半間
……アイツ、帰ったとかじゃねぇよなー?
稀咲
そんな事するような奴じゃねぇよ。
半間
じゃあどこ行ったんだよ。
稀咲
俺が知るか。
半間
お前アイツと幼馴染みだろー?
半間
…つーか、プール掃除受けるとか珍しーじゃん。何かあったのか?
稀咲
………別に。
半間
……!分かった。稀咲ぃ、アイツの事好きなのか~?
稀咲
──何でそうなるんだ!んなわけ無ぇだろうが。
半間
あれ…今ちょっと動揺した?うわー、稀咲が恋とか…プッ
稀咲
チッ……だから違うって言ってんだろーが。
○○とは、幼い頃からの付き合いだった。
○○は泣き虫で弱い奴だった。
転けると直ぐ泣き、側に居てやるとすり寄ってくる。泣き虫だが、何もないときは常にニコニコと呑気な顔を晒す。
笑顔がとてもふんわりとしていて、無邪気な奴だ。
今と全然変わらない。
俺を見つけては名前を呼び、子犬の様に近寄ってきて、用も無いのに「居たから呼んでみた!えへへ」だとか、「鉄太くん!ヤッホー!!」なんて間抜けな顔で話しかけてくる。
あろうことか、抱きついてまでくる始末だ。
俺はそんな○○に───
稀咲
…………クソッ……俺は…ボソッ
○○
ただいまー!!買ってきた!!
○○
ジャジャーン!!水風船!!
稀咲
…………
半間
…水風船?
○○
名付けて!”水風船で楽しみながら掃除しよう作戦”!!
○○
どう?
半間
バハッ!ダッセー!でもちょっとおもろそ。
稀咲
……ハァ。
数分後
○○
沢山当てた人が勝ち!!よーいスタート!!
稀咲
…ハァ………ッ!
バシャン!!
稀咲
…………
半間
バハッ!!ダッセー!!稀咲ぃ!顔面にクリーンヒットじゃん!
○○
ご、ごめん!!…怒った……?
稀咲
…………ニヤリ
○○
え…
バシャン!!
○○
ブッ!!
半間
バハッ!!ブッ!!だってよー!!
稀咲
フッ………
○○
ッ!ゴホッゴホッ!!ッッ!
稀咲
ッ!…クソッ!大丈夫か!?
○○
…………クッ………
稀咲
……?
○○
………ククッ……クスッ…
稀咲
……は?
稀咲
!うわっ!!
バシャン!!
稀咲
ヴッ!!
○○
アッハハ!!どう?私の演技!!凄いでしょ!!
稀咲
…………
半間
バハッ!!オラッ!!
稀咲
ッお、おいッ!!
半間
オラオラッ!!
○○
アッハハ!!