相澤
…だから、クラス全員…除籍処分にしたよ
黒猫
……え?
黒猫
…え、いやいや…だって皆…普通に雄英高校の1年生だったじゃん…!
黒猫
……全部知ってて…僕に関わってたの…?
相澤
…除籍処分にしたのは本当だ
相澤
校長に聞けばすぐわかる。
黒猫
………そんな、
相澤
でも
相澤
お前のクラスメイトは…何回も何回も雄英に来て、何度も何度も謝ってきた
相澤
「どんな事をしても構いません、神福を助けるために…ヒーローにならせてください」
相澤
ってな。さすがに迷惑にもなる程だったし、校長もクラス全員で神福を助けるなら良いってことになった
黒猫
……じゃあいじめの主犯は?
黒猫
さすがに三奈達がやるとは思わないんだけど…
相澤
随分前に転校してきた『酷奈月』の姉、『仮名』
黒猫
仮名…?
黒猫
仮名って書いて『かな』って読むの…?流石に親はそういう名前付けないよね…?なら偽名とか…?
相澤
あぁそうだ、偽名だった
黒猫
……
相澤
…ぶりっ子を演じ、神福を嫌い、その流れでいじめたそうだ
黒猫
…馬鹿なの?
黒猫
バレること分かってる上でやってたの?そこまで嫌う必要無いんじゃ…
相澤
仮名の個性は『治療』
相澤
何百億もの個性がある中、『治療』は個性の中でも本当に少ないのは知ってるよな
黒猫
……うん。
相澤
一時期クラスメイトから褒められまくってたよ
相澤
…同じ個性を持つ転校生が来るまではな
黒猫
…もしかして…
相澤
そう、それが『神福 優晴』だった。
相澤
彼女は珍しい個性を10個も持っている、なのに脳無にならないんだから…本当に人気者だった
相澤
「どうして脳無にならないの?」「このメッシュは個性の影響?」など…質問責めされ羨ましかったんだろうな
相澤
重要人物をヴィラン送りにしてしまった仮名は、刑務所でこう言っていた
相澤
「人気者の私よりも強い子が来て驚いた」
相澤
「だからいじめた。今でも大嫌いよ、あいつは。」
黒猫
…てことは嫉妬?
相澤
…多分な
黒猫
はっ笑
黒猫
くだんな
相澤
……
黒猫
…え、じゃあつまりさ、
黒猫
仮名は刑務所送りで…
黒猫
…A組は、優晴をヒーローに戻す為に、もう一度ヒーローの卵になったんだよね
相澤
あぁ
黒猫
…そして2回目の1年生…その時に僕達が護衛についた。
黒猫
つまり……
黒猫
僕ら元E組の4人は、優晴をヒーローに戻す為に頑張っている…1−A組の監視役だったわけだ。
相澤
…よくわかったな
黒猫
まぁね
相澤
…お前は神福からなにか聞いてないのか
黒猫
「前は僕が我慢すればいい話って思ってけど、個性使ってればよかったんだね。皆の記憶から、仮名だけを消せばよかった。」
黒猫
「案外簡単なことだったみたい」って笑ってた。
相澤
…そうか。
黒猫
僕たちの自由は優晴にかかってる
黒猫
だから…ヒーロー側もヴィランになった『神福優晴』を戻そうとしてるんだね
黒猫
優晴は気分屋だし…そのままヴィランで居続ける可能性も全然ありえる。
黒猫
頑張ってね、ヒーローさん
相澤
…
黒猫
…優晴
優晴
…あ、黒猫
黒猫
…相澤先生と話してきた。今までのこと…全部。
黒猫
僕達は…A組の監視として呼ばれてたみたい。
優晴
…つまり敵なんだね、黒猫も
黒猫
…敵じゃないよ、
優晴
なんで?
黒猫
僕もヒーロー嫌いだし、本当に本当に…憎んでる
優晴
…黒猫が憎んでるのは…助けてくれなかった時のヒーローじゃないの?
黒猫
……それは、
優晴
…ふふ、黒猫は分かりやすいね
黒猫
…!
優晴
ねぇ黒猫、僕はね…死刑になるのが当然っていう…酷いことをしたんだ。
優晴
黒猫に拾ってもらって本当に良かったし、ちょっとの間だったけど…楽しかったよ。
黒猫
ねぇ…
黒猫
待って、
優晴
…僕はもう、ヒーロー側にもヴィラン側にも行かないよ
黒猫
……ぇ
優晴
あー…そういえば死刑まで約2年半………黒猫が大学生になる頃に死ぬみたいだからさ
優晴
……卒業したお祝い、入学したお祝い、沢山してあげる
黒猫
…死ぬみたいに言わないでよ
優晴
だってあと2年半で死んじゃうんだもん笑
黒猫
…怖くないの?
優晴
………
優晴
怖いよ
優晴
死にたくない…まだ沢山話したい
黒猫
…優晴、
優晴
…人を殺しちゃった代償は、僕の死で償う
優晴
だから僕の事なんて忘れて、幸せに暮らしていてね。
黒猫
…毎日来てもいい…?
優晴
勿論
黒猫
……ありがとう