桃赤 橙紫 青黄 赤嫌われからの愛され 長いかも
外から聞こえてくる雨音に目を覚ました
枕の近くに置いてあったスマホを手に取り電源を入れる
まずコントロールセンターを開き明るさを上げ時間を確認するとまだ朝の5時16分だった
今寝たら起きれなくなりそうなので起き上がるが今日はどうしてか体がいつも以上に重かった
暫く動く気がしなくてその場でスマホをいじっていると6時になった
Twitt○rを閉じてL○NEを開き1番上のアイコンをタップする
通話ボタンを押して何コールかしたあと彼の眠そうな声が聞こえた
赤
桃
いつもより低くて甘い声に頰が緩みつい笑みが溢れた
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
赤
桃
それを最後にプツッと音がして通話が終わった
名残惜しさに真っ暗になった画面を見つめ、ようやくベッドから降りてハンガーにつるしてある制服に手を伸ばした
…………本当に今日は何をしても疲れるな…
全ての動きが鈍くて気付けば家を出る時間になっていた
階段を降りてそのまま靴を履き家を出た
すると同じ高校の制服を着た見たことのない人が走って行ったのが視界に映った
その瞬間目があってゾクッと背中が凍り体が固まった
……………まさか……ね
1つため息をついた
鍵をかけて歩き出すと急に視界が見えなくなって大きな暖かいものにぶつかった
赤
恐る恐る顔を上げると見慣れた顔の人が立っていた
桃
赤
急なことに顔に手を当てながら返事をすると「なんだよその返事ww」と笑われた
桃
2人で並んで通学路を歩いているとさとちゃんは何か思い出したかのように口を開いた
赤
桃
赤
桃
赤
「そうだね」その俺の一言を最後にこの会話は終わった
黙り込む俺に彼は「なぁ」とまた口を開いた
桃
赤
桃
赤
桃
走り出す彼に俺は少し下を向いて彼の跡を追った
どうしても言えなかった
本当は中学時代の同級生だったなんて
校門に着くとカラフルな2人がこっちに手を振っていた
さとちゃんと一緒に駆け寄るとバッと紫色をした髪色のなーくんが飛びついてきた
紫
そう言って嬉しそうに笑うなーくんを見て近くにいたジェルは頰を膨らましなーくんを俺から引き剥がして「なーくんは俺のやからな!!!」と言って抱きついていた
赤
俺はそんな2人をほっといてさとちゃんに飛びつくと「そうだなw」なんて言って背中を撫でられた
すると抱きついた視線の先には睨み合っている2人が歩いてきた
赤
その言葉に3人は俺が見てる先を見て呆れ顔になった
黄
青
紫
青
黄
なーくんの声にお互いがお互いが悪いと言ってまた喧嘩し始めた
青
黄
黄
青
黄
青
言い合ってる2人にため息を残し俺達は歩き出した
橙
紫
桃
他愛ない話をしているとジェルが持ち出した内容に興味なさそうに返しスマホをいじる彼に少し苦笑いしつつ俺は一応何組なのか見つつ玄関で靴を脱いだ
…………もう、疲れたな
俺のため息は空気に混じって消えていった
黄
赤
黄
今日から俺らは2年生でるぅとくんとは1年の時同じクラスで仲良くなった
青
赤
ころちゃんとはるぅとくんの幼馴染でるぅとくんと遊んでた時に会って、それから仲良くなった
黄
いつの間に仲直りしたのか手を繋ぎながら黒板に向かう2人の姿に呆れ顔になってしまう
だってあれで付き合ってないから
視界を彼らから窓に一旦移し机に突っ伏すと頭を撫でられ顔を上げる
そこにはさとちゃんがいて隣の席に鞄を机の横にかけて腰掛けた
さとちゃんとは唯一の幼馴染で恋人
赤
桃
赤
そう言うと今度はわしゃわしゃと頭を撫でられた
橙
紫
いきなり机からひょこっと顔を出してニヤニヤしているジェルとは一年の頃委員会が一緒で仲良くなった
なーくんは中学の時同じ高校でずっと同じクラスだった
なーくんはさとみくんの隣の机に鞄をかけジェルはその前の席に鞄をかけているとるぅちゃんところちゃんが戻ってきた
