一覧ページ

LINE772

第1話 - あ

2023年06月19日

#恋愛

結城真矢

ヨシズミ

よぉ！陰キャの留年生！

サトミ

誰？

ヨシズミ

さっき会ったばっかじゃねぇか！

ヨシズミ

さすが留年してるだけあって、忘れっぽいねぇ～？ｗｗ

サトミ

えっと…

ヨシズミ

おいおい、まだわかんねぇのか？

サトミ

あ、カウンターでちょっと話したヨシ…、なんだっけ。

ヨシズミ

ヨシズミ、高校時代のクラスメイトの名前も忘れちゃったのか。

ヨシズミ

ひでぇ奴だなぁ。

サトミ

あー、さっきビデオレンタルショップでカウンターにいた。

サトミ

ヨシズミくん。

ヨシズミ

数十分前の出来事も忘れるなんて、もう歳かよｗ

サトミ

でも、カウンター別の人がいたのに？

ヨシズミ

見たことある顔が来店したから、カウンター交代してもらってな。

ヨシズミ

ちょっとからかおうと思って待ってたんだよｗ

サトミ

人のことをからかうことが好きなの、変わってないんだね。

ヨシズミ

お前の顔が見えて、知ってる人だったから弄ろうと思ってなｗ

ヨシズミ

ってか、身分証見せるのに、学生証ってｗｗ

サトミ

何、なにがおかしいの？

ヨシズミ

俺ら、22歳だよな？

サトミ

そうね。

ヨシズミ

ってことは、留学してるってことだろ？ｗ

サトミ

それ、間違いだから。

ヨシズミ

まだ、学生さんですか～？ｗｗ

サトミ

だから、違うって言ってるじゃない。

サトミ

私の通ってる薬学部は、6年制なの。

ヨシズミ

そんな嘘、誰が信じるってんだよ？

サトミ

大学は全部が4年制だなんて、決まりはない。

ヨシズミ

はいはい、そうですか。

ヨシズミ

そんな強がらなくても大丈夫だぞ？

サトミ

いや、勘違いしてるし。

ヨシズミ

それと、相変わらず陰キャでアニメ好きは変わってねぇんだなｗ

サトミ

陰キャとか言い方、失礼ね。

ヨシズミ

あのいつも一緒にいた、メガネ男も元気か？

サトミ

コウタロウ君のこと？

ヨシズミ

あーあー、そんな名前の男！

ヨシズミ

いつも一緒で、ラブラブしてただろｗ

サトミ

コウタロウ君はそんなんじゃない。

サトミ

アニメ同士、バカにするのは許さないから。

ヨシズミ

うわ～こえーこえー。

サトミ

私からしてみたら、あなたみたいな陽キャは無理。

ヨシズミ

はー？

ヨシズミ

いつも静かにしてて、こっちからしたら気味悪いぞ？

ヨシズミ

いっつも何を考えてんのかわからん顔して。

サトミ

それ、ただの悪口なんだけど。

ヨシズミ

あー、それはすまんすまん。

ヨシズミ

それにしても、あのいつもの前髪おろしは無くなってたじゃねぇかｗ

サトミ

それは高校の話でしょう？

ヨシズミ

あの容姿はやばかったよなｗｗｗ

ヨシズミ

ただの幽霊にしか見えなかったわｗ

サトミ

ほんと、あんた…

ヨシズミ

ま、あれから四年は経ってるんだ、ちったぁ人間に成長してたよな？

サトミ

他に言い方ないわけ？

サトミ

あんたとしてみたら、校則破りのチャラ男だったわよね？

ヨシズミ

チャラ男で良き良きー

サトミ

髪を染めカラコン入れ、授業さぼって海でサーフィンしに行き

サトミ

同じ仲間を群れにして、アニメ好きを弄るのが大好きな最低野郎。

ヨシズミ

褒めてくれてありがとう。

サトミ

ふざけんな。

ヨシズミ

あ、学生証の提示した時、コピーさせていただきましたー

サトミ

は？

サトミ

なんでよ？確認だけじゃなかったの？

ヨシズミ

そろそろ、俺ら高校の同窓会があるんだよ。

ヨシズミ

その時に、そのお前の学生証を持ってくわ。

サトミ

ちょ、何のために？

ヨシズミ

決まってんだろ、留年してる可哀そうなオタクさんってなｗｗ

サトミ

ふざけないで！

サトミ

絶対嫌！

ヨシズミ

ほんとだっさいよなｗ

サトミ

どうしてよ？

ヨシズミ

だって、留年したってことだろ？

ヨシズミ

超だっせーじゃんｗ

サトミ

また言う？

サトミ

私の大学は6年制なのよ？

ヨシズミ

そんな強がるなって。

サトミ

二年後にはあんたの倍以上稼いでる薬剤師なんだからね！

ヨシズミ

そうですかそうですか～

サトミ

ほんと、狭い世界しかわからない、フリーター男にはわからないわけね。

ヨシズミ

それ以上言うなよ。同窓会ではどうなってることか、楽しみにな？ｗ

～コウタロウとのラインにて～

サトミ

コウタロウ！聞いてよ！

サトミ

あのクソヨシズミがさぁ！

コウタロウ

サトミ、どうしたの？

コウタロウ

落ち着いてって。

サトミ

落ち着いてられるかっつーの！

