テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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グリム･リーパー

第42話 - 役割

1,111

2021年12月13日

#💊

#ファンタジー

#梅雨瀬文庫

#ミステリー

#一次創作

#ドラマ

あまつ。

夏樹雨寧

…はぁ

学校が終わりいよいよ夏休み雨寧は家に帰るために道を歩いていた

夏樹雨寧

(帰りたく…ない…)

雨寧は両手に通知表を抱えながらそう思った

夏樹雨寧

(通知表も見せたくない…別に悪いわけじゃないけど…)

夏樹雨寧

(でも…怒られるよね)

雨寧は通知表を開き上から成績を見た

まずは普通の高校のように数学や体育などどれも4か5で傍から見ればかなりいい成績

しかし普通はない教科の成績を見て雨寧はまたため息をした

夏樹雨寧

(サポート5、魔法5…ここまではいいんだけどな…)

夏樹雨寧

(実戦…3…、能力向上3…)

夏樹雨寧

…

夏樹雨寧

(別に悪いわけじゃない…3は普通って意味だし)

夏樹雨寧

(でも…お父さんは…)

夏樹雨寧

…もういいや…何されても大丈夫なように覚悟しとこ…

そして雨寧はまたとぼとぼと歩き出した

夏樹家

夏樹雨寧

た、ただいま…

母親

雨寧！

母親

おかえり〜久しぶりねっ！
学校はどう？

夏樹雨寧

うん、久しぶり
楽しいよ、みんな個性強いけどだからこそ飽きないって言うか…
みんな優しくて困ったことがあればすぐ助けてくれるんだ！

夏樹雨寧

先生たちの個性も強いしね！

母親

へ〜、すごく楽しそうな学校だね
参観日とかあるのかな？あるなら行ってみたいな〜

夏樹雨寧

先生は二学期にあるって言ってたよ

母親

そっか〜、なら楽しみにしてるね！
雨寧が超難関校って言われてる学校に入学できて
お母さんほんとに嬉しいよ

夏樹雨寧

運が良かっただけだよ
僕なんて学校で1番弱いし…

母親

でもサポートとかは得意でしょ？
そこで役に立てばいいの！

夏樹雨寧

そうだね…ありがとお母さんっ！

母親

あ、そういえば通知表帰ってきた？

夏樹雨寧

あ、うん…帰ってきたし悪くもないと思うけど…
お父さんがなんて言うか…

母親

そうだね…とりあえず見してくれない？

夏樹雨寧

はい

母親

ありがとう…えーと…

雨寧の母親は通知表を開いて上から下まで見た

母親

うんうん、いいねいいね
結構好成績じゃん！

夏樹雨寧

でも俺…実戦が全然で…
どんどん差が付けられてって…

母親

仕方ないよ、人には苦手なことの一つや二つあるんだから
ほかの子達もあると思うよ

夏樹雨寧

そっか…

父親

雨寧…！
帰ってきてたのか…

夏樹雨寧

っ…と、父さん…

父親

…おい、それ見せろ

母親

…はい…乱暴なことはしないでね

父親

それは結果次第だ

父親は通知表を開いた

雨寧はスっと俯いた

母親

…

父親

…

夏樹雨寧

…

父親

実戦3…それに単独任務は5回だけか…

父親

おい、同級生の単独任務の回数は？

夏樹雨寧

えと…俺がみせてもらった時…
アスカは20回、咲希は13回…

父親

アスカ…御三家の…なら多いのは納得が行くが…
もう1人のやつとかなり差があるじゃないか

夏樹雨寧

で、でも俺単独は少なくても
単独じゃない任務も頑張って…

父親

甘ったれるんじゃないっ！

夏樹雨寧

っ…！

父親

ここまで差をつけられて恥ずかしいと思わないのか？
焦らないのか？お前は…せっかく期待しているというのに…！

夏樹雨寧

俺だって…
俺だって悩んでるよっ！
やってもやってもどんどん差が付けられて
いつまでも弱っちくて役に立てなくて…

夏樹雨寧

だから

父親

なら

父親

お前は何をやっても意味が無いという事だな
それか教師の教え方が悪い

夏樹雨寧

っ…えt…先生は…
先生は悪くないっ！
先生はこんな俺にでも優しく指導してくれて
俺のいいとこも悪いとこも見つけてサポートしてくれて
全然悪くない！

夏樹雨寧

(そうだ…榎戸と聖葵さんは何も悪くない…
むしろいい事ばっかしてくれる…悪いのは…俺で…)

父親

お前…いつからそんなことを言うように…！

バシンッ！

部屋中に嫌な音が響き渡った

夏樹雨寧

ｳｯ…

母親

ちょっと！

父親

うるさい！黙ってろ！

父親

お前はもう学校に行くな、退学手続きもする
これから俺がお前を見る

夏樹雨寧

な、なんで勝手に…！

夏樹雨寧

もう…父さん…嫌いだっ…

雨寧はそう言うと部屋を出て自分の部屋へ向かった

雨寧自室

夏樹雨寧

っ…うぅ…

夏樹雨寧

(結局投げやりにしちゃったけど…ほんとに退学になったらどうしよう…)