黄
青
るぅちゃんは俺の前の席に腰掛けると速攻後ろ向いてきて、ころちゃんはダカっとため息を吐きながらやれやれとした感じでるぅちゃんの隣の席に腰掛けた
桃
そう言って足を伸ばしころちゃんの座っている椅子をドカドカ蹴っていた
せんせ
先生の合図に各自みんなが席に着くとガラガラとドアが開き1人の女の子が入ってきた
俺はため息をついた
水香~ミズカ~
水香~ミズカ~
せんせ
先生が指定した席はころちゃんの前の席だった
後ろから見てても分かるくらいころちゃんは機嫌が悪くなった
水香~ミズカ~
ころちゃんは自分に言われてないと思ったのか机の下でスマホを触っていた
机の中でスマホの画面が光りそっと手に取って通知を右にスライドしてロックを解除するとそれはグループL○NEに送られていた
青
橙
青
桃
赤
黄
青
紫
するとHPが終わるチャイムが鳴りみんな立ち上がり礼をして一旦バラバラに散らばった
その後始業式が終わりみんな教室に帰ってくるとドカッと椅子に座った
青
黄
紫
桃
橙
そう言ってジェルくんは思いっきり頭を下げ1枚のプリントを頭の後頭部らへんに掲げて紙がペラっと前に落っこちた
赤
青
桃
紫
黄
赤
赤
そう言うとジェルくんは顔を真っ青にしてバッと後ろを振り向いた
赤
橙
桃
紫
こーちょー
橙
せんせ
新学期1日目の最後の授業が終わり俺は腰に手を当てて背を伸ばした
紫
紫
橙
黄
青
桃
赤
桃
黄
黄
青
るぅちゃんの合図で一斉に走り出したころちゃんは雑巾をあまり絞らなかったせいで滑りバケツをぶち撒けた
それを知らずに通ったジェルは水に滑りころちゃんと衝突すると同時にバケツが頭に被った
それを間近で見ていたるぅちゃんは笑い転げ俺たちは心の中で呟いた
……やっぱ腹黒だ。と
その後先生が来て何故かジェルを含めた3人が怒られていた
なーくんは「ジェルくん…可哀想に」なんて少し笑いを堪えながら口を抑えて言っていた
俺とさとちゃんは、ほうきを持ったまま壁に寄りかかり窓の外を眺めた
桃
赤
桃
どことなく雨の音が大きく聞こえた
視線を感じて振り向いてみるとこっちを横目で睨んでいる転校生で、あの時を思い出した
水香~ミズカ~
赤
水香~ミズカ~
モブ
水香~ミズカ~
赤
あの時の一粒の涙は傷に染みて凄く痛かったのを覚えてる
桃
桃
赤
気がつくと目の前にさとちゃんがいて眉を下げて不安そうにしていた
桃
赤
雨が強くなりより一層辺りが暗くなった
るぅちゃんに呼ばれてさとちゃんの手をとって近づくとまたジェルがふざけていてみんなで笑い合った
下校の時間になってみんなイキイキとした顔をしている中1人だけこの世の終わりかのような顔をしていた
紫
橙
青
黄
紫
赤
2人は俺たちの反対方向に足を動かしていった
桃
黄
青
赤
さとちゃんを始めにみんなが足を動かし階段を降りた
校門で2人と別れ朝来た道をまた歩いていく
沈黙が続いでただただ歩くだけ
でもそれが心地よかった
彼の指と自分の指が触れてどっちからとかもなく手を繋いでただ歩き続けた
家に着いて名残惜しそうにゆっくりと離れる手をそっと掴んだ
赤
桃
駆け寄ると腕を広げて俺を力強く抱きしめた
赤
桃
赤
桃
赤
桃
そう言うと彼は合鍵を使って家のドアを開けた
その日はずっと彼がそばに居てくれて、愛してくれて、癒やしてくれた
赤
桃
赤
頰を膨らませればその頰を軽く突かれ彼の顔を見ると凄く優しくてこっちも頰が緩んだ
桃
そう言って頭を撫でる彼に頷いて起き上がった
服を着替えて、いつもは食べない朝ごはんを2人で食べて家を出た
桃
赤
曲がり角を曲がると昨日の転校生が立っていた
水香~ミズカ~
桃
水香~ミズカ~
水香~ミズカ~
さとちゃんは俺の手を握って歩き出した
俺が通り過ぎると同時にあの子は舌打ちをして睨んだ
でも口角は上がっていた
その時俺は思った
地獄の始まりだと
~ end ~