ちいさな子ども
かえす?
おにいちゃんと、いっしょ
だめなの?
おにいちゃんと、いっしょ
だめなの?
アンブル
だめだよ。
ちいさな子ども
やだ!
やだやだやだ!
ずっといっしょにいるもん!
やだやだやだ!
ずっといっしょにいるもん!
アンブル
……だめだよ。
ちいさな子ども
やぁ〜っ!!
アンブル
な、泣いたって、
だめなものはだめ……っ。
(どうしたらいいんだよ〜!?
いや、慌てるな。心を鬼にするんだ!)
だめなものはだめ……っ。
(どうしたらいいんだよ〜!?
いや、慌てるな。心を鬼にするんだ!)
ちいさな子ども
うわあああん!!
アンブル
泣かないでよぉ……。
(何か意識がそれるものは……)
……ん? 君、右脚が義足なんだね。
(何か意識がそれるものは……)
……ん? 君、右脚が義足なんだね。
ちいさな子ども
ふぇ……ぎそく?
アンブル
つくりもの、ってことだよ。
ちいさな子ども
うん。
ボク……うまれつき
みぎあしがないんだって。
だから、おかあさんが
まほうであしをつけてくれたの。
ボク……うまれつき
みぎあしがないんだって。
だから、おかあさんが
まほうであしをつけてくれたの。
アンブル
そう。
(やばいぞ)
(やばいぞ)
アンブル
(この子の母親、とんでもない魔女だ……!)
アンブル
すごいお母さんだね……。
僕が君を帰す前に、
君のお母さんに、ここを
特定されそうだ。
僕が君を帰す前に、
君のお母さんに、ここを
特定されそうだ。
???
その通りに、なったわね。
アンブル
ヒッ!?
???
私の息子が、
ご迷惑をおかけしました。
ご迷惑をおかけしました。
ちいさな子ども
おかあさん!
アンブル
(全然気づかなかった……!)
子どもの母親
ふふ。
運命の出会い、って……。
あるのねぇ。
運命の出会い、って……。
あるのねぇ。
アンブル
はい?
子どもの母親
この子、
貴方に『魔力惚れ』
しちゃっみたい。
貴方に『魔力惚れ』
しちゃっみたい。
アンブル
魔力惚れ、って……。
そんなの。 自分の容姿や能力に自信が無い 者たちが作った、 ジンクスや迷信じゃないのか。
子どもの母親
それで魔力をたどって、
ここに来ちゃったみたいね。
ここに来ちゃったみたいね。
アンブル
ありえない。
子どもの母親
隠匿の魔法を常にかけているようだけど、
アンブル
…………。
(そうだよな。
見破られてるから、
彼女はここに来られた)
(そうだよな。
見破られてるから、
彼女はここに来られた)
子どもの母親
まだ幼い、
魔法はちょっと習ったばかりの
この子がここにいるのが、
なによりの証拠じゃないかしら?
魔法はちょっと習ったばかりの
この子がここにいるのが、
なによりの証拠じゃないかしら?
アンブル
そう、言われましても……。
子どもの母親
とはいえ、
そろそろ帰らなきゃね。
お兄さんとは、お別れよ。
そろそろ帰らなきゃね。
お兄さんとは、お別れよ。
ちいさな子ども
え!? やだ!
子どもの母親
また、見つけ出しなさい。
ちいさな子ども
ふぇ?
アンブル
(は?)
子どもの母親
大きくなったら、
また見つけ出せばいいわ。
それまで、我慢。
また見つけ出せばいいわ。
それまで、我慢。
アンブル
(なんか
めちゃくちゃ不穏な感じするけど、
帰ってくれるみたいだ……)
めちゃくちゃ不穏な感じするけど、
帰ってくれるみたいだ……)
ちいさな子ども
おにいちゃん!!
アンブル
はひっ!?
ちいさな子ども
また!あいにいく!
ぜったい、あいにいくから!
ぜったい、あいにいくから!
アンブル
そ、そう……。
ちいさな子ども
ば、ばいばい……っ。
アンブル
ばいばい。
(ま、その内忘れてるだろ)
(ま、その内忘れてるだろ)
???
フフ。
子どもの母親
ねぇ。
アンブル
は、はい。なんでしょう……?
子どもの母親
この子はね。
私に似て、気に入った相手に
とっても執着すると思うの。
私に似て、気に入った相手に
とっても執着すると思うの。
子どもの母親
だから、その時が来たら
覚悟、してね。
覚悟、してね。
そして僕の目の前から、 親子の姿は消えた。
つづく。






