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みどりいろwith友
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ふゅう@低浮上
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世界は灰色だった。
空も、校舎も、制服も、 全部が曖昧な濃淡だけで構成されている。
昨日まで鮮やかだった桜の色さえ、 今朝からは単なる薄い影にしか見えない。
羅宇
クラスメイトが僕の肩を叩いた。
彼の髪は今朝までは明るい赤色だったはず。
でも今は、ただの暗い灰色の塊に見えるだけ。
俺は適当に誤魔化しながら、窓の外を見つめた。
本当は何を考えていたのか言えるわけがない。
自分がもうすぐ死ぬこと。
それも、この世のすべての色を失っていく 病気にかかっていることなんて。
『無彩病』
医者はそう言った。
原因不明の難病で、 発症すると徐々に視界から色彩が失われていく。
そして最終的には、自分が失った色が 何だったのかも忘れてしまうらしい。
「あと一年」。 先生の言葉が頭の中で繰り返される。
最初は信じられなかった。
冗談だと思った。
でも、このところ見えていた虹の色が一日ごとに 減っていく感覚は、間違いなく現実だった。
好評だったら続きを出します (多分)