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コメント
2件
紫くんが言葉で桃くんの行動を変えてる……わお(? 黄くんも翠くんを〇さないといけなくなるのかな… 毎回ひやひやしながら読むの本当に楽しいです(? 最高でした👍
rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 殺し屋パロ
rara🎼
rara🎼
rara🎼
#14 沈黙の狙撃、笑わぬ標的
雨が止んだあとの街は、ガラス細工のように光を反射していた。
排気ガスと水滴の混じった空気が漂い、人々は足早に通りを抜けていく。
そんな夜のビル街に、ひとつの影がひっそりと潜んでいた。
桃は、人気のない立体駐車場の上階からスコープを覗いていた。
手にするライフルはサプレッサー付き。
遠距離でも確実に仕留めるための仕様。
照準の先にいるのは――茈。
# 桃
呟きは愚痴に近かったが、指先の動きには迷いがない。
桃は“面倒”を嫌う男だ。
だが、“一発で終わる面倒”なら、受け入れる主義だった。
任務:茈に行動の異常あり。接触し、排除判断を委任
# 桃
# 桃
内心でそう毒づきながらも、スコープの奥から目を離すことはない。
その視線の先――茈は、公園のベンチに腰を下ろしていた。
茈は、ただベンチに座っていた。
足元には数羽の鳩。
手には紙コップのココア。
街灯に照らされたその姿は、どこからどう見ても、ただの保育士だった。
だが、茈の耳には小型のイヤホンが差し込まれており、内部のやりとりを常に傍受していた。
瑞、排除失敗
赫、生存継続
翠、動向不明
桃、茈への接触開始
# 茈
茈は静かに笑った。
# 茈
駐車場の上階。
桃は、照準の中の茈を見つめたまま、呼吸を整えていた。
だが――
# 茈
無線から聞こえてきた声に、桃の心臓が一瞬跳ねた。
# 桃
即座に周囲を見渡す。
だが、スコープの中の茈はまだベンチにいる。
動いていない。
確実に“そこに”いるのに、まるでこちらの動きを読まれているようだった。
# 茈
# 桃
そう呟いたものの、否定の力は弱かった。
桃の心の奥底で、何かが軋んでいた。
# 茈
# 茈
茈の声は、どこか諦めにも似た穏やかさを帯びていた。
その裏には、妙な優しさがあった。
# 茈
# 茈
桃は、一度スコープから目を外した。
銃口は下げない。
けれど、呼吸が変わる。
# 桃
吐いた息に、いつもの倦怠だけではない“感情”が混じる。
桃にとって、茈は数少ない“昔からの知り合い”だった。
殺し屋としては切り捨てるべき過去。
だが、それを断ち切れない相手でもある。
# 桃
# 茈
# 茈
無線の向こう、茈の声が続く。
# 茈
# 茈
# 茈
# 茈
# 桃
口には出さず、ただひとつ溜息をついて、桃はゆっくりと指を引き金から離した。
そして銃をケースに戻す。
# 桃
無線に向かって、ぽつり。
# 桃
言葉を残し、静かにその場を後にした。
翌朝。
いるまは保育園の門で、いつもと変わらぬ笑顔で子どもたちを迎えていた。
そのポケットには、一枚の紙が折り畳まれて入っていた。
手書きの走り書き。
背中見せんな。殺されるぞ、茈
差出人は書かれていない。
だが、いるまには分かっていた。
# 茈
小さく笑ったその表情の奥に、微かな安堵が滲んでいた。
その夜――
黈は報告書に目を通していた。
桃:接触完了 排除未遂
茈:行動継続中
# 黈
その言葉は、苛立ちというより――好奇心に近い。
# 黈
黈はページをめくり、静かにペンを走らせる。
次の一手に向けて――着実に、崩壊の準備を始めていた。
#14・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡150
rara🎼
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