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桃赤 桃体調不良

『完全下校10分前です。残っている生徒は____』

放送の声を聞いて急いで足を動かし廊下を走る

が、曲がり角を曲がったところで足を止めた

…………………

今………帰り?

うん、まぁ今日生徒会の集まりあって遅くなったけど……

………

何やってんの?

さとみくん

そこにはぶっ倒れているさとみくんがいた

あ、………はは…は

…何があったん

立てる?

…無理ー

俺の問いにダルそうな返事が返ってきて少しため息をつきながらさとみくんを支えるように肩を回した

彼の体はいつもより少し熱く感じた

辺りを見渡して生徒会室に誰も居ないのを見て足を進める

近くのソファーにさとみくんを座らせ、棚からカップを取り出し、ココアを作って机に置くと光の速さで彼の手元に移った

………喉乾いてたの…?

ちゃう

さとみくんは1度首を横に振るとゴクゴクと飲んでいく

きっと寒かったのだろう

…………んで?なんで倒れてたん

向かいのソファーに腰をおろし膝の上で頬杖をつく

いやー実はさ

彼はカップを置くと淡々と言葉を続けた

彼が言うに最近大会の近い部活の助っ人をこまめに頼まれ、面倒いから一気に終わらそうと常に走りっぱなしで、眠いはずなのに眠れない日が続き今に至るらしい

まぁ俺的には

それの方が面倒いと思いますけども…

だってさぁ、まず頼まれるやん。了承するやん。動くやん。それ見られるやん。頼まれるやん。だったら一気にやった方が良いべ

俺はたまにお前の思考回路がどうなってんのか不思議に思うよ

ていうか、病院行けば?寝れないんでしょ?

いやちゃう。寝方を忘れただけやねん

何言ってんの

単に病院行きたくないだけでs

バカお前。その辺のクソガキどもと一緒にすんなお前。それに学校なら俺は寝れるんだよ多分

多分ってなんだよバカ

あ、お前今バカっつったなぁ!!

はぁ?!お前もさっきバカって言ってたじゃん!ってちょっ…大丈夫?

軽い言い合いをすると彼は急に目を回しソファーにもたれかかった

ハァ…急に騒ぐから

さとみくんの体に触れるとさっきよりも熱く、ソファーに寝転がした

…っでもさぁ、助っ人まではまだ良いんよ

いいんだ…w

でも、そこへ追い打ちをかけてくる今年最後の期末テスト課題の山…

あぁ、確かさとみくん今回赤点回避しないと3年生をもう一回やるんでしょ?

…………なんで俺は学生なんだ…

ジト目で暫く見つめられた後さとみくんは涙目になった

要するにさとみくんの生活習慣はその2つで狂いに狂い気づいたらこうなってたと

そー……

さとみくん一人暮らしだし、倒れたら大変だね

じゃあ結婚して一緒に住も。今すぐに

頭逝った?

逝ってたまるかってんでぃ〜

待って本当に心配してきた…

スッとしゃがみ少しクシャついた髪の毛を整える

軽く指先で額に触れるだけでも熱いのが伝わってくる

…………本当、大丈夫…?

何、心配してくれんの?

心配してなかったら、今頃さとみくんはずっと地面に這いつくばって、俺は家に帰ってる途中だよ

立ち上がりカップを片付ける

ははったしかに

……………なぁ

戻ってくるのをジッと見つめていた彼がゆっくりと口を動かした

ん?

すると腰に腕が回ってきてグッと押し寄せた

一緒に寝てくんね?

………は、

はぁ?!//

あれ、莉犬まだ帰ってないのー?

あれ、さとみくんもいる

てか何してたの?

慌ててさとみくんから離れたから少し変な体勢になったのをころちゃんが不思議そうに口を開く

えっ?あ、いや何もしてないから!は、早く帰ろ!

急いで自分の鞄を持ち2人の背中を押す

はぁ?!ちょ、おい!

後ろから「副会長ー!!!!」と言う叫び声に無視をして扉を閉める

え、いいの?さとみくん

い、いいの!

……………………

…やっぱ…

そう言うと頭の上に何かが乗りわしゃわしゃと髪を乱した

ちょっと会長〜!ここ分かんなーい!今から僕の家に来てー!!

……ハァ、ごめんね莉犬っ、今日一緒に帰れない…!

はやくー!!!!!!

…………

ハハっ……分かった。また明日ね

思わず頰が緩み手で口を覆ってもう片方で手を振る

2人が見えなくなり、そっと手を下ろした

……ありがとう

ボソッと呟いて俺は反対方向に足を運んだ

………………

静かにドアを開けて、ソファーに寝転ぶ彼に視線を向ける

近づいて毛布をかけると気がついたのか彼と目があった

保健室から借りてきた

いいの?戻ってきちゃって

………

彼………氏、だから

そう言うとさとみくんはゆっくりと口角を上げた

は、早く寝なさい!//

ボブっと毛布を叩けばさとみくんは小さく笑みをこぼした

あ、あと睡眠サプリも持ってきたから

鞄から小さな瓶を取り出すとそれをジッと見つめている

………飲む?

そう問うとさとみくんは少し考える素振りを見せた後

莉犬が口移しするんなら

飲んでもいいよ

と言って少しでも動いたら唇が触れてしまいそうな距離まで顔を近づけた

………っ!

ば、馬鹿じゃないのっ//

wwwww冗談冗談w

さとみくんはそのまま腕を枕にして目を瞑った

なんでこういつも余裕そうなんだよ…っ

クソムカつく……

手に持ってる瓶に視線を向ける

……………………

蓋を開けて2錠の錠剤を手に取り口の中に入れ殻に近づいた

カラ…

………馬鹿

そっと離れて近くにあった紙に「先に帰る」と書いて生徒会室を後にした

ガリッ

~ end ~

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