びーえる短編物語III

俺はスマホに夢中な彼の視線を奪おうと小さく肩を叩く

俺は報道番組の映っている画面を指さす

すると彼は一旦フリーズ

あんぐり口を半開きにしたまま眉を寄せ目の前の映像を疑う

オウム返しで返事をして来た

面白いな なんか

焦らしたくなって来た

まあ聞かれるの前提で見せましたし直ぐ教えますけど

俺は裏声で女性の声を真似てその時の状況を身振り手振り説明する

ちなみにカッスカスの裏声なのでクソほど似てない

1ミリも再現出来てねえよ

もっと真面目に説明しろって俺

そんな俺の脳内1人漫才の開幕も知らずに 彼は普通の反応を見せる

え？

なんか反応薄くね？笑

おいおいおい ソファーから大雑把にひっくり返るくらいしろよ

.....ってのは流石に嘘だわ

取り敢えず俺の思っていた反応とは少しかけ離れている対応だ

もうちょいなんか言ってくれてもいいじゃん

｢で？｣って何だよ

今の話以上に深堀する事ないと思うのだが 俺は念の為彼の言葉を待ってみる

彼は怒っているのだろうか

いや....怒っては無い....な うん（確信）

でも彼から圧を感じるのは何故だろう

俺はテレビに出た事を話しただけなのに罪悪感（）

今...

コイツ可愛いって言いました！？

この後暫く照れっぱなしだった