コメント
2件
好き過ぎる、
主
主
主
主
主
主
主
主
初兎side
今日は恋人のりうちゃんの誕生日
やからちょっと凝った晩ごはんとケーキを作ろうと思う
初兎
今日作るんはビーフシチュー
料理があんま得意やない僕でもまだ作れそうなものを選んだ
ケーキはビーフシチューを煮込んどる間に作ろうと思っとる
初兎
まずは玉ねぎ、じゃがいも、にんじんを食べやすい大きさに切っていく
じゃがいもの皮を剥くのに苦戦しながらも、工程を進めていく
初兎
初兎
そう思い、冷蔵庫からレタスなどを取り出す
普段はわざわざサラダなんか作らんけど、彩りのために作ることにした
普段は基本的にりうちゃんがご飯作ってくれるけど、 今日ぐらいは作ってあげたい
僕も簡単なものなら作れるけど、やっぱりりうちゃんの方が料理が上手い
初兎
おしゃれに盛り付けるなんて、そんな高度ことはできるわけもなく、 至って普通なサラダが完成した
まぁ、食べれば一緒やろ
初兎
牛肉を一口台に切っていく
ビーフシチューのメインとも言えるため、少し大きめに切ることにした
初兎
初兎
大きめの鍋で具材を炒めていく
初兎
食材が焼ける時の特有な音を聞きながら、 焦げないように混ぜながら炒めていく
今回はルーを使わず、赤ワインとデミグラスソース、ケチャップで 味を整える予定や
初兎
しっかり炒められたら、水と赤ワインを加えて煮込んでいく
ここから1時間ぐらい煮込まなアカンから、 今のうちにケーキ作りに取り掛かることにする
初兎
ケーキを作るんは初めてや
スポンジを焼くんが難しいらしいけど、頑張ろうと思う
ちなみに今回は定番のショートケーキを作ろうと思っとる
僕の中で誕生日ケーキと言えばショートケーキのイメージや
初兎
材料をどんどん混ぜていく
レシピと睨めっこしながら工程を進めていく
初兎
慎重に型に流し込んでいく
オーブンも予熱し終わったし、あとはこれを焼くだけや
初兎
初兎
初兎
ケーキ作りは、スポンジ作りが味の要や
ふわふわにするにはコツがいるらしい
グツグツグツ
初兎
ちょうどビーフシチューを煮込み始めてから1時間ほど経ったため、 残りの調味料を加えていく
ここから時々かき混ぜながら20分ほど煮込めば完成や
オーブンと鍋を交互に見ながら完成を待つことにした
初兎
初兎
ビーフシチューが煮込み終わったため、火を止める
初兎
初兎
スプーンで少し掬って味見をする
初兎
お店のよう、とまではいかないが美味しくできた
これならりうちゃんも喜んでくれそうや
ピーッピーッ
と、オーブンから焼き上がったことを伝える音が鳴り響いた
初兎
初兎
初兎
ミトンを使いながら天板を取り出すが、慣れない熱さにびっくりした
ホンマなら冷めてから取り出したいぐらいやけど、 早めに型から取り出さんと取れんくなるから急いでお皿に移す
初兎
焼き上がったスポンジは綺麗とは言えへん
所々焦げてるし、形も不恰好や
しかし、りうちゃんが帰ってくるまで1時間もない
その時間で作り直すんはデコレーションも考えたら無理や
せっかくサプライズにしたいんに、台無しになってまう
初兎
どうせスポンジ部分はクリームに覆われて見えへんくなるんやし、 デコレーションで取り返せればなんとかなるやろ
初兎
横に包丁を滑らせ、間に具材を挟めるようにしていく
スポンジはふわふわしとるかちょっと切りにくい
初兎
初兎
初兎
焼き上がるまでに作っておいたシロップを満遍なく塗り広げる
シロップにはケーキの乾燥を防ぎ、 パサパサになるんを防いでくれる効果があるらしい
初兎
冷蔵庫からいちごを取り出し、薄いものと半分のものに切っていく
薄い方は間に挟んで、半分の方は上に乗せる予定や
初兎
生クリームはハンドミキサーがないため、すぐに使えるものを買ってきた
ムラにならへんように綺麗に塗っていく
初兎
初兎
無事ケーキが完成した
手作りなだけあって見た目は綺麗とは言えへんけど、 味は美味しいはずや
初兎
見本の写真と見比べると、どう見ても同じものを作ったとは思えない
これをりうちゃんに食べさせることに抵抗がある
初兎
こんなことやったら前もって練習しとくんやったわ、、、
サプライズにしたいから、っていう理由で練習しんかったんが仇に出たわ…
ガチャ)))
ただいま〜!)))
