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赤嫌われ『未来で笑って』前半

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赤嫌われ『未来で笑って』前半

1 - 赤嫌われ『未来で笑って』前半

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2022年01月09日

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桃赤 橙紫 青黄 赤嫌われからの愛され 長いかも

外から聞こえてくる雨音に目を覚ました

枕の近くに置いてあったスマホを手に取り電源を入れる

まずコントロールセンターを開き明るさを上げ時間を確認するとまだ朝の5時16分だった

今寝たら起きれなくなりそうなので起き上がるが今日はどうしてか体がいつも以上に重かった

暫く動く気がしなくてその場でスマホをいじっていると6時になった

Twitt○rを閉じてL○NEを開き1番上のアイコンをタップする

通話ボタンを押して何コールかしたあと彼の眠そうな声が聞こえた

もしもし?

………もしもしぃ…莉犬、?

いつもより低くて甘い声に頰が緩みつい笑みが溢れた

えへへ、おはよさとちゃん

んー………はよぉ

うんおはよ、また学校でね

おん…………なぁ莉犬

ん?

今日休んだら?

……え?

いや、………大丈夫だよ

…そっか

それを最後にプツッと音がして通話が終わった

名残惜しさに真っ暗になった画面を見つめ、ようやくベッドから降りてハンガーにつるしてある制服に手を伸ばした

…………本当に今日は何をしても疲れるな…

全ての動きが鈍くて気付けば家を出る時間になっていた

階段を降りてそのまま靴を履き家を出た

すると同じ高校の制服を着た見たことのない人が走って行ったのが視界に映った

その瞬間目があってゾクッと背中が凍り体が固まった

……………まさか……ね

1つため息をついた

鍵をかけて歩き出すと急に視界が見えなくなって大きな暖かいものにぶつかった

…んわっ……?

恐る恐る顔を上げると見慣れた顔の人が立っていた

え、あ、おん

急なことに顔に手を当てながら返事をすると「なんだよその返事ww」と笑われた

そういやさ、さっき莉犬ん家行く前に同じ高校の制服きた奴とぶつかったんだよな

2人で並んで通学路を歩いているとさとちゃんは何か思い出したかのように口を開いた

もしかして女?

え、知ってんの?

…………いや、まぁさっき走ってくの見ただけだけど

多分転校生だよな〜

……うん

「そうだね」その俺の一言を最後にこの会話は終わった

黙り込む俺に彼は「なぁ」とまた口を開いた

本当に、大丈夫か?

…何が?

…………いや、なんでもねぇよ

はぁ?なんだよそれw

なんでもねぇww

走り出す彼に俺は少し下を向いて彼の跡を追った

どうしても言えなかった

本当は中学時代の同級生だったなんて

校門に着くとカラフルな2人がこっちに手を振っていた

さとちゃんと一緒に駆け寄るとバッと紫色をした髪色のなーくんが飛びついてきた

やったよ!みんな同じクラス!

そう言って嬉しそうに笑うなーくんを見て近くにいたジェルは頰を膨らましなーくんを俺から引き剥がして「なーくんは俺のやからな!!!」と言って抱きついていた

ほんと?!やったねさとちゃん!

俺はそんな2人をほっといてさとちゃんに飛びつくと「そうだなw」なんて言って背中を撫でられた

すると抱きついた視線の先には睨み合っている2人が歩いてきた

また喧嘩してる…

その言葉に3人は俺が見てる先を見て呆れ顔になった

なんでもっと早くおきないんですか?!

仕方ないじゃん!昨日徹夜したんだから!!

2人とも…wそこらへんにして!w

だってるぅとくんのせいなんだもん!

ころちゃんのせいでしょ?!ゲームばっかりして!

なーくんの声にお互いがお互いが悪いと言ってまた喧嘩し始めた

だから!!ボス戦でクリアしないとセーブできないの!!!!

だったら休日にすればいいでしょ!

馬鹿なんですか!!!!

はぁ?!!?漢字出来ないくせに!!!!

それは関係ないです!僕が言ってるのは社会的のことを言ってるんです!!

出来ない事には変わらないし!

