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2022年08月28日

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■ウィークポイント■  再掲

もっと触れたい。 今すぐ抱き締めたい。

きみの顔を見れば心に上がるそんな声。 ひとたび上がれば見る間に「好き」が溢れ出す。

溢れた『好き』は困り者。 俺だけ見といて欲しいとか、誰にも触らせたくあらへんとか。

つまりどうしようもなく独り占めしたい、そういう気持ちに転化してまう。

きみの心ならいつでも俺にしっかり届けられとるいうのに。

こんな自分がみっともなくって、大好きなきみと目を合わせるのが時折り痛くてたまらんかったりするんよ。

今かて、まさにそういう訳やから···

兎「なあ聞いてる?ってか何で俺を見ないの?」 そんなんは、

兎「俺もしかして何か、ヤなことしたかな···」 そやない。 そやないんよ、だって今その顔を見たら。

兎「ちゃんと俺見て話せって」

······ほらもうアウト。 ごめんよ俺はきみにめっぽう弱いんや、言葉優しく肩に手を置かれてイッパツや。

L「うーくん···」 兎「エル、くっ···?」

 ちゅ、ちゅぷ、くちゅくちゅ···

·····いきなり唇を奪ってその舌を思い切り絡め捕る。

突然のことに慌てて身をよじるきみを。 逃がすものかと片手でアタマを押さえ込み、もう片手で腕ごと身体を抱きしめ拘束した。

ああまったく、鈍感なきみゆえに。こないなケモノなキスもしなけりゃならん。

 ちゅむ、ちゅくちゅく れろっ

殆ど抵抗もできずに、されるがままクチんナカを俺の舌に犯される恋人。

兎「ん、っ···んん、///」

必死に鼻から呼吸するたび、くぐもった甘い鼻声が小さく漏れて··· あかん、めちゃくちゃ煽られるったらあらへん。

触れるキス、 ついばむキス、 もつれ合うよな濃密なキス。

何度重ねてきたか知れんのに、今もまるでバージンのよなその唇。

それでいて触れれば瞬時にして俺の理性を打ち砕く、官能的で手慣れた唇。

兎「ん、 んぷ、···っは、···はぁ、///」

抱きしめたままようやく唇だけを解放してやり、至近距離でうーくんの顔を覗き込む。

想定通り、たったこれだけで頬はすっかり上気しちゃって···まるでウブな女の子みたいやね。

兎「な···んだよぉ///」 視線から何とか逃げようと横を向いて目を伏せる、その顔は。

小さく震えるまつげ、染まった目元。 そして俺の与えたキスで艶を増した唇。

兎「へ、返事くらい、しろっての///」

せやなぁ、そう言われてもなぁ。 正直なところその愛しい面差しから目が離せなくて返事どころやない。 ああ、うん、なんて生返事がせいぜいや。

···情事の時、きみは気付いとらんのやろけど。 甘える代わりにその唇をゆるく開いてキスをねだってくる。

恥ずかしがりながらも、すがるよに俺の目を見つめて。 欲しい、って、滅多に言わん欲望を···

―――言わせる前に、エルくんがキスで塞いで。

きみの、その隠した言葉を俺は知っとる。 当の本人も解っちゃいないウィークポイント、そして甘いチャームポイント。

色々ごまかしたがるきみに反してきみの唇はおしゃべりって事やで。

L「ねえ」 兎「···なに」

L「キスしよ」 兎「し、しただろ、今!」

そのキスやないで。 きみが俺に『欲しい』って白状するギリギリ間際の、その限界の唇を塞ぐ···

L「あのキスやで」

そう低く囁くと、怪訝そうな顔を俺に向けるきみ。 兎「どの、 ···?」

L「教えられへん」 兎「わかんないだろっ」 L「ええの解らんで」 兎「よく、な、···ぁ」

そうやって不満げな声を上げたって、俺にかかればたやすいもの。すぐに甘く喘がせてみせる。

じらしては煽って···今日は『欲しい』って言うきみを待っててみよかなぁ。 イジワル、って恨めし気に恥じらい拗ねる、事後のきみも大好き。

きみに弱い俺とシラをきれないきみの唇は、相乗効果でつまり相性抜群。

そういうワケやから、さ? こんな俺も許してよ。

溢れた「好き」は、こぼすことなく全てきみに。

END お互い、ウィークポイントは相手を好きすぎる所?

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