家庭科
(今度はこいつをッ…!!)

凛
ヴァーッハッハッハ!!

家庭科
な、何笑ってるのよ…?

技術
まさか、己の無力さに絶望して、笑うしかなくなったってか?

凛
いや…違うなぁ。家庭科?

凛
これ、何かわかるか?

家庭科
なっ…!!それはッ…

家庭科
どうしてそれをあなたが持っているの!?

凛
はねがお前からこっそりパクって、俺に渡してきたんだよ

凛
よくやったはね。さすが盗賊だな!!

はね
ったりめーよ!!

家庭科
(拘束されているというのに…一体どうやって…)

凛
じゃ、早速…

俺は糸切りバサミで、はねに巻きついている糸を切った
はね
おっ!動ける!!さすが凛だな!!

家庭科
一個切ったからって何よ…糸なら無限に出せるもの!!

だが、俺はとんでもなく速いスピードで、次から次へと襲いかかってくる糸を糸切りバサミで切り始める
正直、腕を動かしすぎて疲れてきたが、こんなところで終われないと思い、俺はラストスパートを出そうとしていた
はね
(ってことは…技術のあの植物だって同じかもしれない…)

はね
(あいつ、どこかに道具を持っていないか…?)

はねが影のように気配を消し、技術の方へと向かい、道具がないかを探し始める
ソミ
(まずい…このままだとやられるっ…!!)

技術
残念だったな。無謀な戦いを挑んだ自分らを恨みな!!

はね
(見つけた!!あそこだ!!)

はねが技術の後ろのポケットにある剪定ばさみを見つけ、それを瞬時に盗んだ
そして、まるで瞬間移動をしたのかのように技術の目の前に現れる
はね
残念だったな!!負けるのはお前らの方だ!!

ソミ
はね!!

技術
おまっ…いつからそこにいた…!?

はね
んーっとね、さっき!

はね
それと、ゆいちー!!お前にこれを託す!!

ゆいちー
(これは〜…植物を切るハサミね。なるほど理解した)

ゆいちー
技術、これ何かわかる?

技術
なっ…それは…剪定ばさみ…!?

技術
なぜお前がそれを持っている…!?

ゆいちー
なんで持ってるかって?はねが渡してくれたんだよ!!

ゆいちー
こんな暴れまくっている植物なんてさ…

ゆいちー
こうしちゃえばいいんだよ!!

技術
まずい…再起不能になってやがる…!!

凛
ナイスだゆいちー!!ソミ!!はね!!

技術
こうなったら素手で戦うのみだ!!

家庭科と技術が二人揃って俺に向かって攻撃しようとしてきた
凛
(ハッ、バカめ。自ら俺に攻撃のチャンスを与えている、ということに気づいていないな?)

凛
(こいつらは二人で一つ…つまり、こうしちゃえば俺たちの勝ちなんだよ!!)

俺は狙いを定めて、家庭科と技術の左胸を二つの武器で刺した
ちなみに、もう片方は俺が元々持っている武器で、もう片方ははねが持っていたダガーを借りている
家庭科
ウッ…

技術
ガハッ…

凛
っしゃあ!!また倒したぞ!!

ソミ
本当によくやったよ!!…私は何もしていないけど

ゆいちー
そんなことないよ!技術の足止め係をしてくれていたじゃないか!!

はね
それより、こいつらを起こさなければ…もうすでに洗脳は解けているはずだからな

凛
だな。多分、もうそろそろだ

家庭科
うーん…私は一体何を…

技術
待て、なんで俺はこんな所で寝ているんだ!?俺は自室で寝ていたはず…

家庭科
それに…あなた達は一体誰なの…?

ゆいちー
実は、かくかくしかじかぬいぬいなことがあったんだ!

技術
なるほどな…それで、俺達が暴走してお前らを攻撃していた、と

家庭科
そうなのね…私たちはなんてことを…四人とも、止めてくれてありがとうね

凛
(だから、なんで今の説明で通じるんだよ)

技術
本当にすまなかった。煮るなり焼くなりなんでもやってくれ

家庭科
私も一緒に…

凛
早まるなー!!

ゆいちー
落ち着け二人共ー!!

ソミ
えっと…家庭科さん、技術さん…この先には一体どんな脅威が…?

家庭科
まぁ…ここは小ボスのコースだからね。比較的嫌われていない実技教科達が待ち構えているわ

技術
でも、奴らはまだ洗脳されていて、お前らを見つけ次第、始末しにかかってくるだろう

家庭科
特に、美術や音楽を相手にする時は、絵が上手な人や、歌が上手な人がその四人の中にいると、戦いは有利になるはずよ

家庭科
二人共、絵と音楽という芸術分野で攻めてくるだろうからね

凛
なるほど…美術はゆいちーとソミがいるからよしとして…音楽は…どうしようか

技術
まぁ…気合いでなんとかするしかないか…?

ゆいちー
なんでそんな脳筋みたいなことを…

家庭科
えっと…私達から言えるヒントはこれくらいね

技術
あまり役に立てなくてすまない。だが、お前らがここで彷徨いている教科全員の洗脳を解いてくれることを期待しているぞ

凛
なるほど…いいヒントが貰えたぞ…サンキュー!!技術家庭!!

ゆいちー
じゃあなー!!また来世で会おう!!

家庭科
死ぬ前提!?

はね
俺達学生にかかれば余裕だってば!!

ソミ
副教科でこれほど強いなら、5教科は一体どうなるんだか…

家庭科
副教科じゃなくて!!

技術
実技教科!!

ソミ
アッ…すみません…

ソミ
(副って言われてること…気にしてるんだ…)

俺達はk技術と家庭科に手を振った後、薄暗い廊下を進んでいった