目が覚めると外はもう夜
ここに布団などないので
寝るために床につけた頬が冷たくなっている
12番
…
今回も変な夢を見た
大勢の人が何かを話している
顔は見えない
そこに俺が入ってみるとそいつらは驚いた顔をした
なぜかあいつらを見て安心した
そいつらの誰か一人に腕を掴まれそうになった
俺はびっくりしてそのまま逃げた
12番
…変な夢
視界が悪いので目をこっすって窓から外を見る
そこには雲一つない綺麗な星空が浮かんでいた
満月の月の光が自分を照らしているようだった
12番
なんでやろ…
なぜかどこかに行きたい気持ちになる
そう昔みたいに暴れまわって仲間と…
12番
仲間?
俺は生まれてからずっとここに住んでいたから
仲間なんていないはずなんだ
12番
…今日の俺おかしいわ
12番
外、出てみよ
本当は勝手に外を出てしまうとまたここに入れられる
だが俺にとっては気配を消して外を散歩するなんて
すごく簡単なものだった
俺は窓に手をかけてそのまま飛び降りた
運よくここは一階だったため怪我はしないで済んだ
そのまま走ってみた
どこまでもどこまでも
A国の城が見えなくなるくらいまでに
足がきづついてもお構いなしに
息が切れるまで、満足するまで
ずっと走り続けた
???
やっぱゾムは早いな!
12番
シャオ…ロ
聞こえた後ろの方に振り向いて
とっさに口に出た言葉に困惑した
12番
…?
聞いたことがない名前
なんで口に出てきたのか分からない
12番
やっぱおかしいわ