テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

春日 未央

ただいまー…

扉を開け、リビングへと入る。

リビングのソファには詩音が薄着で横になって寝転んでいた。

花咲 詩音

……

春日 未央

……詩音

春日 未央

勝手に僕の家に上がるなって何度言わせるの?

花咲 詩音

…別にいいじゃん

春日 未央

父さんが帰ってきたらどうするつもりだ?

花咲 詩音

どうせ仕事なんでしょ?今日も__

春日 未央

……まあそうだけど

花咲 詩音

ねえ未央

詩音はソファに座り直した。

花咲 詩音

聞いてくれた?"あのこと"

春日 未央

ああ。倉木先生にな

花咲 詩音

本当は雅に言ってほしかったんだけど

春日 未央

ワガママ言うな

春日 未央

というか、僕頼りじゃなくて自分で言えばいいじゃないか

花咲 詩音

……うるさい

花咲 詩音

それで?倉木はなんて?

春日 未央

色葉雅とは何も無い…という素振りだった

花咲 詩音

ふーん

春日 未央

生徒との恋愛なんて軽蔑する……とは一応釘は刺したけど

花咲 詩音

足りない。もっと言わないと

春日 未央

……

春日 未央

詩音は一体何がしたいの?

花咲 詩音

春日 未央

急に雅と倉木先生の関係が怪しいなんて言い出したりして

花咲 詩音

……

春日 未央

詩音は2人と何の関係があるの?

春日 未央

僕には…言えないこと?

花咲 詩音

……

花咲 詩音

聞いたら未央。私のこと軽蔑するから

春日 未央

軽蔑…!?

春日 未央

するわけないだろ!そんなこと!

花咲 詩音

……未央は真っ直ぐだから私の気持ちなんてわかんないよ

春日 未央

……

花咲 詩音

ま、簡単に言うと2人は私の恩人…かな?

春日 未央

恩人?

花咲 詩音

私は恩を仇で返しちゃったの

花咲 詩音

最低でしょ?

春日 未央

……なにか理由が__

花咲 詩音

雅みたいなこと言うね

花咲 詩音

理由なんて無いの。だから最低なの

春日 未央

詩音は……

春日 未央

最低なんかじゃない

花咲 詩音

ありがと。本心からそう言ってくれるのは未央だけだよ

春日 未央

……っ

未央はギュッと詩音を抱き寄せた。

春日 未央

(なんで詩音ばっかりこんな目に合わないといけないんだ!)

春日 未央

僕は詩音の味方だから!

花咲 詩音

…………うん

キーンコーンカーンコーン

倉木 一哉

はいテスト終了

倉木 一哉

ペンは机の上に置け

長く苦しいテストが終わった。

色葉 雅

ふぅ〜……

色葉 雅

(終わったぁ……)

クラスメイト

なぁ色葉!問2の答えってなに?

色葉 雅

「2番」だった気がする

クラスメイト

サンキュ!

クラスメイト

最後の問題は?

色葉 雅

えーと……

クラスメイト

よかったー!合ってた!

クラスメイト

じゃあね、色葉くん!

クラスメイトは手を振って教室を出ていった。

教室には雅とまだキョトンとしている一哉の2人になった。

倉木 一哉

お、おい

倉木 一哉

雅、急に人気者じゃねーか

倉木 一哉

クラスの大半が雅にテストの答え聞きに来たぞ!

色葉 雅

あー……

色葉 雅

1年の時からこうだけど。俺頭いいから解答確認してくるんだ

倉木 一哉

はぁ?

倉木 一哉

雅はそれでいいのかよ?

倉木 一哉

利用…されてるみたいで俺は嫌だけど

色葉 雅

色葉 雅

頼ってくれてるんじゃねーの?

倉木 一哉

……さすが彼女に尽くすばかりの男はちげぇな

色葉 雅

はぁー?

色葉 雅

(一哉が何を言ってるのかさっぱりだ)

色葉 雅

(考えるのもめんどくさい……)

色葉 雅

(てか……考えたく、ない)

雅はフラッとその場に立ち上がった。

倉木 一哉

ふっ、急にゾンビの真似か?

倉木 一哉

フラフラしやがって__

色葉 雅

は、ぁ?

倉木 一哉

………!

倉木 一哉

なんかお前、顔赤く__

色葉 雅

っ、

色葉 雅

(何だ急に……頭が痛い……)

倉木 一哉

ちょ!急にどう……__

倉木 一哉

…い!…み…び!!

倉木 一哉

し…………ろ!

色葉 雅

(やば、意識が__)

……なにこれ

体、熱い……

いや、寒いような__

色葉 雅

……ぇ

雅は目を開けた。

視線の先には見知らぬ天井がある。

色葉 雅

どこ……ここ

ゆっくりと体を起こし、辺りを見回す。

色葉 雅

(……?)

色葉 雅

(誘拐でもされたのか?)

色葉 雅

(とにかくここがどこなのか知らないと__)

すると雅は自分の額に冷えピタが貼ってあるのに気づいた。

色葉 雅

(もしかして、)

色葉 雅

(一哉の家……?)

部屋から出て、廊下の突き当たりの部屋へと入った。

色葉 雅

(リビングか…?)

色葉 雅

一哉……

色葉 雅

(やべぇ、体ダルい…)

色葉 雅

(何でこんなことになったんだよ…)

その時、ガチャとリビングのドアが開いた。

色葉 雅

倉木 一哉

雅!?

倉木 一哉

お前、なんで起きてんだよ!

色葉 雅

(よかった、一哉が来た……)

色葉 雅

目が覚めた…から

倉木 一哉

フラフラじゃねーか!ベッド戻れ戻れ

色葉 雅

うぅ……

雅はベッドに横になった。

倉木 一哉

ほら、コンビニで色々買ってきたから

一哉はレジ袋を雅に見せた。

倉木 一哉

ゼリーと水と……あとお菓子

倉木 一哉

何が必要かよくわかんねーから適当に買ってきた

色葉 雅

……ありがと

倉木 一哉

顔色も悪いし、まだ気分悪いよな?

色葉 雅

…うん。クラクラする。頭痛い

倉木 一哉

……ごめんな

倉木 一哉

教師なのに何もしてやれなくて

倉木 一哉

何をすべきかも分かんなくて__

色葉 雅

ううん。むしろありがと

色葉 雅

大人だからって何もかも全て知ってるとは限らないんじゃねーの……?

倉木 一哉

……

色葉 雅

……にしても、なんでここに__

倉木 一哉

教室で倒れた後、すぐに家へ帰さなきゃ、と思って__

倉木 一哉

勝手に生徒手帳見て住所確認して……

倉木 一哉

俺ん家の方がちけぇなって思ったからここへ運んだんだ

色葉 雅

…そ、っか

色葉 雅

教師の家へ行くなんて…怒られちゃうよ

倉木 一哉

大丈夫。やらしいことなんか考えてねーし

倉木 一哉

バレたら全部俺のせいにしろよ

色葉 雅

……そ、んなことできない

倉木 一哉

ほら早く寝ろ

倉木 一哉

ここにいてやるから

色葉 雅

……うん

雅はスっと瞼を閉じた。

色葉 雅

(今、一哉が隣にいるんだ)

色葉 雅

(気持ちの悪いほど俺、安心してる…)

ずっとこのままでもいいかも

……なんてな

反面教師とすべき人

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

703

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