夏樹雨寧

(あ、そういえば…こうゆう時は榎戸に話すといいって聖葵さんが…)

夏樹雨寧

(でも榎戸の連絡先知らないし…)

夏樹雨寧

優雅先輩に電話かけて聖葵さんに聞いてみよ…

雨寧は優雅に電話をかけるが優雅は電話に出なかった

夏樹雨寧

あれ…

すると次は向こう側から電話をかけてきた

夏樹雨寧

『もしもし…』

修羅魏優雅

『雨寧すまん、ちょっとてこずってて
何か用か？』

夏樹雨寧

『あ、忙しかったなら大丈夫です…』

修羅魏優雅

『アスカに任せたから大丈夫
それでどうしたんだ？』

夏樹雨寧

『あの…聖葵さんっていますか…？』

修羅魏優雅

『いるよ、てか元気なさそうだけど何かあった？』

夏樹雨寧

『まぁ…あの、聖葵さんいるなら変わってもらいたいんです』

修羅魏優雅

『分かった
ちょっと待っててくれ』

暫くすると聖葵が電話に出た

蜩聖葵

『もしもし？雨寧？』

夏樹雨寧

『あ、聖葵さん
はい、雨寧です』

蜩聖葵

『俺に用があるって…どうした？』

夏樹雨寧

『あの、この間家族関係で何かあれば榎戸に話すといいって言ってたの覚えてますか？』

蜩聖葵

『あー、うん言ったね』

夏樹雨寧

『それで、相談しようと思ったんだけど榎戸の連絡先知らないから…
聖葵さんに先ず伝えようかなって』

蜩聖葵

『なるほど…つまり何かあったという事だよな…？』

夏樹雨寧

『うん…まぁ…』

蜩聖葵

『ゆっくりでいいから俺に何があったか話してくれるか？』

夏樹雨寧

『はい…えと』

雨寧は家に帰ってから何があったのはを全て話した

夏樹雨寧

『で…俺、学校行けなくなったらどうしようって…ｯ』

いつの間にか雨寧は泣いていた

声も震えているはずだが聖葵は何も言わずただただ雨寧の話を聞き続けた

蜩聖葵

『なるほどな…』

蜩聖葵

『学校、辞めたくない？』

夏樹雨寧

『うん…』

蜩聖葵

『父親からの仕打ちはもう嫌だ？』

夏樹雨寧

『うん…』

蜩聖葵

『分かった、じゃあ榎戸に言っておくよ』

蜩聖葵

『これは俺の仕事じゃない…』

夏樹雨寧

『ありがとう…ございます…あの、仕事って…？』

蜩聖葵

『御三家にはそれぞれ役目があって式神家はそれぞれのサイキックの家計
の管理』

蜩聖葵

『サイキックっていうのは…色々とめちゃくちゃになりやすいんだ…
俺の家もそうだったしお前の家も』

夏樹雨寧

『そう…なんですか、ならほかは？』

蜩聖葵

『巫家はサイキックの階級管理
まぁ、階級をあげる時は巫家に申告しなければならないからな』

蜩聖葵

『俺たち修羅魏家は…』

そこで聖葵は言葉を詰まらせた

夏樹雨寧

『…えと…何か…あるんですか…？』

蜩聖葵

『死刑…』

夏樹雨寧

『え…』

蜩聖葵

『俺たち修羅魏家の仕事はサイキックのルールを破り、死刑と決定した者の死刑執行人』

夏樹雨寧

『え、じゃあ…殺さなきゃいけないって…こと？』

蜩聖葵

『そう言うこと…』

蜩聖葵

『嫌な仕事だよ…ほんと、あの時も…』

夏樹雨寧

『あの時…』

蜩聖葵

『いや、なんでもない
それじゃあ、そう言うことで』

ﾌﾞﾂｯ

夏樹雨寧

あ…切れちゃった…

夏樹雨寧

あの時って…なんだろう…

夏樹雨寧

(もしかして…聖葵さん…誰かを殺したことがあるのかな…)

蜩聖葵

…はぁ

蜩聖葵

やな事思い出した…

「聖葵、大好き、愛してるだから自分を責めないで、悪いのは掟を破った私なんだから」

蜩聖葵

っ…

蜩聖葵

鈴(すず)…

修羅魏優雅

兄さん、電話終わった？

蜩聖葵

ん…あ、あぁ

修羅魏優雅

…何かあった？

蜩聖葵

いや…何も
はい、スマホ返すよ

修羅魏優雅

ん…センキュ

修羅魏アスカ

おーい！早く来てよー！
お父様に許可貰うんでしょ！

修羅魏優雅

あ、おう

修羅魏優雅

…ん？兄さん来ないの？

蜩聖葵

いや、行くよ…先行っててくれ

修羅魏優雅

…分かった

蜩聖葵

はぁ…

蜩聖葵

なんで今更…あん時のこと…

蜩聖葵

鈴…

愛してる

グリム･リーパー

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なんか不穏やねぇ…

鈴さん…←意味はなくただ呟く人塾行ってらっしゃい〜その間にハート1000にしとくね〜←え

やっべえスランプ塾行ってきます

あまつ。

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