整形依存の彼女

私は家に帰り、泣いた

買ってきた物を壁に投げる

私だけあんな本気にして、

ほんと自分がバカらしくてたまらなかった

整形して、可愛くなれば、

また見てくれる？

私を一番に思ってくれる？

そう思った私は、

バイトをして貯めた有り金全て、

整形をするために使った

整形というのはダウンタイムが付き物で、

ダウンタイム中の自分の顔はあまりに酷くて、

鏡なんてとても見ていられなかった

でも、可愛くなって私だけを見てもらうために、

もう後戻りはできなかった

彼に愛してもらいたくて整形を頑張った

これなら愛して貰えるかもって、

そんな淡い期待を抱きながら、

私は、彼を探して数日出歩いた

｢可愛くなったね｣って、

｢akだけだよ｣って、言って欲しかったから

やっと見つけた彼は、前とそれほど変わらなかったけど、

でも、少しだけ顔付きが大人になったようにも見えた

家に帰った私は、

部屋でただひたすら泣いた

整形をして誰の顔でも無くなった私の顔

本当は、整形なんてしたくなかったのに

愛してくれるって、そう信じてしたのに、

全部全部、無駄だった

彼との思い出の写真とか、

プレゼントしてもらった物とか、

全部全部、床に、壁に叩きつけて、

投げつけて、

自分の拳で殴った

中にはガラス製の物もあって、

割れて、破片が手に刺さって、

血が出て、

痛くてたまらなかったけど、止まらず殴り続けた

私の心の傷の方が、

この手の痛みよりずっと痛くて、苦しくて、たまらなかった

そこから私は、

自傷行為なんかもするようになった

OD(オーバードーズ)を特に頻繁に行った

頭がふわふわして、何も考えられなくて、

心地よかったから

痛みとか、苦しみとか、忘れられるような気がしたから

もう何もかも無くなって

学校にも行かなくなって、

人生が何も楽しくなくて、

あの夜、全部終わりにしようとして、海に出歩いた

そこで出会った君は、

何故だかすごく暖かく感じた

傍に居てくれるだけで暖かかった

でも、きっとこの人も裏切る、

そう思って、

もう誰も信用したくなくて、

…でも、

でも、

この優しい笑顔を見る度に、

信じてみても良いのかなって、思えた

…そして、この人なら私を愛してくれるのかなって、

私は、ただ人からの愛情に飢えているのかもきれない

愛情をくれる人なら、誰でも良いのかも、なんて

そんな事も考えてしまう、でも…

…心から、好きになれた気がした

過去編は一応終わりです

…過去一没作かも、っ🥹