狗巻棘
『 爆 ぜ ろ 』
呪霊
カッ
狗巻の呪言で瞬く間に爆ぜる呪霊の群れ。
風圧に前髪を翻しながら乙骨がそれを見つめる。
「文字通り言葉に呪いがこもるのさ。
ま、見た方が早いよ」
乙骨憂太
( たしかに… )
狗巻棘
クルッ
乙骨憂太
えっ、あ、そっか、もう終わりか
狗巻棘
ヅナ"マ"ヨ"
乙骨憂太
(( めっちゃ声枯れてる!! ))
乙骨憂太
( あ……だからのど薬 )
乙骨憂太
( すごい力だけどそれなりにリスクもあるんだな… )
狗巻棘
おかか!
乙骨憂太
あれ、本当だ、帳が上がらない
乙骨憂太
これじゃあ出られないね
呪霊
ギニュウンッ
乙骨憂太
!?
狗巻棘
!!
帳の前であたふたする2人の背後に突然現れた呪霊。
そのおぞましい気配に振り向いた。
呪霊
ゾんば キィィィン
狗巻棘
ドンッ
乙骨憂太
わっ、狗巻くん!!
狗巻棘
『 捻 れ ろ 』
呪霊
ベキベキッ➿
乙骨憂太
なになになになに!?アレ!!
狗巻の呪言で片腕が捻れる呪霊。
が、ダメージは少ないようで怯まず攻撃をし続ける。
乙骨が咳をする狗巻を連れて2階へ避難した。
乙骨憂太
呪いっ…低級って言ってたのに!
乙骨憂太
話が違くない!??
乙骨憂太
( あのサイズなのに小学校のデカブツよりもずっと怖かった )
乙骨憂太
そうだ、狗巻くんケガ…指大丈夫!?
狗巻棘
じゃげ ペキッ
乙骨憂太
ああ!そんな下手にイジんない方が…
乙骨憂太
( 僕のせいだ… )
乙骨憂太
ごめん
狗巻棘
スクッ
曲がった指を無理やり直して立ち上がる狗巻。
そのままフラフラと下の階に繋がる廊下を歩いた。
乙骨憂太
狗巻くん!(小声)
乙骨憂太
もう動いて大丈夫なの?
狗巻棘
ごんぶ ✋
乙骨憂太
え……1人で行くってこと?
乙骨憂太
……ありがとう狗巻くん、でも大丈夫だよ
乙骨憂太
2人で頑張ろう!!
狗巻棘
!
呪霊
オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"
乙骨憂太
( 怒った!なんで!?ただでさえおっかないのに!)
乙骨憂太
( 目を離すな。足を止めるな )
乙骨憂太
( 刀に呪いを込める…!!)
乙骨憂太
( 狗巻くんは優しいんだ )
乙骨憂太
( 不用意に人を呪わないように呪いのこもらない
おにぎりの具で話してるんだよね? )
乙骨憂太
( 今日だって助けてくれた。危険から遠ざけようとしてくれた。)
乙骨憂太
( あの時も緊張してた僕に気を遣ってくれてたんだよね?)
乙骨憂太
ズパンッ
呪霊
ゾら
乙骨憂太
( 浅い、ってゆーか硬い!!)
乙骨憂太
( 僕はまだこの呪いに敵わない )
乙骨憂太
( でも!!)
乙骨憂太
狗巻くん!!ブンッ💊
狗巻棘
パシッ
乙骨憂太
( 狗巻くんの優しさには絶対応える!!)