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冬の朝
息を吐く。
息が、白い。 もうこんな時期か。
マフラーを巻き直して、学校に足を運ぶ
少し後ろに足音、○○(苗字)さんや
おはよ
北 信介
声、いつもより小さいな。 寒いんか。
○○(苗字)さんの手、 ポケットの中におる
指、冷えとんやろか。
手、繋いだら暖かなるやろか
でも朝や、 無理に距離詰める時間やないし、
○○(苗字)さんがええかも分からへん。
寒いな、
北 信介
それだけ言って、貴方の歩く位置を 風の当たらない場所に移動させる、無意識に。
○○(苗字)さん、ちょっと驚いた顔しとったな
驚いた顔も、悪ない
校門が見えてくる
太陽、見えてきた
こういう、静かやのに ○○(苗字)さんが隣におるのわかっとる時間、好きや
北 信介
でも、声は聞きたいな思う。
え、ほんまに…
また、ちょっと驚いた顔したな
…笑
かわええ
校門の前
北 信介
うん
いっつもこれだけ。 校門の前ついたらもう別れる。
こんくらいの距離がちょうどええとは思う。
でも、ずっと隣にいて欲しいとは思う
離れる直前、マフラーを直す貴方を見た
首、赤かったな
寒いんか、それとも別の理由か
北 信介
考えんとこ。
教室の窓
雪が降っているのに気づいて、窓に足を運ぶ
雪、降っとる
まだ降らん時期やと思っとった
今日は登校する時、 ○○(苗字)さんおらんかったな。
準備、遅なってもたんやろか。
校庭、白いし、寒いやろな
そこで、誰かを探していることに気づく
俺今、雪見る為に窓見たはずや
なんで、目が校門、昇降口の方にある
北 信介
時計を見る
もうそろそろ、来る時間やろか、
北 信介
自分でも今のは気持ち悪いな思た
なんでこんなん気にしとるんやろ
ガラガラガラ
貴方が来たと思ったのか、 ちらっと教室の扉の方をみた。
北 信介
違かった
また、窓の方に目を戻す
やっぱ俺、気にしとんな 今完全に自覚した気ぃする
○○(苗字)さんが
大丈夫か
寒ないか
ちゃんと来れてるか
北 信介
重いな
毎日、こんなん思っとるって知られたら ○○(苗字)さんどんな反応するんやろ。
その時、昇降口に見慣れた人。
安心したように、ゆっくり息を吐く
きた、
よかった。
それだけ。 顔にも出さず、席に戻り教科書を出す。
今日も無事や。
それで十分ええ事やな。