言い合ってる2人にため息を残し俺達は歩き出した

そういや、今日転校生来るらしいで

ね〜!噂になってた

ふーんそうなんだ

他愛ない話をしているとジェルが持ち出した内容に興味なさそうに返しスマホをいじる彼に少し苦笑いしつつ俺は一応何組なのか見つつ玄関で靴を脱いだ

…………もう、疲れたな

俺のため息は空気に混じって消えていった

なんで先に行くんですか!

ごめんwでも同じクラスだしさ

まぁ、そうですけど…

今日から俺らは2年生でるぅとくんとは1年の時同じクラスで仲良くなった

わんわん僕の席どこ

知らんわw

ころちゃんとはるぅとくんの幼馴染でるぅとくんと遊んでた時に会って、それから仲良くなった

黒板に貼ってありますから見に行きましょ

いつの間に仲直りしたのか手を繋ぎながら黒板に向かう2人の姿に呆れ顔になってしまう

だってあれで付き合ってないから

視界を彼らから窓に一旦移し机に突っ伏すと頭を撫でられ顔を上げる

そこにはさとちゃんがいて隣の席に鞄を机の横にかけて腰掛けた

さとちゃんとは唯一の幼馴染で恋人

さとちゃんはそこ?

うんそう

そっか

そう言うと今度はわしゃわしゃと頭を撫でられた

なんやなんやイチャイチャしよって

ラブラブだねぇ

いきなり机からひょこっと顔を出してニヤニヤしているジェルとは一年の頃委員会が一緒で仲良くなった

なーくんは中学の時同じ高校でずっと同じクラスだった

なーくんはさとみくんの隣の机に鞄をかけジェルはその前の席に鞄をかけているとるぅちゃんところちゃんが戻ってきた

やった!!みんなと近い!

はぁ、さとみくんの前かぁ……はぁ、

るぅちゃんは俺の前の席に腰掛けると速攻後ろ向いてきて、ころちゃんはダカっとため息を吐きながらやれやれとした感じでるぅちゃんの隣の席に腰掛けた

は?なんだよオメェやんのか?

そう言って足を伸ばしころちゃんの座っている椅子をドカドカ蹴っていた

せんせ

えぇ、みなさん席についてください。早速ですが転校生を紹介します

先生の合図に各自みんなが席に着くとガラガラとドアが開き1人の女の子が入ってきた

俺はため息をついた

水香~ミズカ~

えっと……っ水香です

水香~ミズカ~

よ、よろしくお願いします

せんせ

それじゃあ水香さんはあそこの席ね

先生が指定した席はころちゃんの前の席だった

後ろから見てても分かるくらいころちゃんは機嫌が悪くなった

水香~ミズカ~

えっとよろしくね

ころちゃんは自分に言われてないと思ったのか机の下でスマホを触っていた

机の中でスマホの画面が光りそっと手に取って通知を右にスライドしてロックを解除するとそれはグループL○NEに送られていた

[え、最悪なんだけど]

[おまwお前今挨拶されてたでw]

[え、マジ?w]

[マジマジw]

[ドンマイw]

[やっちゃいましたね笑]

[ま、いっしょwww]

[それはアカンw]

するとHPが終わるチャイムが鳴りみんな立ち上がり礼をして一旦バラバラに散らばった

その後始業式が終わりみんな教室に帰ってくるとドカッと椅子に座った

あの校長話しなげぇんだよ

腰が痛い……

でも校長のズラ取れたの面白かった

あれは耐えられんw

こんなんやったでw

そう言ってジェルくんは思いっきり頭を下げ1枚のプリントを頭の後頭部らへんに掲げて紙がペラっと前に落っこちた

wwwww似てる似てるww

ちょっ、…っちょっとwwお腹痛いwww

カッカッカッカッカッwwwwwヒーーーッカッカッwww

あっはははははwwww笑い方ww

魔王出てますよwwww

え待ってジェルくん

後ろに先生が…

そう言うとジェルくんは顔を真っ青にしてバッと後ろを振り向いた

まぁ嘘なんだけどさ

はぁ?!お前さぁ!!

いや………嘘じゃない

……校長先生いるよ

こーちょー

…………後で校長室に

ハイ…

せんせ

えぇ〜これで学活を終わります

新学期1日目の最後の授業が終わり俺は腰に手を当てて背を伸ばした

ジェルくん…元気だしな

俺も一緒に行くから

うん……

ちょっとどっちが早く向こうまで拭けるか勝負しましょ

ぜってぇ勝つかんなぁぁぁああ!!

