シュヴァリエ
かけられた声にはっとする
ルナ
声を出すことも出来なくて……
どうにか頷くと、男性が剣を鞘に戻し馬の手綱を握る
ルナ
進みだした白馬を追いかけるように、 そばにいた栗毛の馬も動き出す
その去り際、乗り手の男性は 愉しそうに私を一瞥したけれど、
何を言うわけでもなく 遠ざかっていった
瞬間、緊張が解け、 苦しかった息が楽になる
ルナ
ルナ
へなへなと座り込む酔っぱらいを 尻目に、一呼吸置いて、 黒髪の男性と向き合った
ルナ
ルナ
ルナ
レオン
レオン
レオン
ルナ
ルナ
レオン
レオン
レオンが、私より先に地面に 散らばった本と薔薇飾りを 拾い集めてくれる
レオン
ルナ
ルナ
レオン
ルナ
ルナ
男の子
ぐすっと目を拭う子どものそばに 膝をつくと、レオンも隣に並んだ
レオン
男の子
レオン
レオン
男の子
レオン
ひょい
レオンが軽々と、 小さな体を抱き上げる
ルナ
獣のような緊張感は消え、 代わりに親しみやすい雰囲気が 彼を包み込んでいた
男の子
男の子
ルナ
ルナ
レオン
レオン
ルナ
コツコツコツコツ
親探しを手伝う、と申し出る前に、 レオンは手を振って すたすたと去っていく
ルナ
ルナ
ルナ
コツコツコツコツ
遠くに見えるお城に背を向け、 喧騒の戻りつつある街を 再び歩き出した
――同時刻
???
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