サトミ

ヨシズミって覚えてる？

コウタロウ

あの陽キャの、俺らのことをよく思ってなかったやつだろ？

サトミ

そいつにレンタルショップでたまたま会ってね。

サトミ

そのあとにライン来たんだけど、もううざすぎて。

コウタロウ

そんなの流して、放っておけばいいさ。

サトミ

私の言い分は勝手だよ？

サトミ

だけど、コウタロウの悪口を言ってるは許せない！

コウタロウ

俺に対しての？

サトミ

そうだよ？

コウタロウ

どんな？

サトミ

メガネ男とって。

コウタロウ

え、それだけ？

サトミ

あ…それだけだ。

サトミ

でも、見下す言い方で許せなった！

コウタロウ

ま、アイツも何も変わってない凡人って思えばいいさ。

サトミ

あー、それとなんだけど。

サトミ

同窓会がそろそろあるみたいだって、アイツ言ってた。

コウタロウ

同窓会？

サトミ

そう。行く？

コウタロウ

行かねぇよ、そんなやつがいくところ。

サトミ

そうだよね。

サトミ

でも、私の学生証を皆にばらすって…

コウタロウ

なんだそれ。

サトミ

レンタルショップに行って、アイツが私の身分証を勝手にコピーしたの。

サトミ

私まだ学生だからって、留年してるぞーってばらすとか。

コウタロウ

放っておけ、といいたいけど

コウタロウ

個人情報だしな…

サトミ

そうなのよ。

サトミ

変に広まるのは、私も嫌なのよね。

コウタロウ

行くしかないか…

～翌日～

サトミ

ねぇ、持ち帰ったビデオの中身が違ったんだけど！

サトミ

どういうことなの？

ヨシズミ

なんだ？

ヨシズミ

何のクレーマーさんですか。

サトミ

私が借りようとして、カウンターに出したビデオと違うものが入ってたの！

ヨシズミ

えー？

ヨシズミ

そんなはずないだろ～、嘘つくなよ。

サトミ

嘘なんてつかないし！

サトミ

あなた、他のとすり替えたりなんかしてないよね？

ヨシズミ

お前が、ただ間違えただけじゃないのか？

ヨシズミ

やめてくれない？そういうクレーム。

サトミ

あなた、私が学生証のコピーしたって言ってたわよね。

サトミ

その時、やけにうろちょろして長かったじゃない。

ヨシズミ

だから何だってんだ？

サトミ

その時に、他のビデオにしたでしょう！

ヨシズミ

証拠もないのに、デタラメはよくないな～

サトミ

ほんと、最低な奴！

サトミ

それと、店長さんに伝えといたから。

ヨシズミ

て、店長？

サトミ

お詫びと交換の応対、彼が客の個人情報を第三者に開示しようとしてますって。

ヨシズミ

おい、勝手なことするな！

サトミ

勝手はどっちよ？

サトミ

後日、またそちらに伺ったらサービスしてくれるっていうことだけど…

ヨシズミ

そういうの、ほんと迷惑だからな。

サトミ

そんなこと言ってられるのも、今のうちかもよ？

ヨシズミ

は？なんでだ。

サトミ

個人情報をばらす行為をしたのよ？

ヨシズミ

なんでそのこと知ってるんだよ、お前欠席してただろ？

サトミ

コウタロウが教えてくれたのよ。

ヨシズミ

あの、メガネ野郎か。

サトミ

犯罪に繋がるんだから、どういうことかわかるよね。

ヨシズミ

あれくらいの行為、どうってことないだろ。

サトミ

店長からクビにされないように、気を付けな。

ヨシズミ

留年して、まだ卒業できてない女にいうことじゃねぇなｗ

サトミ

まだ言ってましたか…

サトミ

わからないやつね…

ヨシズミ

無理してレベル高い大学入ったけど、卒業できないんだろ？ｗ

サトミ

もう勝手に言ってな…

ヨシズミ

良いネタが聞けて、なによりです～ｗ

サトミ

あ、これ聞いた話なんだけど

サトミ

あなた、偏差値38で大学を2つ受験したんだって？

ヨシズミ

は？

サトミ

どちらも失敗して、仕方なくフリーターとなりアルバイト生活の日々…

サトミ

恥ずかしいと思わないの？

ヨシズミ

お前、その情報誰から聞いたんだよ。

ヨシズミ

また、あのメガネ野郎か？

サトミ

コウタロウに散々暴露されて、ひんしゅく状態だったらしいじゃない。

サトミ

孤立していて、可哀そうだったって。

ヨシズミ

お前、上から言うね～

ヨシズミ

それこそ、個人情報聞きだしてるとか、悪趣味だわ。

サトミ

私のことを散々バカにして、良く言えたものね。

サトミ

私が学校で勉強してこの4年間、ずっとアルバイトで？

ヨシズミ

そうだけど？

サトミ

それで、よく人を見下せるものね。

サトミ

あー、それとなんだけど。

サトミ

いくらフリーターのアルバイトでも、個人情報保護法くらいは知ってるよね？