あいつら大丈夫か…?

多分絶対やらかす

俺もそう思うわ

せーので行きますよ?

せーのっ!

とりゃぁぁああああ!!!…っうわぁぁぁぁああああああ!!!

るぅちゃんの合図で一斉に走り出したころちゃんは雑巾をあまり絞らなかったせいで滑りバケツをぶち撒けた

それを知らずに通ったジェルは水に滑りころちゃんと衝突すると同時にバケツが頭に被った

それを間近で見ていたるぅちゃんは笑い転げ俺たちは心の中で呟いた

……やっぱ腹黒だ。と

その後先生が来て何故かジェルを含めた3人が怒られていた

なーくんは「ジェルくん…可哀想に」なんて少し笑いを堪えながら口を抑えて言っていた

俺とさとちゃんは、ほうきを持ったまま壁に寄りかかり窓の外を眺めた

……莉犬大丈夫か?

…今日そればっかだよ?wどうしたの

いや、なんとなく

どことなく雨の音が大きく聞こえた

視線を感じて振り向いてみるとこっちを横目で睨んでいる転校生で、あの時を思い出した

水香~ミズカ~

『あっはははww』

『やめ………て』

水香~ミズカ~

『え?wなんてぇ???』

モブ

『え??もっとやってください???』

水香~ミズカ~

『え、もっとやって欲しいの??やばwwwドMかよw』

『…………っ』

あの時の一粒の涙は傷に染みて凄く痛かったのを覚えてる

__ぬ

莉犬!

…っえ?

気がつくと目の前にさとちゃんがいて眉を下げて不安そうにしていた

お前……本当に大丈夫か?

…うん大丈夫

雨が強くなりより一層辺りが暗くなった

るぅちゃんに呼ばれてさとちゃんの手をとって近づくとまたジェルがふざけていてみんなで笑い合った

下校の時間になってみんなイキイキとした顔をしている中1人だけこの世の終わりかのような顔をしていた

ジェルくん…ww

……………ぁ…ぁぁぁ

お前は顔なしか

まぁ、頑張ってください

んじゃ、先に帰ってていいよ

うん。また明日ね

2人は俺たちの反対方向に足を動かしていった

よし行くべ。これ以上雨強くなる前に

そうですね

はぁぁぁあ〜、ねみぃ

帰ろっか

さとちゃんを始めにみんなが足を動かし階段を降りた

校門で2人と別れ朝来た道をまた歩いていく

沈黙が続いでただただ歩くだけ

でもそれが心地よかった

彼の指と自分の指が触れてどっちからとかもなく手を繋いでただ歩き続けた

家に着いて名残惜しそうにゆっくりと離れる手をそっと掴んだ

…………さとちゃん…ぎゅーして

……いいよ

駆け寄ると腕を広げて俺を力強く抱きしめた

今日、疲れた

うん、お疲れ様

いつもより、ずっと…ずっと疲れた

最初っから言っとけ馬鹿

俺を癒やして

うん、喜んで

そう言うと彼は合鍵を使って家のドアを開けた

その日はずっと彼がそばに居てくれて、愛してくれて、癒やしてくれた

………激しすぎだよ

でも気持ち良かったっしょ?

………ムカつく

頰を膨らませればその頰を軽く突かれ彼の顔を見ると凄く優しくてこっちも頰が緩んだ

そろそろ支度するか

そう言って頭を撫でる彼に頷いて起き上がった

服を着替えて、いつもは食べない朝ごはんを2人で食べて家を出た

今日晴れて良かったな

うん

曲がり角を曲がると昨日の転校生が立っていた

水香~ミズカ~

あ、ねぇ一緒に行かない?

……あー、悪い俺ら生徒会の仕事あるから

水香~ミズカ~

そっ……か

水香~ミズカ~

じゃあまたね

さとちゃんは俺の手を握って歩き出した

俺が通り過ぎると同時にあの子は舌打ちをして睨んだ

でも口角は上がっていた

その時俺は思った

地獄の始まりだと

~ end ~

この作品はいかがでしたか?

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コメント

18

ユーザー

続き楽しみです!

ユーザー

最っ高でしたああ!続きあれば見たいです!

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