葉月
和泉さん、これ、手伝ってくれるかな?
愛
はい!
本屋のバイトを始めて、半年ほど。 先輩も優しくしてくれて、 少しずつ慣れてきた。
葉月
今日、和泉さんのお友達
葉月
なにか、言っていた気がしたんだけど
葉月
何かあった?
いつもの爽やかな笑顔で こちらに探りを入れてくる先輩
愛
い、いえ
愛
何も…
葉月
ホントに?
先輩の顔がぐーっと近くなる
愛
はい…
私の返事を聞くと先輩の両手が 頬へ伸びてきた
温かい指先で くにっと優しくつままれる
愛
(ち、近い…!)
愛
あ、て、手紙を貰ったんです!
愛
差出人が分からなくてっ
愛
探してます…
葉月
手紙?どんな?
愛
好きって…自分を探してって…
葉月
そっか
先輩は、いつもの爽やかさがなくなり 意地悪そうに笑った
葉月
俺かもね……
愛
え?!いやいや、からかってます?
葉月
ハハハ
葉月
どうだろうね?
葉月
俺、和泉さんのこと好きなんだ
愛
(あ、またコレだ)
愛
友達としてですよね?分かってます
葉月
いや?
葉月
女の子として
先輩の手が私の手と重なる
愛
(こ、こ、恋人じゃないひとと恋人繋ぎなんて……)
葉月
本気だよ?
愛
あ、えっと。
愛
ありがとうございます
愛
嬉しいです…
愛
こんな私を好きになってくれて…
葉月
じゃあ、付き合ってくれるの?
愛
あ、いや、今はちょっと……
愛
付き合うとか付き合わないとか
愛
考えられなくて…
愛
予想外の展開で、まだ情報が整理できてなくて
愛
手紙の件もあるので…
愛
すみません…
葉月
うん、いいよ
葉月
俺は、振られても諦めないし
葉月
好きになってもらうための努力も
葉月
必要だからね
先輩には、いつもの爽やかさが戻っていた
放心状態で、この日のバイトを乗り切った
夏美
バイトおつー
愛
ありがとー
夏美
んで、怪しい人は思い出した?
愛
あ、いや、
愛
その前にさ
夏美
ん?
愛
告白されちゃった
夏美
は?誰に
愛
先輩に
愛
今日会ったでしょ?先輩
夏美
ほら!言ったでしょ!あるって!
夏美
うわー、楽しくなって来た
夏美
明日が楽しみで寝られんわ
愛
楽しみなんて……他人事?!
夏美
ごめんごめん!
夏美
ま、
夏美
手助けはするからさ!
愛
もう…
夏美
てか、思ったんだけどさ
夏美
もう直接聞けばいいんじゃない?
夏美
他の二人も
愛
むり
愛
私超自惚れだと思われるでしょ
夏美
んなことないでしょ
愛
私に、手紙くれた?って聞けば、変ではないかな?
夏美
そうそう
夏美
それなら、別に自惚れ感ないよ
愛
じゃあ、聞いてみる
愛
明日
愛
ありがとう
愛
なつみん
夏美
いーよ
夏美
また明日ね
夏美
おやすみー
愛
おやすみ
翌日、教室にて
愛
あ、あの
愛
山野くん
皐月
ん?あ、和泉!おはよ
愛
おはよう
愛
ちょっと、聞きたいことがあるんだけど
愛
いいかな?
皐月
どうした?
愛
わ、私に、手紙くれたりした…?
皐月
手紙…?
皐月
どんな内容?
愛
(内容を聞くってことは)
愛
(違うよね)
愛
ううん!
愛
やっぱり、大丈夫!
愛
ありがとう
皐月
ちょっと待って
去ろうとした私は、 手首を握られた
皐月
内容教えてよ
皐月
気になるじゃん?
愛
え、
愛
やだ
皐月
えー?
皐月
昨日名前呼んでくれたのもそれが原因?
愛
そ、それは、ごめんね。急に名前で呼んで
皐月
いや、嬉しかったし
皐月
それはいいんだ
皐月
ちょっと、あっち行かない?
山野くんが指したのは、廊下だった
愛
え、あ、
夏美
いってらっしゃい〜
行った行った!と、なつみんに 背中を押されて、廊下に出る






