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葛木生と宍戸あざみの場合2

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葛木生と宍戸あざみの場合2

1 - 葛木生と宍戸あざみの場合2

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2019年07月02日

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葛木くん

雨降ってんな

雨、降ってるね

葛木くん

傘は

持ってきてない

葛木くん

仲間だ

葛木くん

やまないのかね、これ

らしいけど

葛木くん

運がない

葛木くん

葛木くん

どした

私、雨の音好きだな

葛木くん

おお

葛木くん

そういえばしばらく聞いてなかったな

葛木くん

いや聞いてはいたな

葛木くん

いつからか、この天の涙を憂鬱だと思うようになってしまった

葛木くん

それは恐らく、私がこの身で涙の意味を、重みを知ったからだ

どうしたの

葛木くん

大人になるとは知ることで、知識とは想像を塗り潰すことなのかもしれない

ふふっ

ねぇ

どうしたの

葛木くん

む、

葛木くん

何か雨と一緒に降ってきたのかもしれねーな

しっかり

葛木くん

大丈夫だ

葛木くん

でも

葛木くん

雨の音って楽器みたいだ、なんて本当、ワクワクさんを見ていた頃には思っていたはずなんだよ

うん

葛木くん

そういう気持ちはもうなくなっちまったのかね

タツタツと降りしきる白雨

葛木くんの長い睫毛が息に合わせて震える

ずっと生きてきたから

他にも好きだと思えるものが増えて、そこに隠れて見えなくなってるだけかも

葛木くん

ふーん

多分

葛木くん

そうならいいけどな

私も思う

葛木くん

いや、でも

葛木くん

少なくともお前が『雨の音が好き』ってのは、そうだな

葛木くん

今までの上に今置いた

そう

葛木くん

おう

葛木くん

落ち着くな、雨

うん。落ち着く
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