…目を開ける
上半身を起こすと
目に溜まっていた涙が流れた
br
…

br
ごめん、なかむ
逃げられなかった

br
…これから何されるのかなー

br
なかむは最後まで
教えてくれなかったしなー

br
…

周りを見渡すと、部屋のドア付近に
人が立っていることに気づいた
br
…なんでそんな
離れたところにいるの

br
僕、何処かで見たことが
ある気がする

br
お兄さんのこと

sm
…そう?

sm
俺は…君とは
初対面だと思うけどね

br
僕、人の顔覚えるの
苦手なんだ

br
だから力の形で
覚えてるんだけどね

br
お兄さんと同じ力を
持ってる人には
会ったことあるよ

sm
…

br
人を闇に引きずり込む力
だなんて…

br
とっても素敵な力だね(煽)

sm
よく言われるよ

br
おぉ…

この人が居れば
こんな何も無い場所でも
退屈することは無さそうだ
br
まぁ、僕は逃げないから
好きにすればいいよ

sm
それは…俺に言ってる?

br
うん

sm
分かった

br
…あー

br
なかむとシャークんに
会いたいなー

sm
残念ながらそれはできない

br
えー、ケチ

sm
君も分かっているだろう

br
きみきみきみきみ
うるさいなぁ!

br
きみ、じゃなくて!
ぶるーくって呼んでよ!

sm
…ぶるーく君
今日はもう寝なさい

br
今、夜なの?

sm
君がそれを知る意味は無い

br
…どちらにせよ
さっき起きたばっかだし
寝れないよ

sm
…

お兄さんが僕の方に近づいてくる
白衣の右ポケットから薬を取り出すと
無理やり僕の口に突っ込んだ
br
…!!
んッ…ゲホッ…

咄嗟のことに驚き、吐き出そうとするが
お兄さんの手によって阻止された
sm
ただの睡眠薬だ

sm
…大丈夫

br
…ゴクン

br
…本当に?

sm
君がいなくて困るのは
我々だからね

sm
怪しいものを飲ませたり
はしないよ

br
そっかぁ…

br
ウトウト…

br
あれぇ…

br
睡眠薬ってこんなに
早く眠くなるものなの…?

br
…コテッ

br
スーッ…スゥ-…

sm
…おやすみ、ぶるーく君

ぶるーくが寝たことを確認すると
スマイルは即座にその場を離れた
sm
…夢の中に引きずり込まれて
しまってはいけない

sm
…

sm
同じ力を見たことがある…か

sm
侮れないな…
あの子のことは

sm
はぁ…
これから忙しくなるな

sm
面倒だ…俺も寝よ
