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渡辺side

深澤辰哉

このまま行かせてもいいの?
阿部ちゃん。

深澤辰哉

俺的には今からでも断った方が。

深澤辰哉

ほら、
なべだって実際嫌なわけだし。

もちろん、

あんなバレバレ の好意に気づかないわけないし、

俺だって本当は止めたい。

だけど、阿部ちゃんが行きたいなら、

って思っちゃうんだよ。

渡辺翔太

俺は阿部ちゃんを信じてる。

深澤辰哉

あっそ。

俺の顔から目を逸らして、 俺と同じ方向を見るふっか。

深澤辰哉

顔には
嫌だって書いてあんだけどねぇ。

深澤辰哉

素直になればいいのにさ。

渡辺翔太

なんか言った?

深澤辰哉

んーや、なにも。

深澤辰哉

そろそろ帰るか、
気分転換になったっしょ。

渡辺翔太

ん、おかげさまで。

渡辺翔太

ありがと、ふっか。

深澤辰哉

とんでもない。

深澤辰哉

毎回のことですから。

そう笑顔を見せると

また頭の後ろで 手を組んで口笛を吹き始めるふっか。

渡辺翔太

それ、ダサいからやめなよ。

深澤辰哉

んぇ、なんで?

渡辺翔太

なんか平成って感じ。
ジーンズだし。

深澤辰哉

そりゃ俺は
平成を生きる男ですから。

渡辺翔太

今令和な。

阿部亮平

あ、翔太どこ行ってたの?

阿部亮平

気づいたらいなかったから...

渡辺翔太

あ、悪い。

渡辺翔太

ふっかと外出てた。

阿部亮平

あ、そうなんだ、良かった!

阿部亮平

無事ならいいんだよ。

そう言って、 微笑んでくれる阿部ちゃん。

だからさ、阿部ちゃん。

その笑顔がずるいんだよ。

阿部亮平

あ、そうだ。

阿部亮平

翔太、今日もうち泊まってくよね?

渡辺翔太

ぁ、え、今日もいいの?

阿部亮平

当たり前じゃん!

阿部亮平

俺的には、
毎日いて欲しいくらいだよ!

渡辺翔太

そんな...

ラウール

ねえ阿部ちゃーん?

阿部亮平

んー?どーしたの、ラウ。

ラウール

僕は?僕は泊まっちゃダメ?

阿部亮平

そんな可愛い顔で言われても...

阿部亮平

ごめんね、ラウはダメかなぁ。

ラウール

んぇ、なんでぇ?

阿部亮平

んーなんでかなぁ。

阿部亮平

これが翔太の特権、だから?

渡辺翔太

特権...

阿部亮平

そう、特権。

阿部亮平

俺と一緒に過ごせる特権!

向井康二

ええなぁしょっぴー。

向井康二

阿部ちゃんに愛されてんなぁ。

阿部亮平

んふ、でしょ〜?

阿部亮平

よし、翔太、帰ろっか。

阿部亮平

今日はもう仕事終わったし。

渡辺翔太

ん、そうだね。

佐久間大介

ぁ、ねぇ阿部ちゃーん!

佐久間大介

ちょっと相談事あんだけどー!

阿部亮平

あーはいはい!今行く!

渡辺翔太

......

阿部亮平

ごめん。

阿部亮平

ちょっと佐久間に呼ばれちゃった。

阿部亮平

先、下で待っててくれる?

阿部亮平

すぐ行くから。

渡辺翔太

分かった、待ってる。

ごめんね、ありがとう、と言うと、

足早で駆けていく阿部ちゃん。

その背中を 見送ってから回れ右をする。

渡辺翔太

...さっむ。

外で阿部ちゃんを待ち始めて、 早、数十分。

スマホを いじってるから別に飽きないけど

なかなか阿部ちゃんは出てこない。

そんなことを思っていると、

スマホのバイブが鳴る。

渡辺翔太

あ、阿部ちゃんからだ。

阿部ちゃんからの 着信だと確認してから

スマホを耳にあてる。

渡辺翔太

もしもし、阿部ちゃん?

阿部亮平

あ、翔太。今どこ?

阿部亮平

外にいるの?

渡辺翔太

外にいるよ。

阿部亮平

大丈夫?寒いでしょ。

渡辺翔太

大丈夫、慣れた。

渡辺翔太

どう?もうそろそろ終...

