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ナマエちゃん、DVされてるのに蘭ちゃんのこと庇ってるの盲目で可愛い。 典型的なクズ男表現したかったんだけど、できてるカナ^_^?
ガシャンッッッ──────── ! !
12月25日の寒い冬.
部屋全体にお皿の割れる音が響く.
灰谷 蘭.
彼が苦虫を噛み潰したような顔で言った.
灰谷 蘭.
彼の冷たい目で見送られながら、ゴミ箱へ落ちていくご飯.
私は謝ることしかできなかった.
ミョウジ ナマエ.
灰谷 蘭.
灰谷 蘭.
私にも向けられる冷たい目.
いつもの優しい目ではない.
怒らせてしまった.
ミョウジ ナマエ.
ミョウジ ナマエ.
蘭ちゃんの顔色を伺いながら言った、つもりだった.
その瞬間、目の前が真っ暗になり床に倒れていた.
頬がジンジンと痛みを帯びて、少し腫れている.
ミョウジ ナマエ.
ミョウジ ナマエ.
ミョウジ ナマエ.
まだ痛む頬を抑えながら懇願する.
なぜ恋人を相手にこんなことを言わなければいけないのだろう.
けれど私の願いは叶わず、彼はこちらへ近づいてくる.
灰谷 蘭.
灰谷 蘭.
顔は笑っているのに、彼の目は笑っていない.
ずっと冷たい目をしている.
髪を掴まれても、力の差で抵抗できない.
私が彼の逆鱗に触れてしまったときは 死なないように無駄に抵抗せず、身を任せるだけ.
その後は覚えていない.
いつの間にか気絶してしまったらしい.
気がついたときには部屋は荒れ、痣は増えていた.
まだ朦朧とするなか、遠くで微かに音が聞こえる.
ミョウジ ナマエ.
彼は気がついたのか、医療箱を持って向かってくる.
そうして私へ伸びてくる手.
また殴られてしまうのではないかと思い、 咄嗟にはたいてしまった.
ミョウジ ナマエ.
灰谷 蘭.
ミョウジ ナマエ.
今度は私の手を優しく包み込んで言った.
彼は自分が悪いと思わない限り、絶対というほど謝らない.
というか悪くても謝らない.
だから困惑した.
それと同時に申し訳ないという気持ちが私を蝕んだ.
私が気絶してる間、どのくらい心配をかけてしまったんだろう.
そんな罪悪感におされ、 蘭ちゃんの好意を素直に受け止められない.
灰谷 蘭.
灰谷 蘭.
灰谷 蘭.
彼は頭を撫でてくれながら、 私のぐちゃぐちゃになった顔を綺麗にしてくれる.
灰谷 蘭.
ミョウジ ナマエ.
ミョウジ ナマエ.
料理も家事も仕事だってできない私を、 なんの取り柄もない私を、彼は大事にしてくれている.
そんな彼の優しさに甘えてばかりじゃダメだ.
蘭ちゃんが怒るのは当たり前.
同棲を初めてから何ひとつとして成長できてない私を見たら、 誰でも頭にくるだろう.
他とは伝え方が違うだけで、蘭ちゃんは間違ってない.
間違ってないのだ.
その後は蘭ちゃんが言ったように、 一緒にお風呂に入って映画観て、一緒のベッドで寝た.
新しくできた痣が少し痛んで、 いつもより寝るのに時間がかかった.
蘭ちゃんはそれに気づいて"おいで"って言ってくれたの.
やっぱり優しい蘭ちゃん.
私は明日の蘭ちゃんとの日々を想像しながら目をつぶった.