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幼い頃から、リオは「水の魔法使い」と呼ばれてきた。 井戸から水を呼び出し、雨を操り、川の流れを穏やかにする力。その力に村人たちは驚嘆し、尊敬を抱いた。 リオ自身もそう信じていた。 ──自分は水に選ばれたのだ、と。
ある日、王都から派遣された魔術師が村を訪れる。その名はエルネスト
エルネスト
リオ
エルネスト
エルネストは、乾いた土の上に指で円を描いた。
リオは深呼吸し、手をかざした。 透明な水が湧き出し、乾いた地面を潤してく
いつも通りのはずだった。
だがその水の中に、わずかに光の粒子が混ざっていた。
それを見たエルネストは、眉を跳ね上げる。
エルネスト
リオ
エルネスト
リオは混乱した。
リオ
エルネスト
エルネストは試すように、リオに火の灯った松明を差し出した。
エルネスト
恐る恐るリオが手を伸ばすと、松明の炎が揺れ、彼の掌に吸い寄せられた。 熱さはなく、むしろ穏やかな温もりが彼を包む。
リオ
エルネスト
その瞬間リオの世界は変わった。 水しかないと思っていた道は、無数の枝分かれを持っていた。 波立つ炎、舞う風、震える大地。それらを感じ取れる。
リオは呟いた。
リオ
エルネスト
リオの胸に、これまでない昂ぶりが生まれた。村で水魔法使いと呼ばれていた日々は終わる。これからは、自らの力を試し、世界のあり方さえも変える旅が始まるのだ。