初兎
初兎
初兎
急いで冷蔵庫にケーキをしまう
そして、りうちゃんを出迎えるために玄関に向かった─────────
りうらside
ガチャ
りうら
大学が終わり、家に帰って来た
彼女の初兎ちゃんと暮らすこの家は、とても広いとは言えないが、 生活するに困らないほどの広さだ
誕生日の日も大学がそれも午後の授業まできっちりあると言うのは 運が悪い気がする
それでも、初兎ちゃんを頭に思い浮かべれば頑張れると言うものだ
(((ドタバタ
リビングの方から初兎ちゃんが走ってくる音が聞こえる
音はどんどん大きくなって、反響していく
初兎
りうら
笑顔を浮かべながら俺を出迎えてくれる愛しい彼
抱きしめたい衝動に駆られながらも、とびっきりの笑顔を浮かべて答える
りうら
りうら
初兎
りうら
リビングから何かいい匂いがすると思ったら、 まさか初兎ちゃんがりうらのために晩ご飯を作ってくれてたなんて、、、
嬉しすぎてどうにかなりそうだ
りうらが料理担当で初兎ちゃんは掃除や洗濯担当だから、 初兎ちゃんが作ったご飯を食べる機会なんてほとんどない
初兎ちゃんが作る料理は、心が暖かくなる
気持ちがこもっているっていうんだろうか?
とにかくおいしいのだ
初兎
りうら
りうら
ガチャ
着替えを済まし、リビングにやってきた
初兎ちゃんが何を作ってくれたのか楽しみだ
初兎
りうら
りうら
ダイニングの椅子に座り、初兎ちゃんが準備しているのを待つ
初兎
鼻歌を歌いながらキッチンで作業している姿はなんだか見慣れない
普段はりうらが料理を作るか二人で作ることしかないから新鮮だ
初兎
りうら
りうら
独特のデミグラスソースの匂いが漂う
温かそうで肌寒いこの季節にぴったりだ
りうら
初兎
りうしょー
りうら
口に含んだ瞬間、旨みが口いっぱいに広がる
濃厚なデミグラスソースとほろほろな具材が絶妙なハーモニーを奏でている
初兎ちゃんが頑張って作ってくれたことが伝わり、嬉しくなる
りうら
初兎
初兎
りうら
りうら
初兎
りうらが絶賛すると、褒められて恥ずかしいのか顔を赤く染める初兎ちゃん
耳まで真っ赤でかわいい
りうら
初兎
初兎
頬を膨らましながら拗ねている初兎ちゃん
君はどこまでかわいいのだろうか
しかもこれを素でやっているところが恐ろしい
初兎
りうら
最高にかわいい彼女を見ながら、愛が籠ったビーフシチューを口に運んだ
りうら
間にサラダも挟みながらどんどん食べ進めていく
りうら
初兎
りうら
りうら
初兎
りうら
どんな腕利きのシェフが作る料理よりも、 恋人が作った料理の方が美味しいに決まってる
愛情の味、ってやつ?
初兎
りうら
初兎
りうら
初兎
二人で笑い合いながら食卓を囲む
いつものことかもしれないけど、その当たり前が何よりも嬉しい
いつまでもこうして笑い合っていたいな、と思った──────────
りうしょー
りうら
初兎
美味しすぎておかわりまでしてしまったが、誕生日なんだから許して欲しい
しかし、味が濃いだけあって口直しがしたくなる
りうら
初兎
りうら
取り敢えず冷蔵庫の中を見てから考えようと思い、キッチンに向かう
りうら
りうら
冷蔵庫を開けると、そこにはケーキがあった
しかも、明らかにお店で買ったものではなく手作りだ
初兎
初兎
俺の声を聞きつけてこっちにやって来た初兎ちゃん
ケーキを見つめるりうらに気付き、顔を青ざめている
りうら
初兎
初兎
気まずそうに伏し目気味に答えた初兎ちゃん
きっと隠していたかったんだろう
初兎
初兎
りうら
少し口籠もりながらポツリポツリとことの詳細を話していく初兎ちゃん
少しでも話しやすいように優しく相槌を打つ
初兎
初兎
確かにこのケーキは形も歪でとても成功だとは思えない
しかし、初兎ちゃんの頑張りが伝わって来た
りうら
初兎
申し訳なさそうに謝る初兎ちゃんに居ても立っても居られなくなり、 思いっきり抱きしめた
りうら
初兎
りうら
りうら
初兎ちゃんがりうらのために何かしてくれようと 思ってくれるだけで嬉しいんだ
結果なんて関係ない
愛情が籠っていればどんなものだって最高の宝物になる
りうら
初兎
初兎
りうら
切り分けてくれたショートケーキを受け取る
フォークで掬い、一口食べる
りうら
りうら
ふんわりとしたスポンジ生地になめらかな生クリームが重なり、 これまで食べたことのないほどの優しい甘さだ
そこにいちごの酸味と甘味がいいアクセントになっている
りうら
初兎
りうら
りうら
初兎
初兎
初兎
目を輝かせながらケーキを頬張る初兎ちゃんが可愛くて仕方がない
市販のものとは違う、心が籠ったケーキに嬉しさで胸がいっぱいになる
りうら
初兎
大好きな彼女と誕生日を祝えるなんて、これ以上の幸せがあるのだろうか?
これからもこの幸せが続きますように、、、
そう願いながらケーキをもう一口頬張った─────────
〜終〜