この作品はいかがでしたか?
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私の名前は叶芽。 私にはとてもかっこよくて優しい彼がいます。
でも彼は病弱で、私が住んでいるところからずっとずっと遠い病院に行ってしまいました
それで、彼の病院は携帯電話の使用が禁止されているので、私たちは文通でやり取りをしています。
叶芽
叶芽
こんな瞬間も恋愛の1つだと思って楽しんでいる自分がいます
俺の名前は紡。 俺にはとっても愛らしい彼女がいます
紡
でも、俺が病弱なせいで文通でしかやり取り出来ないんです。
俺の病気は白血病で、今は抗がん剤治療をしています。
本当は叶芽のいる東京で治療を受けるはずだったのに手に負えないと言われて、愛知の病院に入院しています。
紡
看護師さん
紡
看護師さん
紡
俺たちはこうやって交換日記をしています。それが楽しくて、楽しくて、これがあるから痛い治療も頑張れる
紡
紡
紡
紡
自分でも長く生きれないのは分かってる。だからこの手紙を見て、最期まで幸せになりたいんだ
叶芽
叶芽
叶芽
叶芽
そんなことが続いた半年後
紡 母
紡
紡 母
紡
紡
紡 母
紡
紡
紡 母
紡 母
これが、俺の最後の願いだから、もうこの後は何も望まないから
紡
紡
紡 母
紡 母
沈黙が続いた。少し気まずい空気になりかけた時、母が口を開いた
紡 母
紡
紡 母
母は涙を浮かべながら言った。母も察していたのだろう。みるみるうちに痩せていく息子を見て、もう長くないと、
紡
紡 母
母は俺を抱きしめてくれた。久しぶりにギュッとしてくれた。俺は嬉しくて、涙を堪えきれなかった。
ピーンポーン
叶芽
宅配の人
叶芽
宅配の人
叶芽
叶芽
叶芽
宅配の人
紡 母
紡 母
医者
紡
医者
ピーーーーー
紡 母
医者
看護師さん
紡 母
紡の母に報告を受けている
叶芽
叶芽
『届いたダンボール見てみて?ちょうだい』
叶芽
我武者羅にダンボールを開けると、1つの小さな箱と手紙が入っていた。
手紙には、 『愛してる』 という文字だけが残っていた。
そして、入っていた小さな箱を開けると、
叶芽
指輪は結婚指輪用のもので、ローマ字で『kaname』と彫られていた。
叶芽
叶芽
叶芽
これが彼が私にくれた最初で最期のプレゼント。
大丈夫、寂しくないよ。 そのうち彼に逢いに行くから。
コメント
3件
切ない……