ヨシズミ

へ？

サトミ

あなたがした、第三者に開示したという行為がどういうことなのかって。

ヨシズミ

そ、それがなんだよ…

ヨシズミ

ってか、そのせいで俺店長にすげぇ怒鳴られたんだからな！

ヨシズミ

責任取れ！

サトミ

何、その小さい出来事。

サトミ

どっちの方が悪いことをしたか、まだわかってないの？

ヨシズミ

は？

サトミ

罰則、聞いてみたい？

ヨシズミ

な、なんだよ？

サトミ

30万円以下の罰金、もしくは6カ月以下の懲役。

ヨシズミ

さ、30万！？

サトミ

それだけじゃないよ。内容が悪質なら

サトミ

50万円以下の罰金もしくは1年以下の懲役になるの。

サトミ

フリーターでアルバイト生活してるあなたにできるかしら？

ヨシズミ

支払えるわけねぇだろ！

サトミ

ですよね？

サトミ

私は薬学部の6年制だって言ってんのに、しつこく留年留年って…

サトミ

トーク履歴をさかのぼって、確認してください。

ヨシズミ

勘違いしてただけだろ？

サトミ

何度も説明してもご理解ができない、アホな凡人。

ヨシズミ

大学だったら、普通4年制じゃねぇか…

サトミ

それはただの思い込みです。

サトミ

勉強不足のあなたには、知識不足で知らなかったってだけですもんね？

ヨシズミ

バカにしやがって…

サトミ

それと、私たちって仲が良いわけじゃないと思うんです。

サトミ

しつこくラインするの、やめていただけません？

サトミ

これ以上しつこいなら、次の同窓会であなたのやった行為ばらしますよ？

ヨシズミ

おま、それだけは勘弁してくれ…

～翌日～

ヨシズミ

先日の同窓会で俺のやったことばらしただろ！

ヨシズミ

おい、聞いてんのか！

ヨシズミ

無視するな！

ヨシズミ

ブロックしてるのか？

ヨシズミ

おい！

～翌日～

ヨシズミ

これからお前の家に向かうからな。

ヨシズミ

身分証明書の住所に向かうわ。逃げるんじゃねぇぞ？

サトミ

それ、本当に犯罪行動ですよね。

～数分後～

サトミ

店長には先ほど連絡させていただきました。

ヨシズミ

は？ちょ、もう？

サトミ

あなた、解雇されるそうですよ。

ヨシズミ

か、解雇！？

ヨシズミ

なんでだよ？

サトミ

やっぱ、あなたバカなんですね。

サトミ

これまでの自分を振り返れば、そのくらい当たり前でしょう。

ヨシズミ

辞めさせられるまで、俺そんなこと…

サトミ

手に負えないフリーター野郎でしたか。

サトミ

もう少し勉強して大学通わないと、わからないことですかね。

ヨシズミ

さっきから、バカにしやがって…！

サトミ

だって、バカなんですからしょうがないじゃない？

サトミ

あ、そろそろ近くにパトロールも通るんじゃないかしら。

ヨシズミ

パトロール？

サトミ

近くに交番があるんですよ。

サトミ

きっとその警察の方があなたに職質するかと。

ヨシズミ

おい、警察のやつはどこまで俺のこと…

サトミ

店長さんがどこまで説明してくれたかにもよりますが。

サトミ

厳重注意されることは間違いないですね。

～後日談～

サトミ

彼はその後、警察の方から職務質問され、厳重注意とされ終わっています。

サトミ

その後カラオケ店のアルバイトをしている中でも、同じ行為をしていたらしいです。

サトミ

お客さんの身分証明書を見て、

サトミ

こんな3流大学言ってるの？この免許証の写真ダッセーｗ

サトミ

などの接客が相次ぎ、またもクビにされました。

サトミ

金髪で接客態度が悪いフリーターの噂はみるみる広まったため、

サトミ

働くステージが狭まり、現在は体力的に厳しい土木会社で厳しくしごかれています。

サトミ

私はというと、6年制の過程を終え、薬剤師の国家資格に合格しました。

サトミ

地方にある総合病院に就職することができ、給料は彼の何倍も稼いでるんです。

サトミ

多忙な日々を過ごしながら、幸せな生活を送れています。

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

結城真矢

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

LINE772

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説
一覧

関連するタグ

LINE772

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説一覧

関連するタグ

#恋愛の新着小説
一覧