密接しすぎているこの状況に、頭がクラクラした。
現代日本ではあまり見かけないが、小クラスということもあり、イライの修学旅行の際の宿泊部屋は大部屋であった。十名部屋として用意されていたそこは規定の人数が寝転んだとて、まだ手にあまりそうな広い空間である。一人暮らしのイライにとって大勢で一部屋というのは慣れぬ感覚ではあったが気を許せる友人たちだ、問題ないだろう。恋バナをすると盛り上がっていた一部に巻き込まれる可能性はあるが。 濡れた髪の毛をタオルで拭き取りながら、男子部屋へと続く襖を開けた。
エマ・ウッズ
イソップ・カール
エマ・ウッズ
襖にかけたままの手を、そのまま元の位置へスライドさせようと試みる。が、足を挟み込んできたカヴィンによってそれは阻まれた。そんなカヴィンは先ほどの恋バナ談義の開催を主催しようとしていた人物の一人である。 部屋の中を見回すと、本来男子しかいないはずの部屋の中にはちらほらと女子の姿。そこには幼馴染のフィオナ・ジルマンも含まれていて、イライに気づいた彼女は呑気に手を振ってきていた。
イライ・クラーク
フィオナ・ジルマン
イライ・クラーク
フィオナ・ジルマン
イライ・クラーク
足元にあった枕を顔面に投げてやったものの見事にキャッチされてしまっていた。 男子十名。女子八名。広い部屋が窮屈に感じてしまうが、気にするほどのことではない。むしろ皆の興味は、すでに始まっている恋愛話にあった。順に過去の恋愛や現在の想い人について語っていくスタイルらしく、聞き姿勢に入れることは有難い。
イライにとって彼女という存在を持ったことがないわけではないが、基本的に向こうから告白をされて受けただけではあるし、語れるほどの大恋愛というものを経験した覚えはまるでなかった。 髪を乾かしてあげよう。という幼馴染の提案に彼女に身を任せ、耳を話に傾けていた。時にそれは起こった。
ウィリアム・エリス
慌てた様子のウィリアムが緊急の報せを持ってやってきた。時刻は二十二時。本来二十三時以降に執り行われる予定であった部屋の巡回を、すでに教師陣が始めているという。ウィリアムの話ではすでに隣のクラスの女子部屋に男子が一人いたことによって吊るし上げられているらしい。成る程、確かに男女部屋の行き来は禁止されている。だがこちらの状況と比べては可愛いものだとイライは思う。
ウィリアム・エリス
ウィラ・ナイエル
イソップ・カール
ウィリアム・エリス
トレイシー・レズニック
ウィリアム・エリス
揃いも揃って騒ぎ出す。外の様子を伺っていたカヴィンが教師来訪の声をあげた。
今思うと僕たちは隠れる必要がなかったのでは。と今の状況になって脳が回り出した。 咄嗟に近くの布団に隠れたまでは良かったが、布団の数に対して人数は倍近く。自然と一つの布団に二人が隠れる計算である。「本当に寝てんのかお前ら」という教師の声が耳に入るが、イライは正直それどころではなかった。 首筋にかかる吐息。サラサラとした髪の一部が手に絡み、柔らかな肌がイライの羞恥を仰ぐ。距離が近い故に、高校生にしては豊満な胸が激しく存在を示してきた。
イライ・クラーク
フィオナ・ジルマン
腕の中、イライの身体に抱きつくようにフィオナは身を潜めている。少し離れようと身動ぐが、その行為が相手の太腿を掠める結果に繋がり
イライ・クラーク
と甘い息を零させてしまう羽目になった。
教師はまだ出ていかない。布団を捲るまではしないものの、だいぶ怪しんではいるらしい。健全な男子にとっては、正直辛い時間ではあった。相手が幼馴染のあのフィオナだとしても、だ。
フィオナとは幼稚園の頃からずっと一緒であったが、女性として意識したことは一度たりともなかったはずであった。直ぐにからかいやイタズラを繰り出す彼女に、悪態を吐いた数は少なくない。友人たちがフィオナの女性としての身体について話していた時も、あいつもそういう対象で見られるのかと思った程である。だが実際に触れてみて、友人の言っていたことを今更ながら理解した。
イライ・クラーク
フィオナ・ジルマン
心配そうに彼女が言葉を潜めて放つたびに、吐息が首を掠め、イライは自身を収める必要があった。
コメント
3件
FF外からありがとうございます、無断転載容疑出てますが違います。証拠欲しければ出します
FF外から失礼します。 こちらの小説はまきあーとさんの小説、イラフィオ 修学旅行学パロの無断転載ではないですか?
FF外から失礼します、こちらの小説無断転載ですよね???