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最近、ニキの様子がおかしい。
ニキ
しろせんせー
全然関係ない話題でも、やたらと俺に話を振ってくるし。
キャメロン
ニキ
りぃちょ
しろせんせー
ニキ
キャメロン
やたらと俺と一緒に行動しようとするし。
ニキ
しろせんせー
キャメロン
ニキ
キャメロン
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
やたらと特別仲良い感を出してくるし。
ニキ
りぃちょ
しろせんせー
キャメロン
18号
キャメロン
18号
キャメロン
月女のときにやたらと隣をキープされるし。
極めつけはコレだ。
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
コレだ!こういう、いかにも営業の発言をしてくるのだ!
どうしたんだ、こいつ。 長い長いドッキリか、売り出し方を急変更したのか、はたまた俺には想像もつかないような理由なのか。
これからBL売りをしていくという宣言をされるのも、ドッキリだと察してしまうような反応をされて企画倒れになるのも、 そのどちらも恐ろしくて、俺はニキに何も聞けずにいた。
最近のニキは、配信中のニキに引っ張られているのか、女研のプライベートな飲み会でも段々距離が近くなっている。 18号とりいちょの呆れた目線が刺さるので、本当にやめてほしい。 キャメロンは気にしていないような顔をしていたけれど。 いや、あいつの場合、俺達の距離が近いことに気付いてすらいないかもしれないが。
そんなこんなで、俺は、このままではまずいという切迫感に駆られる日々を送っていた。
俺はそんな売り方をして人気を獲得したい訳ではないのだ。 この売り方で寄ってきたリスナーは、きっと俺達の目指す未来へ連れて行ってはくれないとわかっている。
いつかは言わなければならないという言葉の、いつかって一体いつなんだろう。 いつかと言い訳してずっと先送りにしていたけれど、そろそろ取り返しのつかないところに行ってしまう気がする。
現に今俺は、今日これから始まる月女が憂鬱で仕方がない。 このままではまずい。
正面のニキを見やる。 控室特有の粗末なパイプ椅子に全力でもたれかかって、つまならなさそうにスマホの液晶を眺めている。
二人きりの時はこうして、前と変わらない素振りでいて、居心地がいい。 ずっとこういう態度でいてくれれば、俺がこうして頭を悩ます必要もなかったのに。
俺はやっぱり、この日常を取り戻したい。 今この瞬間が、対話すべき『いつか』だ。
俺は今から、ニキに腹を割る。
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
ニキの緩みきった顔がすこし引き締まる。
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキは椅子から立ち上がって俺の方まで歩み寄ってきた。 まずい、と直感的に感じて、俺も椅子から立ち上がりニキから逃げる。
ニキ
小さな控室では大した逃げ場もなくて、あっという間に壁際まで追い込まれる。 くそっ、なんで扉側に逃げなかったんだ、俺は!
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
そう言ってニキは俺に限界まで詰め寄って──壁ドンした。
しろせんせー
ニキ
ニキの顔が俺の顔に近づく。 まずい、キスされる。 そうわかっているのに蛇に睨まれた蛙のように動けなくなってしまって、ただ運命の時を待つばかりで──
りぃちょ
キャメロン
しろせんせー
ニキ
キャメロン
キャメロン
しろせんせー
しろせんせー
りぃちょ
──去り際に、ニキニキの顔を見やる。 呆れた顔で笑いながら椅子に戻るニキニキが、俺に目配せをした。
"わかってるよな?"
どっちの味方をしても、俺は被害を被るんだろうなと予感する。 ならば、せめて自分が味方したい方を味方することにするが、どっちにしようか。
りぃちょ