えむ
うーん…このお話、全然わんだほいじゃない…

まふゆ
…そ、そうかな?

えむ
そうですよっ!!だって女の子と男の子、とてもわんだほいだったのに殺されちゃうなんて…ゔぅ…朝から怖いの読んじゃった…

まふゆ
うーん、でも私は好きかな…大好きな人に殺されるのも、大好きな人の前で殺されるのも、大好きな人が死ぬところも、一緒に死ねるのも……

えむ
わぁぁぁ!!!ストップストップっっ!!!

えむ
せ、センパイ…こ、怖いのす、すすす好きなんですね…

まふゆ
?これは怖くないよ…『愛』のお話だから……『愛』ってね…人を狂わせるの…でも『愛』なら殺されても死んでも幸せだよ…いつか鳳さんも分かるよ

えむ
ひぃぃぃっ!!!

穂波
朝比奈先輩と、えむちゃん…何話してたんですか?

まふゆ
えっと…愛の話をしてたの…ね?鳳さん

えむ
は、はひぃ!!穂波ちゃんっ!!!すっごくこわいこわいお話読んだんだよっ!!!

穂波
面白そうだね…愛のお話ならわたしも読んでみようかな

えむ
ひぃぃぃっっっ!!

まふゆ
ハッピーエンドも素敵だけどバッドエンドも素敵だよ…私はどちらかと言うとバッドエンドの方が好きかな…

えむ
ひゃぁ!!バッドエンドですよ!?
バッドエンドはみんなを笑顔に出来ないですよ!!

まふゆ
うーんそうかな…

えむ
そうですっ!!!

穂波
バッドエンドも素敵だよえむちゃん。

えむ
穂波ちゃんまでっ!?!?

類
盛り上がってるところ悪いね…少しお話があって…

えむ
ん?みんな?どうしたの?

司
いや、ちょっと問題があってな

類
うーんそうだね…今鳳グループにここを特定されてしまったんだよ

咲希
えぇ!?それほんとうなの!?!?

司
あぁ…さっき、類がドローンで色々見たり調べたりしてくれたんだが…こっちに向かってきてしまってる…警察も呼んでここに大勢来るだろう

寧々
それ、相応やばくない?はぁ…ゲームみたいに全員銃で殺せたらいいのに

えむ
?

司
どうした?えむ?

えむ
あ、ご、ごめんね、あたしさっぱり今のお話がわかってなくて…『鳳グループ』ってなぁに?

司
は?

寧々
え?

こはね
へ?

えむ
え、あ、あたし何か変なこと言ってる?

寧々
ちょ、ちょっと待ってえむ。今なんて言った?

えむ
え、えーっと

寧々
あぁやっぱり言わなくていい。えーっと『ひなた』さんって知ってる?

えむ
『ひなた』さん?

寧々
そう、『鳳 ひなた』

えむ
あっ!あたしと同じ名字だねっ!

司
え、嘘だろ…?本当に覚えてないのか?

えむ
…?

司
じゃあえむの家族は知っているか?

えむ
あたしの家族?あれ?そういえばあたしって…家族いないのかな?捨てられちゃったとかっっ!?!?

司
あぁわかったもう言わなくていい。

えむが家族を全員忘れてることに
みんな口を開けて固まっている
えむが『家族』というのをどうしても忘れて欲しかったみんなからすれば嬉しい出来事だった
寧々
うーんそれでね、私たちを離そうとする悪い敵がいる、だから今から逃げないと行けない

えむ
え!?悪い敵さんがいるの!?それはとっても大変だね!

正直家族を忘れて欲しいのは
計画通りだったがまさか
何年か経つだけでこんなに
上手くいくとは…
寧々
と、とりあえずみんな準備して…あ、手錠外すよ

えむ
………

類
?どうしたんだい…えむくん

えむ
あ、えーっと…なんて言うんだろ…

こはね
?

えむ
あ、あたし…ここから逃げたくないな…

穂波
え…?

えむ
わがまま言ってごめんなさい…だけどあたしずっと暗い部屋に過ごしてたし、急にお外に行ってもよく分からないし…この家はあたしのお気に入りの家だから…その…うーん…逃げたくないです。

愛莉
えむちゃん、今から警備員や、えむちゃんのSPなど来るわ…このままここにいてもわたしたちは家庭裁判所送られてえむちゃんは保護される。要するにわたしたちは離れ離れになる

えむ
離れ離れはやだけど…でも、

司
すまないが、準備しよう…

えむ
うーーん…あ!いいこと思いついたっ!

寧々
なに?あ、時間もないから手短で

えむ
今ここでお空に向かおうよ!

寧々
は?

司
お、お前最近虹を捕まえに行くとかクレイジーな事言わなくなったかと思ったら次は空へ飛ぶのか…まったく…今は時間が無いんだ

えむ
ち、違うよぉ!!むーー…あ!ちょっとまってて!

穂波
…?

寧々
えむ、いい加減に………って…

えむ
じゃーーん!!!

司
お、おまっ!じゃーん…じゃない!なんで包丁持ってきてるんだっ!?

こはね
もしかして、お空って…そっちのお空!?

えむ
そう!

えむ
今日朝比奈センパイと一緒にみたんだぁ!最初はバッドエンドとか、怖そうだったけどやっぱりこういうのもいいねっ!

まふゆ
え、鳳さん…?た、確かにそういうのは見たけど…嫌だって言ってなかった?

えむ
うーんでもやっぱり大好きなみんなの前ならお空に行ってもいいかな〜って!

えむ
センパイ言ってましたよね!大好きな人の前で死ぬのも、大好きな人の前で殺されるのも、大好きな人に殺されるのも大好きな人と一緒に死ねるのもって!

寧々
ちょ、え、えむ…?

えむ
あたしはみんなと一緒に死にたいし、みんななら殺されてもいいし…みんなの前で死んだり、殺されたい!

そう夢中に言いながら包丁を握る手がどんどん強くなっていた
類
えむくん。分かったから一旦包丁を下ろしてくれるかい?

えむ
あれ?みんなは殺されたいって最初の頃言ってなかったっけ?もしかしてあたしのこともう好きじゃないとか…?

司
そんなことは無い!!だが、それとこれとは違うというか…

えむ
死ぬのが怖いとか…?じゃあ楽な死に方を考えてみんなと一緒に死のうよ!

一歌
お、鳳さんはそれでいいの?

えむ
うんっ!はやくはやくっ!!

穂波
………

えむ
みんな、死ぬのが嫌なの?

まふゆ
鳳さんにもう会えないからね。

えむ
大丈夫だよっ!お空に行ったら一生誰にも邪魔されないよ!あたしたちだけだよ!

寧々
でもえむ。死んだら抱きしめられないよ…司に突撃するのも一生出来ないし、会話も天国に行ったら出来ないと思う…だから…誰にも見つからない地下室に行って暮らそう?

えむ
そっかぁぁ…会話も出来ないのはやだなぁぁ〜

寧々
嫌なら今すぐ外に出て家に行くよ…類が誰にもバレないようなところ探してくれたから

えむ
うーん…うん!わかった!

司
じゃあ準備して行こうじゃないか!

えむ
おーー!!

新しい家を見つけ、えむはそこに
暮らすことになった
前はみんな
高校生だったため、夜には
家に帰ってしまい
いつも1人だったが、
みんな成人してから
一人暮らしするという嘘をつき
みんなで暮らし始めた