昨日はオーディションに合格したら、今日はやることは無いと言われ、帰らされた。
琴
冷静に考えて……
琴
推しにスカウトされちゃって、ほんとにメンバーになるとかやばすぎない!?
琴
自分の肉眼で本物を前にして喋れるとかファンサイベントじゃん!!
琴
しかも、LINE交換してしまった…!!
〜昨日〜
琴
き、今日はありがとうございました…!
凛
こちらこそ、うちらも新メンバーが増えて嬉しい。
愛里紗
あ!そうだ〜!琴ちゃん今日から沢山お世話になっていくから、LINE交換しよ〜
凛
確かにそうだな!琴、LINE交換いいか?
琴
えぇぇ!?い、いや、あの、その…
凛
どうした?もしかしてLINE持ってないのか…?
琴
そ、そうじゃなくて!推し様とLINE交換出来るなんて夢みたいで、その、だかビックリしちゃったんです!
愛里紗
ふふっ。可愛いね〜!ありさも〜琴ちゃんと交換出来るの嬉しい〜!
琴
ラ、LINE交換、ありがとうございます…!
琴
そんな感じで推しとLINE交換…!
琴
あれ…?そっか
琴
もう、りんちゃとありさちゃんは、推しじゃなくてメンバーなんだよね
琴
なんか、さみしいな
私達、Teen Girlのファンはネット上で、推し語りをして楽しんでいたり、公式からのお知らせをみんなで共有していたりした。他にはサークルを作ってるところもあり、琴もそのサークルに入って楽しんでいた。
琴
『今日からサークル加入する、kotoと申します!これから皆さんと仲良くしたいです♪よろしくお願いいたします。』
サークルメンバー1
『こちらこそよろしく。ちなみに推しとかはいるかな?』
琴
『私は2人とも好きですが、どちらかというと…ありさちゃんです!!』
サークルメンバー2
『ありさ!?仲間やん〜』
サークルメンバー3
同士よ。仲良くしよう
サークルメンバー4
ありさちゃん、なるほど!ちなみに私はりんちゃ推しなんだ〜!
こんな感じで、推しが違う人とでもみんなで共有して、インターネットでこれほど楽しい場所なんてなかった。 それにインターネットだったら、陰キャな自分だって、気軽に話せるんだ。
でもそれは、私達が”オタク”で、2人が私達の推しという立場にいたからだった。
でも、今の私はそうじゃなかった。
愛里紗
琴ちゃん今日もお疲れ様〜!今日帰りご飯食べない?ありさのおすすめのお店紹介するからさ〜!
琴
ほ、ほんとですか!?嬉しいです…!
凛
うわ〜うちもめっちゃ行きたいんだが。今日は金もないし、用事があるから、うちは参戦できないな。
琴
そ、そうなんですね…。
凛
まぁ、今度愛里紗と琴の事誘うからその時は3人でご飯行くぞ〜
愛里紗
ふ〜ん?自分の分はちゃんと自腹だよね〜!
凛
うっ…仕方ない…次回だけ自分で出すからな!
今の私はもうオタクじゃない。この2人も推しじゃなくてメンバーなんだ。 だから私はサークルを辞退した。
私はサークルを辞退した苦しみとメンバーになれたという嬉しさ、今の自分は幸せなのか不幸せなのかわからない。明日は私が加入することをみんなに知らせる生放送をする。
琴
でも今はなんだろうな
琴
メンバーになれたその嬉しさを全力で喜びたい。
琴
明日はみんな夢を私が叶える日。
みんなが口を揃えて言った、その夢は 『Teen Girlのファンの誰かが同じステージに立ってくれるように』 その願いは私が叶えることになる。
琴
”インターネットからできた願い”ってなんて素敵なんだろう