研磨のお話

俺の幼なじみはこんな時だけほんとに勘が鋭い。 普段の試合とかで発揮してもらいたいものだ。でもあと少しで昼休憩... でも食欲無いし。 気持ち悪いし。 昼休憩は寝て過ごすか...

後ろの方でクロが呼び止める声がしたけど無視して駆け出した。 とりあえずみんなと離れたかった... もう限界だったから。

何度か押し問答があったが研磨が結構答える気力がなくなり個室の鍵を開けた。

もう嘘つくのは無意味だと思い諦めた。 あーバレた...

結局吐くものがなくって嘔吐くだけで終わった。 気持ち悪いのは収まってないけど...でもさっきよりはまだまし。 疲れた...。

のそ...

ここを廊下だと思ってください...！ ごめんなさい！😭

ここは保健室です...！(圧)

あーダメだ... 熱があるって自覚したらクラクラする。心做しか頭痛もさっきより酷い。 雨関係なく痛いけど片方がすげー痛い 偏頭痛もあんのかなぁ... 気持ち悪いし...ほんとに最悪。

一気に賑やかになった保健室。 でもこれはいつもの感じでうるさいとか言いつつ結構好きだったりする。 やっぱり落ち着く感じがあるのはなんでだろう...？

あぁ... みんななんでこんなことはっきり言えるんだろう。 .....何となくわかった気がする...俺がここにいて落ち着く理由... みんなのことが好きだからだ。

ガラガラ...(ドアを閉めた音)

久しぶりに泣いた。 いつぶりだろ。こんなに泣いたの。 父さんが死んでから母さんが忙しくなって... 心のどこかで寂しいって思ってて。 バレーやってる時だけはそれを忘れられたから...だから少しでもここにいたかった。

クロの優しい声、 心地が良くって...口が勝手に動く。

手を握る。 暖かい...

クロの言う通り怖い夢は見ない気がする。

それから3日間研磨は寝込んだ。 疲れとかストレスとか色々あったみたいだけどゆっくり休んだら治ったらしい。 いつもの研磨に戻った。 それからは前より少しだけみんなに甘えたり頼ったりできるようになったのはまた別の話。