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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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莉子

んもー単語テストボロボロだよ〜

由美

珍しいね、莉子めったに赤点取らないのに

莉子

由美ちゃん!これにはワケがあってね、昨日犬を見つけて助けたんだけど…

由美

はいはい、言い訳はいいから。
そろそろロッカー行こ?

莉子

(もう、由美ちゃんったら冷たい…)

昼休み前の退屈な古典の授業中、莉子は昨日の出来事を改めて思い返していた。

莉子

(そういえばあのわんちゃん捨て犬だったのかな?野生だったらあんなに大人しく触らせてくれないよね。うーん捨て犬はどこに連れて行くんだったか…助けた身としてはあのまま放置も気が引けるし…)

先生

ちょっと桜木さん、大丈夫ですか?

突然の呼びかけ、莉子は現実に引き戻される

莉子

えっ、あはい!ダイジョブデス

先生

そう、じゃあこの助動詞「たり」の意味と活用は何かしら

莉子

えーと…

必死に文法書の文字列を目で追っていくも、上の空で授業どころではなかった莉子には無駄な行為であった

冬馬

文法書の32ページ、見てみろ

突然の隣からの囁きに驚いたものの、急いでページを32ページまでめくる。 そこには莉子の求める答えが記してあった

莉子

(あったー!)完了の助動詞で、連用形です。

先生

はい、そうですね。でも今度からは自分で答えを出せるように頑張ろうね。

途端に教室でくすくすと笑い声が起きる。莉子は皆の視線を遮るように文法書を顔に押し当てた。

莉子

(うう、はずかし…)

冬馬

……

授業が終わって休み時間に入った。莉子はピンチを救ってくれた日高冬馬にお礼をしようと隣の席へ顔を向ける。

莉子

あの、日高くんさっきはありがとう
助かっちゃった

冬馬

別に…てか次自分が当てられるってわかってただろ?事前に見とくとかしとけば良かったんじゃねーの

莉子

うっ、そのとおりでございますよ…
ちょっと考え事しちゃっててね

冬馬

ふーん

莉子

(話題ミスった?!興味なしって感じだわ…)

由美

りーこっ!一緒にお昼行こ!今日いい天気だから中庭で食べようよ

莉子

あっ、そうだね行こ行こ

莉子

(由美ちゃんグッジョブ!)

気まずくなった雰囲気を断ち切ってくれた由美に感謝しながら弁当箱を取り出し、中庭へと向かって行った

由美

てか莉子さーよくあの日高冬馬と話せるよね

莉子

そうかな?いい人だよ。さっきも答え教えたくれたし

由美

そうかもしれないけど!あいつ冷たいでしょ?だから女子の間では氷男だの見せかけプリンスだの言われてんのよ

莉子

へぇ…確かにお礼したら、お叱りうけたよ

由美

やっぱり!噂は本当だったのね…

莉子の友人である榊由美は学年きっての情報通であり、クラスメイトの日高冬馬の女子間での評価もばっちり把握していたようだ

由美

テニス部の先輩が言ってたのよ、一年の子が日高に一目惚れ!で、告白したらバッサリ冷たく断られたって、あとね…

結局昼休みは日高冬馬の伝説を聞かされ終わってしまったのだった

莉子

(あのワンちゃんのこと相談したかっんだけどな…)

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