阿部亮平

それなら良かった。

阿部亮平

本当にごめんなんだけど、

阿部亮平

翔太一人で帰れるかな?

渡辺翔太

ぁ、ぇ...?

阿部亮平

佐久間の相談が意外と深くて...

阿部亮平

長くなっちゃいそう。

渡辺翔太

あ、そう、なんだ...

阿部亮平

そうなの、ごめんね。

阿部亮平

俺の家の合鍵、持ってる?

渡辺翔太

持ってる、持ってるよ。

阿部亮平

良かった。

阿部亮平

先に帰って待っててくれるかな?

阿部亮平

俺もすぐ帰るから。

渡辺翔太

うん、分かった。

阿部亮平

ごめんね。

阿部亮平

大丈夫かな、一人不安だな。

阿部亮平

もう外も暗いだろうし...

阿部亮平

あれだったら照にでも...

渡辺翔太

や、いい。

渡辺翔太

一人で帰れるから。

阿部亮平

そっか、ごめんね翔太。

渡辺翔太

大丈夫。

渡辺翔太

佐久間の相談、
しっかり聞いたげて。

阿部亮平

うん、ありがとう。

阿部亮平

暖房、勝手に付けていいからね。

阿部亮平

あれならお風呂も溜めるんだよ。

渡辺翔太

うん、分かってる。

阿部亮平

車、気をつけるんだよ。

阿部亮平

信号、ちゃんと見てね?

阿部亮平

踏切も、ちゃんと注意。

渡辺翔太

うん、分かってる。

阿部亮平

知らない人着いてっちゃダメだよ?

阿部亮平

翔太、可愛いんだから。

渡辺翔太

うん。

阿部亮平

家に着いたらちゃんと鍵閉めてね?

阿部亮平

危ないからね。

渡辺翔太

分かってる、分かってるから...っ、

渡辺翔太

じゃあね...っ、

阿部亮平

あ、翔...

俺の名前を呼ぶ声が 聞こえたけど無視して電話を切る。

そのまま電源を落とした。

あのまま阿部ちゃんの 声を聞いてしまっていたら、

俺はきっと泣いていた。

いや、泣いていたというか、 泣いている、今も。

苦しい。

渡辺翔太

なんでだよ...っ、

俺の家来るよね?って、

一緒に帰ろう?って。

誘ってくれたの阿部ちゃんじゃん。

渡辺翔太

なんでそっち優先すんのよ...っ、

阿部ちゃんの隣は俺だ。

だから俺は 阿部ちゃんといつでも会える。

だけど、そういう問題じゃない。

違うんだよ。

渡辺翔太

もーやだ、なんで...っ、

寒い中、 一緒に帰れるの楽しみに待って。

まだかなまだかな、って思って。

なに話そうかな、 なんて考えたりして。

そんな俺の気持ちも知らずに

阿部ちゃんは佐久間との時間を...

渡辺翔太

さっむいな...っ、は、

いつもは 阿部ちゃんが握ってくれる右手。

一人の帰り道は寒い。

渡辺翔太

これ、一緒にいて意味あんの...?

渡辺翔太

俺がいる意味、ある...っ、?

だけど、 俺がいなくてもいいんじゃ...、

なんて思ってしまう自分がいた。

渡辺翔太

...、いないし。

俺が一人だからって言って

佐久間の話を、 巻いてきてくれるかなって思ってた。

阿部ちゃんのことだから

走って 追いついてくるでしょって思ってた。

だけど、そんな期待は淡く終わる。

一人で帰らせるのが、 心配ならちゃんと一緒に帰ってよ。

寒いって 分かってんなら温めにきてよ。

阿部ちゃんが、 俺より佐久間をとった気がして

悔しくてならなかった。

渡辺翔太

俺一人で馬鹿みたいじゃん...っ、

誰もいない薄暗い帰り道に、 ポツンとそんな事が響く。

渡辺翔太

...終わりにしよ、

阿部ちゃんと 付き合ってから初めての一人の帰り道

そんな帰り道は

悔しさと辛さと悲しさの 波で溢れてしまった。

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コメント

5

ユーザー

なぜどれもこれも未完なのか、、、😇

ユーザー
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