？

何…で？