テラーノベル
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ぬ
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彼には、誰にも見えない花が見えた。
道端に咲く小さな花。
誰かが落とした悲しみから生まれる花。
彼はそれを拾い集めていた。
友達は笑った。
でも彼は答えた。
ある日、彼は一輪だけ真っ黒な花を見つけた。
今まで見たことのない花。
触れようとした瞬間、声が聞こえた。
『それは君の花だよ』
驚いて振り返る。
そこには誰もいない。
彼は初めて気づいた。
誰かの悲しみは拾えるのに、 自分の悲しみだけは見ないふりをしていたこと。
黒い花は少しずつ色を変えていった。
でも、真っ白にはならなかった。
悲しみも、過去も、消えるものではなかったから。
最後に残ったのは、灰色がかった小さな花だった。
綺麗とは言い切れない色。
でも、彼はその花を今までで一番大切に思った。
コメント
1件
おお、これめっちゃよかった……! ファンタジーっぽい見た目から、じわじわ心の奥に刺さってくる感じ。 「自分の悲しみだけは見ないふりしてた」って気づくシーン、グッと来たわ。最後の灰色の花、ちゃんと大切にしたってところが沁みる。 ぬさんのこういう優しい温度の作品、もっと読みたいな。また続き書いてください🔥