テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
月彩
お母さん
そう言って僕のお母さんは兄の頭を撫でる。
すぐ隣に居るのに遠く感じる兄の姿を見つめているだけだった。
ぼー、とそっちを見ていると、お母さんと目が合った。
紗久
そんな期待とは裏腹に、お母さんは冷たい目でこちらを見ていた。
ズキリ
同じ双子なのに。
なんでこんな違うの
兄なんて居なきゃお母さんは僕を見てくれた
お兄ちゃんなんか大嫌い
僕だって褒められたい
愛されたい
撫でられたい
同じ双子なのに
兄弟なのに
生まれた頃からスタートラインが違う
紗久
僕は思わず飛び出した。
こんなとこにいると狂いそうだから
紗久
考え無しで飛び出した僕が辿り着いたのは、森だった。
なぜか
本能的に、ここを選んだのだ。
すごく見覚えがある場所だった。
紗久
少し歩くと、一つだけ、何か書かれた木があった。
「 絶対一緒!! 」
とても、汚い字だった。
子供のような字だった。
ただ、その字は、昔の兄の字だった。
紗久
紗久
紗久
幼い月彩
幼い紗久
幼い月彩
幼い月彩
幼い月彩
幼い紗久
幼い月彩
ガリガリガリ…
幼い紗久
幼い月彩
幼い紗久
紗久
紗久
月彩
紗久
月彩
紗久
月彩
紗久
月彩
紗久
月彩
月彩
紗久
月彩
「君は1人じゃない」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!