テラーノベル
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Two time x noob!かく!受け攻めとかは決めていない!
ツータイムの、いっつも綺麗なタガー。 大切にしてるんだろうな、とひと目でわかるくらいには手入れされている。きっと長持ちするだろう。…というか、この世界で劣化とかするのだろうか? ヌーブはそんな事を思いながら、タガーに手を伸ばしかけて、そこでやっと大切にしているものだと思い出した。 大袈裟に身を後退らせ、思いっきり倒れ込んでしまう。 その時にテーブルも蹴ってしまい、上にあったダガーが落ちてきて____ あ、これ痛いやつだ。 もうどうにもならないな、と目を瞑る。 …痛くても、この世界のロビーでは傷がすぐに治るのだ。一瞬の辛抱。 なんか長いな、走馬灯ってやつだろうか? そんな事を数秒間考えた後、目をゆっくりと開く。 すると、誰かが僕にタガーが刺さる直前に持ってくれていた。頬に、暖かい、いや生ぬるいなにかが落ちてくる。 あかい。…あれ?この子が持っている部分って、刃? 「…う、うわあああああッッ!!?!?」 びっくりして、思わず立ち上がってその手を掴んでしまう。 見てみれば、それはツータイムではないか。身を呈して守ってくれたのだろう。 「つー、たいむ………本当にごめん…」 彼の手からどくどくと流れる真っ赤な血液。綺麗だな、と一瞬思ってしまったが、そんな不謹慎な考えは捨ててメディキットを探し始める。 「だ、大丈夫だよ。直ぐになおるから…noobは、気にしないで。」 痛いのだろう。若干眉をひそめ、痛みに耐えているようだ。 …僕の方が、年上なのに。守らせてしまった。 「そ、それでも、い、たいでしょ。傷つけたも同然だ。」 傷はもう塞がってきていた。それにも関わらず、彼はまだ痛そうにしている。 「……僕に、なにかできることがあったら……」 どうしよう。この言葉でも傷つけてしまってはいないだろうか? 「…ああ、じゃあ。うーん…私の家の、お花のお世話とか…?」 無いのでは僕が納得しそうにないことがわかっていたようで、絞り出すようにそう声を出す。 「ナイトシェード、ってやつだよね。きれいだよね…! 僕お花の世話わからないんだけど、水をあげればいいのかい?」 「そうそう。花なんて大体そんなものだし。」 「わかった、ありがとう!」 そう簡単に返答をして、ツータイムの後を着いていく。 数十秒ほどで、ツータイムの部屋に着いた。 僕たちサバイバーには、ロビーの近くにシェアハウスのようなものがある。僕にはわからないが、キラーたちもそうなのかもしれない。 ツータイムの部屋はものが少なく、ほとんど白黒で統一されている。綺麗な部屋だな。 「散らかってなくていい部屋だね。」 机の真ん中に、ポツンとナイトシェードの植木鉢が置かれていて。 少し寂しいな、とも思う。 「そうかな?ありがとう。…これ。」 コップを手渡される。水を入れろ、ということだろう。 共用の風呂場に早足で行っては、蛇口から水を注ぐ。 そして、部屋へ戻ってきて。 いざナイトシェードの花に水をあげようとすると、手首を掴まれて止められる。 「…どうかしたの?」 どうしたんだろう。純粋な疑問を胸にそう聞いてみた。 「い、いや。実は…君と2人きりになれる、口実が欲しくて…」 少し躊躇したように僕の手を離す。 …どういうことだろう?まるで僕のことが好きみたいじゃないか。 そんなわけないない。僕がこの子のことを好きだからといって、相手も好きになる訳じゃないんだから。 「……その…今度、二人で何かしたいなー、って…」 たまに管理者から与えられる"休日"。その日はRobloxiaの街に行けるようにしてくれるのだ。僕たちの精神を簡単に壊さないためだろう。その代わり、口外はできないが。 「い、いいよ!もちろん!僕で良ければ…」 夢にまで見る事。もちろんいい意味で。 まさか、そちらから誘ってくれるとは思ってもいなかったものだから、少し期待して食い気味に答えてしまった。 その時、手首が完全に離される。 「…じゃあ、ええと、掴んでごめん。」 ツータイムはそう短く言葉を終わらせると、ヌーブへ水をあげるよう自然と促しているようだ。 それに素直に従い、水を注ぐ。 心なしか、花びらの色が鮮やかになったように見える。 僕の心の影響だろうか? 「いいよいいよ。じゃ、あ。もう帰るね!」 そう決まったら、何をするかメモを残さないといけない。 せっかくのデートだ、今からでもワクワクしてくる。 「うん。わかった。 ……sweety。」 僕が扉を出て行く直前に何か聞こえたような気もするが、小さな声だったし独り言だろう。 デートのことで頭の中をいっぱいにしながら、自分の部屋へと向かった。
コメント
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返信遅れましたッ…すみません…ありがとうございます😭